今日は、今朝届いたとても悲しいお知らせから・・・

02年の宝塚記念の優勝馬、
ダンツフレームが、28日、
繋養先の
地方競馬教養センターで肺炎のために死亡しました。
01年の皐月賞、ダービーで2着、そして翌年夏には
グランプリホースに輝いた彼が、ようやくたどり着いた新天地で
このような突然の悲劇に見舞われるとは誰も想像していなかった
ことでしょう。
お忙しい中で同センターのスタッフさんが答えてくださったには、
6月に移動してからずっと38℃くらいの微熱が続き
元気のない状態だったため、実際に騎手候補生の訓練に
使われることはなかったそうです。
センターでは、この後、彼の功績を讃えて敷地の中に遺髪を
埋葬し、墓標を立てて供養する予定だそうです。
(お墓参りの可否などは未定とのことです。)
これまでに登録抹消した馬たちが行方知れずになったり、
レース中の事故で亡くなったりという情報を「データ」として
掲載してきましたが、最近とみに痛感するのが
「この一頭一頭、みなそれぞれ個性も感情もある生き物」
だということです。
競走馬の引退後の処遇について、個人として思うところは
たくさんありますが、感傷にとらわれていては解決できない
問題だということは十分理解しているつもりです。
生産に関わった方々、馬主さん、調教師さん、そして
一番身近で世話をしてきた厩務員さん・・・
みな割り切れない思いを胸に秘めて競馬というビジネスに
関わっているということは、
これまで何人かの関係者の方とやり取りする中で私なりに
理解しているつもりでもいます。
ですので、ここでその問題に触れるつもりはありません。
ただ今日はダンツフレームの死が悲しくてたまらない・・・
これでやっとゆっくりと眠れることができる。
今までたくさんの夢と感動をありがとう。
そんなことばで静かに彼を見送りたいと思います。

以下に今年の宝塚記念のときに、別のブログで書いた
ダンツフレームについての記事を掲載しました。
「流れていく疾風(かぜ)」
今週の日曜日は、春のG1締めくくり、グランプリ「宝塚記念」。
ファン投票第一位は、ゼンノロブロイ。
昨秋のG1を3連勝した実績からみれば当然だけれど、
気がかりは、6ヶ月ぶりのぶっつけ本番。
一昨年、同じパターンで、1番人気のシンボリクリスエスが
5着に敗れています。
ただ、ロブロイの大迫オーナー(地図のゼンリンの最高顧問)が
先日急逝され、
「亡くなった馬主の持ち馬や、種牡馬の子供は走る」という
ジンクスがあるだけに、あっさりもあるかもしれません。
休み明けだった前走の金鯱賞を勝って、あらためて強さを
みせつけたタップダンスシチーも、昨年まったく同じステップ
で優勝しているだけに外せないところです。
でも、上位人気間違いなしの2頭がからんだ馬券では、
おもしろくない。
そこで、せっかくのグランプリ、ここは女子代表の3頭に
期待です!
エリザベス女王杯2連覇のアドマイヤグルーヴに、
秋華賞を勝ち、今年の安田記念で牡馬相手に2着の
スイープトウショウ。
一昨年17年ぶりに牝馬三冠を達成したスティルインラブ
にも、もう一度輝きを取り戻して欲しい。
そして・・・
そんな輝かしい舞台の裏、一頭の馬がひっそりと引退しました。
2002年の宝塚記念優勝馬
ダンツフレームです。
ダンツは皐月賞、ダービーでともに2着、
翌春の宝塚記念では、1番人気にしっかり応えて優勝という
実力馬。
その後の彼は、荒尾から浦和へと地方競馬を転々とし、
惨敗を繰り返したあげくに、とうとう引退となりました。
第二の馬生は、那須の地方競馬教養センターで
訓練用の乗馬として送るそうです。
中央での登録を抹消した後、一時行方不明になったと
報じられ、多くのファンが心配した経過があるだけに、
とりあえずはひと安心。
しかし、どうして彼は、
牧場に帰って種牡馬になれなかったのでしょう???
確かに皐月賞、ダービーで2着と言っても、
勝負の世界で言えば、「勝ちきれなかったイマイチくん」。
でも、相手はアグネスタキオンにジャングルポケットだったんだし、
着差はたったコンマ2秒差。しかも上がりでは両馬に
負けていない。
父のブライアンズタイムだって、
サンデーサイレンスにこそ大きく離されたものの、
リーディングサイヤー第2位と、決して悪くない。
同父のシルクジャスティスの子供が、まずまずの成績で
走っていることを考えれば、血統的に問題があるとも思えません。
(しいて言えば、問題はおかあさん?)
それでも、競争馬の世界は、生き残りの厳しい世界。
ファーディナンドの一件以来、長い間見ないようにされてきた
現実を無視できなくなる動きも出てきましたが、
ダンツの場合も、オーナーさんの好意で乗馬として生きる道が
与えられただけでも、幸運としなければいけないのかも。
ダンツくん、これからは、
デビューを目指して、厳しい訓練に励む騎手候補生の
夢を乗せて、いつまでも元気で走り続けてね。

合掌