聖子さんの未発表曲、『白い風は旅人』について、当時ソニーのディレクターだった若松氏が、自身のYouTubeチャンネルの動画で語っていた。
よく覚えてらっしゃらないのか、どの情報に関しても断言されているわけではないが、当時の関係者からこの曲の話が出てきたのは、すごいことだと思う。
彼は動画の中で、この曲は『裸足の季節』がリリースされてすぐの頃(80年)にサンミュージック側からシングル候補として提示されたものの、クオリティの問題でお蔵入りになった作品ではないか?と話している。
しかし、私的には楽曲のクオリティは一定の水準には達していると感じるので、クオリティ云々の問題だけで封印された訳ではなく、何か他に違う理由もあったのでは?と思ってしまう。
あと、実際に遺された音源を聴いてみると、81年頃のレコーディングっぽさもある….…。
そこで、もし他に理由があるとすればどんなことだったのか、勝手に推測してみることにした。
まず手がかりになるのは、作曲家・作詞家の情報だろうが、なんせ世に出されなかった音源ゆえ、当たり前だが公式からは一切情報が出ていない。
なので、曲の雰囲気から、作曲は小田裕一郎氏(若松氏は違うと思うと仰っていたが)あるいは他の誰か、編曲は若松氏が話していた通り信田かずお氏か、『青い珊瑚礁』の編曲等を手がけた大村雅朗氏ではないかとあたりをつけてみた。
これを元に、いくつか仮説を立ててみる。
・小田氏作曲の場合
詞は三浦徳子氏。『風は秋色』の次のシングルA面が『少しずつ春』(実際にはB面となり、小田氏最後の聖子シングル曲にもなった)、その次にこの曲のリリースが予定されていたが、『チェリーブラッサム』から財津氏の曲がA面曲として採用されるようになったため、お蔵入り。
・他の誰か作曲の場合①:
作詞は三浦氏?。『夏の扉』の次のシングルA面として用意されたが、急遽作詞家が松本隆氏に変更となったためお蔵入り。ゆえに、ボツになった初期アレンジの『白いパラソル』に雰囲気が似ている(編曲家が同じ?)。
・他の誰か作曲の場合②:
作詞は三浦氏?。『白いパラソル』のB面として用意されたが、聖子さんの主演映画「野菊の墓」の主題歌『花一色』が収録されることになったためお蔵入り。
・小田氏 or 他の誰か作曲の場合
作詞は三浦氏?。グリコCMタイアップ曲として、81年夏のシングル曲として制作されたが、CMタイアップが延期になったために制作がストップ。その後、松本詞が主流となったため、使用されることなくお蔵入り。
この場合、『風立ちぬ』のB面『Romance』を作曲した平井夏美氏の可能性も….…?(夏の詞だし、『Romance』は元々この曲のB面予定だったのでは)
以前、松本隆氏を特集した番組で、「『風立ちぬ』は、リリース予定だった別曲がボツになったため、代わりに大瀧氏に声がかかり、制作された」といった話があり、もしかするとこの時ボツになった曲が、正に『白い風は旅人』だった可能性がある。
なお、『風立ちぬ』が流れたポッキーCMのキャッチフレーズは、「風と一緒に、旅したい」。
ゆえに、タイアップでCMソングを制作する際の条件として、グリコ側から「風」をモチーフにするよう指示されていたのかもしれない。
そう考えてみると、『風立ちぬ』同様「風」がモチーフだったり、サビがキャッチーでCMソングっぽかったりと、共通点が色々見えてくる。
となれば、上記に挙げた「小田氏 or 他の誰か作曲の場合」説がかなり濃厚なのかもしれない。
あくまで私の推測&妄想だが….…。
まあとにかく、長らく幻の曲として語られてきただけで、実際に存在するのかすら謎だったこの曲が、インターネットのおかげで日の目を見て、関係者の口から語られるまでになったの奇跡に近いこと。
これらをきっかけに、今後真相解明が進んでいってほしい。
40年の時を経て、聖子プロジェクトの秘密のベールが少しずつ剥がれていくこのドキドキ感、たまらない….…。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます