【甘露雨響宴】 The idle ultimate weapon

かんろあめひびきわたるうたげ 長編涅槃活劇[100禁]

ZEN【148】『光明』ではジュン

2009-11-08 | 3-4 ZEN




 ZEN【148】


「俺はここではレオンだ。で お前には先輩だが
 同僚だ。絶対にお父さまと呼ぶな?解ったか!」

意味が解らず圧されるまま菊之丞は、はい。と応えた。

「俺が何でここにいるかって?お前が生まれる前から土日ずっと
 ここだ。会社で社長用事がない限りな。ユリウスの店だからだ
 手伝わないと会社も立ちいかない大人の事情」

「えええ.......ぇぇ...でもユリウスとお父さまは」

「レオンだっ。今、慣れろ。桐吾たちと同じ話し方しろ」

「そん... 」

「じゃあバイト辞めるか?」

「え―待って。一体どういうこと?!」

「俺がここに土日拉致られる理由はユリウスに訊け。俺も知らん」

「待って...お、レオンは『リーベ・フロッス』筆頭になる前、から
 ユリウスと友だちでユリウスの言うことは裏切らないというそう
 いうこと?元がディーラーで今『リーベ・フロッス』なだけで」

「そうだ。単純な理由だ、それで、俺だってお前がここにバイト
 なんて今テラから聴いて驚いた。辞めたきゃやめていい。他を」

「いや、いい。やる!納得した」

「俺と一緒じゃ遣り難...くないのか?」

「おと...レオンが遣り難いんで...のか?!」

イーギンは思い出して大笑した―こんなシーンどっかであった。

「な、なん...レオン?!」

「 ...はは...お前、何でテラの誘いに乗った?」

「テラは...総合的に俺のこと思ってくれてる。だから」

「そうか。あいつを信用してのことならいい」

「 ...でも如何してそんな恰好...初めて見て驚いて...る」

「テラから、ミアからも説明を受けただろ?身バレしないようにだ
 だから言葉もスラング遣う。わざとこんな格好だ。眼鏡は社長職
 の方が伊達。お前も観たことないよな?はは...スタッフは全員が
 ユリウスと仲間ってわけじゃない。しかし仲間じゃないそいつら
 は『リーベ・フロッス』『パスィディアント』は知ってる。なら
 容姿が似てる?でも風貌違えばバレないそんなもんだ」

「 ...そうな...のか」

「お前の名は俺の息子だろうが公表してないが学校関係者や生徒が
 バイトのコと何処でどう繋がるか判らないから名も変えろ。そう
 だな?ジュンにするか?お母さまを好きだった男の名だ」

「ええ?!...それってお、レオンはどんな心境...?」

「俺がジュンを好きだったからいいよ」

「そ...うなんだ...あ...それは受容?」

「あ―そうだな?ジュンが知ると嬉しいだろうなと」

「お母さまはっ?!」

「お母さまもやめろ。母で通せ。お母さまはただ笑うよ」

「あ...うん...そうだよね... 」

「それでお前は俺の甥な?」

「甥...カメリアの息子?」

「ここにカメリアは関係しない。そこは設定なくていい。どうせ俺
 とお前の仲が良いことにスタッフの誰かがどういう関係か訊いて
 くるだろうからそれだけ言って後は煙に巻け。スタッフでお前が
 知ってる奴=ユリウスの仲間、それ以外は違う。ソレだけ覚えて
 いればいい。ミアに何の説明受けた?」

「13時からラスト23時まで10時間中の5時間、好きな時間帯と言わ
 れてそれ意味が解んなくてテラに訊こうと思ってた。それと厨房
 に出入だけでカウンターは勿論ホールも絶対出るな、出るときは
 私服、けど酒場だから、大人の誰かスタッフに保護者としてでは
 なく同伴監督者演じて貰う取付をしろとか、店内撮影禁止なのに
 たまに違反客がいてそんな連中は即刻追い払うけど、殴り合いに
 なっても関わるな、写真撮られないよう気を付けろとか、身バレ
 しないよう安全のこと言ってくれた」

「そうだな?ここは有名店だから?」

「だよね...『パスィディアント』のコ来るのかな」

「酒場だからロキたちは来ないし毎度高給レストラン愛用の親たち
 も来ないが、例の 外からのコ の親たちはたまに来る。ランチ
 やディナーに...で、コ連れは滅多にないが無いとは言い切れない
 ふらっとホールに出て鉢遭ったら御仕舞。お前は退学処分」

「 ...了解しています」

「そうだ、ジキ先生もたまに来る。そのときは
 私服に着替てホールに出て行っても構わない」

「え...ラキスも?来るの?...酒場なのに?あ...サギロンだから」

「そだ。ナールのような馬鹿しない酒は嗜み。俺はラストまでいる
 が、途中、抜けたりして家に居たりする。お前は夕飯時7時には
 家にいないとな?6時上がりで俺も一緒に家に帰る」

「あ...これまでの土日...そういうことだったんだ」

「お前は勉強や習い事に熱中して、最近は絵だな
 それで俺の行動に全く気が付かなかっただけだ」

「土日は家にいると...思ってた...広いからいるものと」






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