【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

かんろあめひびきわたるうたげ 長編涅槃活劇[100禁]

ZEN【241】有為転変

2009-11-12 | 3-4 ZEN




 ZEN【241】


意識不明も実は肉体が衝撃受けたので疲れて睡眠に落ちただけ。

だから直ぐに目を覚ます。と3人は暫くガラス
窓に張り付いてアンバーの目覚めを待っていた。

しかし、何時間もいたため医者が見かねた。

意識戻ったら連絡しますと言われて―その場所から追い払われた。

病院に居ても仕方ないので―トパーズの家。

トパーズは社員に呼ばれて造船工場に出て行った。

ソファで項垂れる菊之丞にテラが どうする?と訊いた。

「 ...どうするって...意識戻るまで待つよ。ただ骨折だ と
 思って安心していた昨日に戻れると思ってる...だから居る」

「イルイナとルナには連絡した?何と言った?」

「昨日...飛行機往復を考えて3日後に戻ると...それまで意識が
 戻らなかったら一旦戻る。目覚めるまでいたい...戻れない」

「イーギンとの約束が違うくなるなそれ」

「こっちでまた捜すよ、俺を拾ってくれる人を」

「おおう...お前...変わったな?」

「そうだ、妻を捜すのが大変だからな。生きていてくれと思う」

「あ・はは。そうかそうか」






トパーズの家に居て菊之丞はカナンでアンバーを見続ける
―容体に何の変化もない。当然医者からも何の連絡もない。

「そんなにLtの画面見続けていたら穴が空く」

テラがオレンジジュースを持って来て菊之丞に陽気に言う。

菊之丞は、何百年前の言葉それ?と気のない応答。

「ソファから動かず、何も食べず、疲れて寝て、チャージ出来たら
 直ぐ起きてまたLt...腐っているな。アンバーはそんなことをする
 お前を望んじゃいない。なんてそんな関係ではないか、ははっ」

「 ...。」

「観続けたらアンバーに 起きろっ!て念、届くのかな」

「 ...だといいな」

「 ...今は3日目の夕方だと解ってるか?」

えっ?!と菊之丞はテラを観た。

「お前マジで?」

「 ...色々考えてたんだよ。テラから言われたこと、クルーの
 皆に言われたこと、お父さまやユリウスやクリスティーナや」

「その結論は出たの?」

「まだだ。俺、イルイナの家に一旦帰る。アンバーのことは、」

「言われなくとも!それに大丈夫だって。最悪には船長がいる」

ニコニコ笑って言うテラに菊之丞は苦笑して―サジして消えた。






夜の7時―。

イルイナが寝る前に。とジーンズにシャツというカジュアル服
に戻って、菊之丞はイルイナの家に、ただいま。と帰って来た。

菊之丞の明るい表情以外を観たことのないイルイナとルナが酷く
びっくりして、室内に迎えながら、どうしたの?と同時に訊いた。

菊之丞は自分がそんなに異常な表情をして
いた自覚がまるでなく、え?は?と返した。

自覚なかったが、そうじゃないか―。

アンバーの容態に頭取られていたこと思い
あげて、それが...。と早速話を切り出した。

妻がいて。とは言えず、しかし、アンバーの横に居たい。と
思ったので、のっぴきならない事情は話さなければならない。

対象を父親にして、意識不明になって未だ昏睡状態 を話した。

イルイナとルナが菊之丞に覆い被さるように驚愕の言葉と質問
―菊之丞は笑って、そんなことはいいんだ。と言って黙らせた。

「うん...勘当は一時中断。この際だから看病することにした
 けどルナの受験は放棄しないよ、テレビ電話出来るだろ?」

「先生...そんないいよ、私もうひとりで出来る!60いったし!
 あ、でもそれ嬉しい。先生の言うこと全てやる、終わったら
 次に何すればいいか次々教えて?!それで...ありがとう」

「そんなっいいわよ、ここに住まないのに先生なんてっ!
 ルナのことは気にせずお父さまに出来ることしてあげて」

菊之丞はイルイナに圧されて、いやいや。と笑って言う。

きっとイルイナの話は終わらない―菊之丞は、荷物を纏めるよ。と言って自室に入った。






ZENもくじ ZEN【242】につづく。





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