ZEN【148】
「俺はここではレオンだ。で お前には先輩だが
同僚だ。絶対にお父さまと呼ぶな?解ったか!」
意味が解らず圧されるまま菊之丞は、はい。と応えた。
「俺が何でここにいるかって?お前が生まれる前から土日ずっと
ここだ。会社で社長用事がない限りな。ユリウスの店だからだ
手伝わないと会社も立ちいかない大人の事情」
「えええ.......ぇぇ...でもユリウスとお父さまは」
「レオンだっ。今、慣れろ。桐吾たちと同じ話し方しろ」
「そん... 」
「じゃあバイト辞めるか?」
「え―待って。一体どういうこと?!」
「俺がここに土日拉致られる理由はユリウスに訊け。俺も知らん」
「待って...お、レオンは『リーベ・フロッス』筆頭になる前、から
ユリウスと友だちでユリウスの言うことは裏切らないというそう
いうこと?元がディーラーで今『リーベ・フロッス』なだけで」
「そうだ。単純な理由だ、それで、俺だってお前がここにバイト
なんて今テラから聴いて驚いた。辞めたきゃやめていい。他を」
「いや、いい。やる!納得した」
「俺と一緒じゃ遣り難...くないのか?」
「おと...レオンが遣り難いんで...のか?!」
イーギンは思い出して大笑した―こんなシーンどっかであった。
「な、なん...レオン?!」
「 ...はは...お前、何でテラの誘いに乗った?」
「テラは...総合的に俺のこと思ってくれてる。だから」
「そうか。あいつを信用してのことならいい」
「 ...でも如何してそんな恰好...初めて見て驚いて...る」
「テラから、ミアからも説明を受けただろ?身バレしないようにだ
だから言葉もスラング遣う。わざとこんな格好だ。眼鏡は社長職
の方が伊達。お前も観たことないよな?はは...スタッフは全員が
ユリウスと仲間ってわけじゃない。しかし仲間じゃないそいつら
は『リーベ・フロッス』『パスィディアント』は知ってる。なら
容姿が似てる?でも風貌違えばバレないそんなもんだ」
「 ...そうな...のか」
「お前の名は俺の息子だろうが公表してないが学校関係者や生徒が
バイトのコと何処でどう繋がるか判らないから名も変えろ。そう
だな?ジュンにするか?お母さまを好きだった男の名だ」
「ええ?!...それってお、レオンはどんな心境...?」
「俺がジュンを好きだったからいいよ」
「そ...うなんだ...あ...それは受容?」
「あ―そうだな?ジュンが知ると嬉しいだろうなと」
「お母さまはっ?!」
「お母さまもやめろ。母で通せ。お母さまはただ笑うよ」
「あ...うん...そうだよね... 」
「それでお前は俺の甥な?」
「甥...カメリアの息子?」
「ここにカメリアは関係しない。そこは設定なくていい。どうせ俺
とお前の仲が良いことにスタッフの誰かがどういう関係か訊いて
くるだろうからそれだけ言って後は煙に巻け。スタッフでお前が
知ってる奴=ユリウスの仲間、それ以外は違う。ソレだけ覚えて
いればいい。ミアに何の説明受けた?」
「13時からラスト23時まで10時間中の5時間、好きな時間帯と言わ
れてそれ意味が解んなくてテラに訊こうと思ってた。それと厨房
に出入だけでカウンターは勿論ホールも絶対出るな、出るときは
私服、けど酒場だから、大人の誰かスタッフに保護者としてでは
なく同伴監督者演じて貰う取付をしろとか、店内撮影禁止なのに
たまに違反客がいてそんな連中は即刻追い払うけど、殴り合いに
なっても関わるな、写真撮られないよう気を付けろとか、身バレ
しないよう安全のこと言ってくれた」
「そうだな?ここは有名店だから?」
「だよね...『パスィディアント』のコ来るのかな」
「酒場だからロキたちは来ないし毎度高給レストラン愛用の親たち
も来ないが、例の 外からのコ の親たちはたまに来る。ランチ
やディナーに...で、コ連れは滅多にないが無いとは言い切れない
ふらっとホールに出て鉢遭ったら御仕舞。お前は退学処分」
「 ...了解しています」
「そうだ、ジキ先生もたまに来る。そのときは
私服に着替てホールに出て行っても構わない」
「え...ラキスも?来るの?...酒場なのに?あ...サギロンだから」
「そだ。ナールのような馬鹿しない酒は嗜み。俺はラストまでいる
が、途中、抜けたりして家に居たりする。お前は夕飯時7時には
家にいないとな?6時上がりで俺も一緒に家に帰る」
「あ...これまでの土日...そういうことだったんだ」
「お前は勉強や習い事に熱中して、最近は絵だな
それで俺の行動に全く気が付かなかっただけだ」
「土日は家にいると...思ってた...広いからいるものと」
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