お久しぶりです。最近は年一回の更新でごめんなさい。
さて「君の名は。」大ヒット公開中ですね。普段は映画館行かない人なんですが、広告・予告編を見るうちにあるシーンが気になって映画館へ足を運びました。
映画の中で隕石落下によるクレーターの中に宮水神社の御神体が祀られている山が出てきますが、おそらくその場所のモデルがここ。
「御嶽山の四の池」と称される噴火口です。(撮影時期が冬に入る直前なのでハイマツ以外の緑が無くなっています)
アニメでは隕石落下によるきれいなクレーター状のフチになった山として描かれてますのでちょっと似ていない気がするかも知れませんけど、飛騨地方の山で森林限界を超えた高地で周囲を山に囲まれた窪地に緑が有ってそこに川が流れてるというと、ここくらいしか思いつきません。地形的には同じ御嶽山の一の池の方がアニメで出てくる山に近いのですが、あちらには植生が無い荒野でしたのでこちらの方が近いかと。(一の池の地形に四の池の底部を足したのがアニメに出てくる山のイメージでしょうか?)
四の池を周回する登山道を歩いて内部に降りた所です。残念ながらこの場所には御神体は有りません。撮影時はカラカラ天気が続いていた時期なのでチョロチョロとした流れの小川しかありませんが初夏の頃は雪解け水も混じってかなりの水量となります。
ここから先は神域では有りませんが、植生を保護する為に立ち入りが禁止されてるカクリヨとなっています。中にはツキノワグマが生息しているという噂も有りますので立ち入らないのが賢明です。
内部からお鉢を見上げる
こちらが在りし日の一の池(※現在は灰色の世界となっています)
さて、ここまではネットで検索すれば出てくる事なので、御嶽山・四の池に行くのには?ってお話を追加。
ご存知のように御嶽山は2年前に山頂付近で大きな水蒸気爆発(噴火)を起こして多くの登山客が犠牲になってしまった山で、今も入山出来ないのでは? という話をよく聞きます。去年までは火山活動も盛んでしたので規制個所も多かったですが、徐々に活動も収まって今では噴火口からおおよそ半径1km以内までの登山道は規制解除されています。
この場所(四の池)に行くのには木曽側から御岳ロープウェイと二の池を経由して来るルートと 、飛騨側から濁河温泉から五の池(飛騨頂上)を目指すルートが有ります。(他にもルートは有りますがメジャーでは無いので割愛)
御岳ロープウェイから登るルートは距離が有りアップダウンも有るので時間がかかり、よほどの健脚でない限り日帰りはキツイです。
なのでここでは最短ルートである飛騨ルートから登る事をお勧めします。それでも片道4.2㎞の距離、所要時間3.5時間、下り2.5時間の苦行(標準タイム)だったりします。
登山口までのアクセスですが、登山口である濁河温泉への交通機関は夏季に木曽福島駅から2往復運転されるバス(~9/25)しか有りませんのでこれからはマイカーまたはレンタカーが必須となります。また濁河温泉に向かうには通常は国道41号線から下呂市・小坂を経由して県道437号線、県道441号線を進むのが一般的ですが、県道441号線は道が狭く崖沿いの曲がりくねった山道なので運転してるとストレスが溜まり濁河温泉までに疲れてしまって登山どころでは無くなるおそれが有ります(景色は最高ですが)。
なので、ここは木曽側からチャオスキー場を経由してぐるっと廻るルートをお勧めします。
チャオスキー場までは快適な道が続いてますしそこから濁河温泉までの道も日々改良工事が進んでいるので割と快適です。カーナビでルート設定する場合、チャオスキー場を経由地(国道19号線名古屋・中津川方面から来る場合は「道の駅・三岳」を経由地に加えると時間短縮出来ます)
摩利支天から見る飛騨頂上エリア
ここからは10月4日前後に行ってみたいと登るビギナーを想定して最低限なガイド
まずは靴、尖った岩や石がゴロゴロしている道を歩きますので登山靴は必要です。スニーカーとかでは足が痛くなりますし靴もボロボロになります。歩くことが基本ですから最低でもトレッキング用として売られているのを履きましょう。
次に服。この時期の朝晩は冷え込んで氷点下になる事が有りますので、それなりの防寒具が必要です。登ってる最中は長袖シャツ1枚で十分だったりしますが途中で休憩したり山頂エリアを散策する場合は風にさらされて急に体が冷えてきますので、その都度調節出来るよう重ね着出来る服を持って行くのがベストです。(ベストなんかも良いですよ。発汗を抑えるのと保温を兼ね備えてますから)
食料や水も登って下りるまでの分にさらに予備を足して持っていきましょう。五の池小屋(↑の画像中央の山小屋)は10月15日まで営業しているので、そこで手に入りますが何かとお高めです。また山では長く歩いているうちにエネルギーが消耗してしまい、疲れに似たような状態になって行動が遅くなってしまいがちになります。常にエネルギーが補給できるようなもの(アメ・チョコ・バナナ等)を持っていってと良いでしょう。
日帰りならばこの時期は日の入りが早くなりますので、懐中電灯は必携。出来れば手を塞がずに使える頭に付けるタイプがおススメ。もっとも途中で暗くならないように下山開始時刻を考えて行動しましょう。
あとは雨具。これも必携です。山の天気は変わりやすいので登山口では晴れていても頂上まで登るうちに雨が降り出したって事は良く有ります。雨が降ってきて雨具が無いのなら即下山しましょう。映画の瀧君のように雨に打たれて登っていたらすぐに低体温症になって行動不能になります。あれは映画の世界ですから実際には無理が有ります。また濡れた体のまま翌朝まで山頂で寝てたら確実に凍死します。服は濡らさないよう十分に気を付けてください。
雨具も100均とかで買える安いのは岩に引っ掛けたり風であおられてすぐに破れますので、高いのを買えとは言いませんがそれなりの強度が有るものを選びましょう。
あとはクマ除けの鈴、10月4日前後なら紅葉シーズンで多くの人が歩いているので日中はクマの方が寄り付きませんが、朝晩は要注意です。登山道では有りませんが一度だけこの山域でクマを見かけた事が有ります。気休め程度とよく言われますが持っていくと良いと思います。
カタワレ時(※イメージ)
カタワレ時?(※ご来光でした)
カタワレ時を山頂で楽しむのには?
ズバリ、山小屋に泊まってください。夜の行動は危険です。御嶽山はテント泊や避難小屋での寝泊りは禁止されていますので、夜を明かすには有料山小屋に泊まる必要が有ります。この時期に御嶽山の山頂エリアで営業している山小屋は次の二つ。(夏季もこの二つしか有りませんが)
五の池小屋 10/15まで
木曽御嶽山 石室山荘 10月上旬まで
どちらが良いかはいつも日帰りばかりで泊まった事が有りませんので何とも言えませんが、石室山荘から四の池までは歩いて1.5時間ほどかかりますし、日没(カタワレ時)が見たいのなら五の池小屋となります(石室山荘は南東寄りの斜面に建っています)。ただこのシーズンは紅葉のピークと重なって混み合いますので今からでは予約が取れるかはわかりません。しかしながら登山では直前になって予定変更になってキャンセルされるケースも良く有りますので、何度か尋ねてみるのが良いかと思います。
御嶽山に登るためのガイドはざっとこんな所でしょうか。
かなり駆け足に解説したので不十分な点が多々あります。身近な登山好きな方に尋ねるか一緒に付いて行ってもらう事をおススメします。
最後にちょっとしたオマケを。
四の池には例の御神体は有りませんけど、霊山でもある御嶽山には数々巨岩・奇岩がそこらじゅうにゴロゴロしています。
その中で、これが御神体のモデルじゃないかと密かに思ってるのがコレ↓
濁河温泉から五の池までの飛騨小坂口登山道を1.2㎞ほど進んだ所に有る通称「ジョーズ岩」ですが、よく見るとなんか右の方から中に入れそうな気がしませんか?
下から見上げた格好で撮っているのでちょっと尖った岩に見えますが、同じ高さから見るとけっこう平べったい形をしている様な気がしますけどね。この辺りは大きな岩石が折り重なった地形なので、どこに落とし穴が有るかも知れませんので近寄れませんけど(ここ重要)。
この他にも道中には「かえる岩」が有ったり、「オットセイ(アシカ?)岩」とかが有ったりします。探しながら登山を楽しんでみてください。んでわ。
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