ZEN【171】
【真夜中の騎士】のブリッジの一画、船長席の右側下方の
壁に貼ってある可愛らしい野良猫の写真はクリスティーナ。
写真は剥がすと警報が鳴る仕掛。
100年..戻らない というクリスティーナが キッカの写真
なら と撮らせてくれたものをクルー皆で崇め奉っている。
それを、ギーガが度々こっそりはがして持ち去ろうとして
―突然緊急事態の警報よりも大きい耳を劈く大音量の警報。
ギーガはビビッてその場でお縄―エドやパイから厳重注意。
今日もまたギーガはブリッジの船長席にこっそりサジして
現れて―忍び足でクリスティーナの猫写真の前 に立った。
ブリッジ・クルーたちはそれぞれ自分シゴトに夢中
で、ギーガが今現れたことに気付かず、見ていない。
見る分にはいい。何時まででも―剥がせば警報器が鳴る。
ギーガが懲りず頻繁に警報機を鳴らすので、最近は
写真の貼ってある壁下のフロアに鳥餅粉を仕込んだ。
写真を壁から剥がすためにはその罠に足を踏み入れてしまう。
ギーガはまんま罠に嵌って身動き取れず、次に大音量警報器。
クルーたちが振り返り―船長が引っ掛かった!と歓喜して
笑おうとしたが、ギーガは猫の写真を一枚べりっと剥がす。
「あっ船長っ!?それ 剥がしたって船から
持ち出せば灰となって消える!消滅だぞっ」
パイが叫んでもギーガは無視―MissionClearしか考えてない。
エドが、サジさせるかっ!と言いながら口径大の
銃をアジしてギーガに一発撃ち、エーナも掛けた。
ギーガは危険(衣装に穴が空いてシュウに怒らる)を感じて瞬間、屈んで銃の弾を避け、何発も撃ち続けるエドを躱しながら鳥餅粉のせいで床から剥がれない靴を残してサジして消えた。
エドがギーガにエーナを掛けたからギーガはサジ不自由のはずが、ギーガの逃亡エネルギーの方が強かった。
エドは銃から弾を放つこと意地でも已めず、絶対に仕留めるっ!とギーガに引っ張られて一緒に消えた。
折角、クリスティーナが撮らせてくれた写真、
お前はっ船長権限で灰にするとはっ!許さん!
ギーガがサジした場所は『光明』のクルー部屋。
同時に現れたエドがギーガを撃った。
しかし、ギーガは降り立ったそこで屈んで弾を避けた。
その弾は―菊之丞の眉間を撃ち抜いた。
菊之丞はこと切れた―頭の後ろで大量の血飛沫を方々に撒いて。
「あ゛―――っ!?!何じゃこらああああっ!?」
「せ、ユリウスっ!てめえっどうすんだよっ?!」
「ガタガタ言うなっ壁に飛び散った血を消せっ!ソファもだっ」
「菊之丞だぞっ!?」
「仕方ねえっ!お前が悪いっ菊之丞だぞっイーギンが怒る!」
「怒る程度で済むかよっ早くしろっ。てかお前のせいだっっ!」
突然、壁から順に現れたクルー衣のギーガとエドに驚いて絶句し
慄いていたミッシェルに、今 ギーガが気付いて―奇声を発した。
「あ゛あああっ!?お前らここで何してんだっ!!」
ミッシェルはソファの背に縋りながら化け物でも見たか
のように怯えて、ゆ...ユリウス...?と微かな声で言った。
「こいつは東宮のアランに送れっ!後で俺が処理する!」
言われてエドはミッシェルをアジして―アランにラギ。
しかし、アランにラギしながらギーガに話し掛ける。
「待てよ船長っ剣使って生き返らない確率高いっ、子供だぞっ」
「どっちにしろ死体だっだったら試すしかないっいやっそれはない
イーギンとエマの子、禅寺で育っているし『リーベ・フロッス』
でサも経験済だ、生き返らないわけないっ!」
「船長........そうだな」
「しかしイーギンには黙っとけ。このログは絶対封印だっ
5年だ、5年経ったら元通りだ。それまで極秘だぞっ!」
了解!―エドとブリッジのカナンで観ていたクルー皆の返事。
真っ青になって固まっていたクルー全員―今少し落ち着いた。
ギーガは死体となった菊之丞の体をソファに寝かせた。
そしてその手にピオニーヴ・スウォードを現して刃で自分の
舌を切って血を付け―菊之丞の脳を貫いた弾丸の痕を刺した。
途端、菊之丞は息を吹き返して―目前にいたギーガを見詰めた。
エドは菊之丞が目覚める前にブリッジに戻っていた。
生き返ると思っていたが、不確定。
菊之丞が生き返ってその瞬間、クルー皆、一斉にホッとした。
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