留学豪太のオーストラリア日記

1年間の休暇で来たオーストラリアで11年目。留学生活後、外国人労働者としてのワーキングホリデー(?)生活を気ままに更新。

オーストラリアでの就職 独り言

2006年10月23日 | 留学の処方箋
海外で働くってことはどういうことなんだろう??社会的立場、職種、会社規模、個々の価値観などによっても、その答えは違ってきますよね。オーストラリアでの社会人歴が、まだまだ浅い豪太などが偉そうに言えるものではないのですが、今の豪太が感じるままに書きます。

前にも書いたことがあるけど、オーストラリアで働いているなんて言うと、豪太のことをまったく知らない人は、なんか英語ペラペラのエリートビジネスマンを想像するようですが、豪太の現状は全く異なります(笑)。それに、豪太は大企業のエリート社員ではありまへん!!

職務において、未だ英語で何を言われているのか分からないことがあったり、日本との商習慣の違いなどで知らないことばかりだったりで、聞いて、調べて勉強してと、冷汗、あぶら汗と汗をかきまくって仕事をしているので、スマートなビジネスマンとは縁遠いです(^_^;)。

こちらで働いている日本人の友達、知り合いたち、みんなそれぞれ目的、価値観などの差はあれ、苦労談はこと欠かしません。笑い飛ばしながら悩み考えながら、何からかの方法でみんなやっているように思えます。

豪太は、日本人経営のお土産屋さんでアルバイトをしたことがあります。お店のオーナーはクセがある人で、“豪太さんは、売れないからねぇ~”(実際、売れませんでした。。。)などと散々言われながらも、夕食代を出してもらったりアルバイト代を時には少し多くもらったりと、今でも感謝しています。

今、こうして昔のアルバイトと違う立場になって、そのオーナーも色々と苦労したのだろうなと気づいたりします。ワーキングホリデーの人の中には、折角、英語圏のオーストラリアまで来て、日本人経営のお土産屋さんや日本食レストランなんかで、アルバイトなんかしたくないとの声をたまに聞きます。

確かに、しゃれたオフィスで英語を屈指しながらのオフィスワークとは縁遠いですが、それでも搬入業者の人やオージーのお客さんなどとの会話など、英語は必要です。それに、オーストラリアでの仕事の経験が全くない当初は、同じ日本人であるから安心して使えるなどのプラス面で雇用されるチャンスはやっぱり大きいです。そして、次の仕事を探すときに、自分の履歴書にオーストラリアでの会社で働いた職歴がプラスされるメリットはとても大きいと思います。

5人に1人が外国生まれである多民族・多文化国家であるオーストラリア。日本に住んでいる非英語圏の外国人に比べ、職を得る「機会の平等」はあると思います。もちろん、それはあくまでも移民でも留学生でも、職を応募できるという機会であり、平等に雇用されると言うことではありません。雇用に至るまでには、英語力、職歴、能力や見えない人種の差などの様々な障害があります。残念ながら高学歴であるから、英語が話せるからといっただけでは、それらの障害を乗り越えるには不足があるように思えます。

多くの人にとってのオーストラリアでの就職は、それらの障害を簡単に乗り越えられるような絶対的な実力が必要だと思います。そして、その実力の証明の仕方は、1つ1つ上に向かってステップアップしていくような形が望ましいと思います。もしかすると、そのはじめの一歩は、お土産屋さんからかも知れませんよ(笑)。

オーストラリア生活、多くのワーホリや留学生にとって、大変な面もあるけど楽しい事の方が多くあるのではと思います。特に、既に帰国した人にとっては、懐かし楽しい思い出での場所であり、辛くなったら「帰りたい場所」であるに違いません。そんな場所だから、もっと長くいたい。。。。

でも、こちらで仕事をすると言うことは、通常、ワーホリや学生の頃とは違った生活になります。ワーホリでも学生でも、いつかは日本に帰ることを前提に生活をしていますし、多くの人にとってのオーストラリアは、仮の宿であり旅の途中の場所です。しかし、こちらで就職となると、こちらの生活が中心となり仮の宿ではなくなります。

豪太は、長い長い留学生活の後、オーストラリアで就職しました。一番の理由は、豪太の長い長い留学生活を生かせることができる仕事があったからです。もちろん、当時の豪太の年齢での就職は、日本では非常に難しいという現実があったことも理由の1つです。

豪太のケースは、『有名大学 ⇒いい就職先』 といった図式は全く当てはまりません!!
でも、『有名でない大学 ⇒ やりたい仕事』 という図式は当てはまります。

やりたい仕事だからこそ、実力主義で結果を出すことが重要な今のポジションで、プレッシャーに押しつぶされることなく楽しんでやっています。そして、英語が完璧ないこと、知らないことばかりで聞いて調べて勉強してと言う作業が常に伴うのは、豪太の長い長い留学生活と変わりがないことなので、それほど苦にはなりません(笑)。

まだ、社会人1年目の豪太、これから先、何が起こるかわかりません。でも、これが現在の心境です。

オーストラリアでの就職 その4

2006年10月20日 | 留学の処方箋
日系企業なら、オーストラリア企業よりも就職しやすいのではと思う人も多いと思います。実際、多くのジョブインタビューは、日本語で行なうことになるケースが多いので、自分をアピールしやすい点はあると思います。

しかしながら、業種や地域差などもあると思いますが、豪太がよく知っているシドニーで言えば、日系企業の多くがオフィス規模を縮小したり、駐在員数を減らしたりと、就職マーケットとしては、縮小の傾向にあるように思えます。

また、現時点でのビジネスビザを発給する条件として、企業側がビザをサポートする人に年間$41,850以上の給料を最低保証しなければいけません。NSW州の最低賃金の時給$14程度、スーパーのレジ打ち$15程度と言われています。最低賃金で計算した場合は、年間約$25,000の金額となりビジネスビザで働く人の最低賃金がかなり高いことが分かると思います。

こちらの大学を卒業し、無事に永住権を取得した人を採用するのであれば、ポジションによっても異なりますが年間$41,850以下の給料で雇うことが可能です。一般的な事務職の給料は、シドニーでの日系企業の募集広告を見る限り、年間$35,000前後で、$40,000以上はマネージャー職以上のクラスとなっているように思います。

では、ビジネスビザのサポートを日系企業がしなくなったのかと言えば、また別のストーリーがあります。オーストラリアの一般的な事務職の場合、通常、残業なしの5時退社。土日は完全お休みの年間1ヶ月の有給休暇、これだけで日本と比べたら好条件の労働環境と言うことになります。豪太の隣の会社は、9:00-5:00のようで5時過ぎにはいつも誰もいなくなり、時には4時55分に帰宅するフライング社員もいます(笑)。当然、日本人の永住権保持者たちは、そのような条件の企業をまず優先順位として選びます。

しかしながら、業種や会社の規模によっては、それではビジネスがなりたたなかったり、休日出勤や残業はMUSTの条件だったりします。ざっくばらんに言えば、日系企業は“よく働く人材”が必要だとも言えます。豪太の周りでも、ワーホリの時にアルバイトで働いてた会社からビジネスビザのサポートをしてもらったなどの話は、まだ、少なからず聞きます。

それと、これは今も昔も変わらない話なのですが、アルバイト募集をしている会社に、いきなりビジネスビザのサポートをしてくれますかなどの質問を投げかける人がいます。気持ちはよく分かります!!でも、企業側としては、いきなりそのような質問をされても、能力も分からない人にビザサポートはしません。また、ビザサポートを考慮に入れている企業は、募集広告にその点をしっかり記載しています。相対的に見て、オーストラリアでの日系企業への就職マーケットは、買い手市場であり企業側に断然有利のような気がします。

次回は、海外で働くって??

オーストラリアでの就職 その3

2006年10月16日 | 留学の処方箋
でも、有名大学だけが、いい就職先といった図式になるのでしょうか??

大学、大学院は、あくまでも次の段階へのステップに過ぎません。そこで学んだことは次の段階で活かされることになります。多くの人の場合、次の段階は、自分が学んだ関連分野の仕事を得ると言うことになると思います。それは、医師になるために医学部へ進学するように、単に学歴としての学位習得の場として捉えるのではなく、手段としての学校として考えるべきであると思います。

これは、海外の専門学校、大学、大学院への進学を考えている人には、共通して言えることだと思います。日本、海外問わずに募集企業は、何故、母国の大学、大学院でなくオーストラリアの大学に進学したのかを知りたがるはずです。

また、例え、有名大学、大学院を卒業したとしても、どんな職にでも就けることができるようなピラミッド式の図式は、オーストラリアには存在しません。職種、ポジションによっては、有名大学卒でも仕事に必要なスキルを持っていなければ、募集条件を満たすことはできません。関連の専攻の勉強をTAFEや大学などから1からやり直さなければいけません。

つまり有名大学、大学院があっていい就職があるのではく、自分のやりたい仕事があって、それに必要なスキルを身につけるための学校があるということです。学校での勉強は、自分が将来するであろう仕事が必要とされるスキルを学ぶことであり、その学校での成績が低いということは、例え有名大学を卒業しても、雇用する企業側にとっては、あまりよい評価ができないことを意味します。

逆に、どのような大学でも学校で習ったことを直ぐに実践で応用できるほど吸収し、さらに大学で要求されていること以上の勉強や努力をしてきた人は、当然、成績に反映されていますし、雇う企業側として当然それらはプラスに働くものです。優秀な成績を収めた人は、履歴書に自分の成績結果を記載しアピールするべきでしょう。重要なことは、自分のレベルに合った大学で勉強することだと思います。

こちらで一般的な仕事を得るということは、日本と異なり在学している大学に企業から募集が来るという形ではなく、新聞やインターネットでの募集広告を見て、自分の履歴書を送りジョブインタビューを経て仕事を得ることになります。また、人材派遣会社を利用するのも1つの方法です。最初の難関は、書類選考をパスしてインタビューまで行くことです。

多くの留学生は、数十社に履歴書を送って、やっと1,2社のインタビューを受けることができた(または、ゼロ)なんて話しはよく聞くことです。働くことができるビザを持っているかどうかという問題もありますが、まず、企業側が求めているようなスキルと経験を十分持っているかどうかが最低限度の条件です。永住権は取得できたけれども、希望する職に就けないとの話もよく聞きます。

更に、実力主義のオーストラリアでは、3ヵ月間ぐらいの試用期間が設けられているのが一般的です。その間に、企業側が求めている資質に程遠いと判断された場合は、正規の雇用に至らない場合もあります。また、外国人としての見える、見えない壁も常に乗り越えていかなければいけません。

じゃあ、日系企業はどうなの??

>> 次回に続く

オーストラリアでの就職 その2

2006年10月16日 | 留学の処方箋
では、留学生にとっても、有名大学⇒いい就職先といった図式は同じように描けるのでしょうか??

留学生の入学のハードルが、地元オーストラリア人が求められるものよりも低い事実をどう受け止めるかは人それぞれです。でも、忘れてはいけないのが有名大学に入学した場合、一緒に勉強しているオジー学生は、各高校を優秀な成績で卒業した生徒たちです。

あまり勉強しなくても優秀な成績を修めることができる天才のような人もいると思いますが、通常は多くの時間を集中して勉強できる確かな学習姿勢と学習意欲を持った学生が多いという事です。私の友人が働いている会社では、地元の優秀な大学のTOPクラスの学生をワークエキスペリエンスとして、また、将来の社員候補として働かせているそうです。そして、友人曰く、“やっぱり奴らは優秀”だそうです!!

オーストラリアの大学も欧米の他の大学同様、入学するよりも卒業するほうがが難しいです。現実的な目で見てみると、英語が母国語であり、且つ、まじめに勉強している学生の多くがクラスメイトであるということは、必然的に授業の進行スピードが留学生にとっては早いと感じることになります。当然、授業についていくことができなければ、単位の取得ができません。。。。。

この辺については、2つの点について考えてみたいと思います。1つは、英語力。そして、もう1つは、学習姿勢についてです。

一般的にこちらの大学が求めている英語入学基準を満たしたからと言って、大学の授業についていけるかは、全く別問題だと考えてもいいと思います。もちろん、大学が求めているのは、最低限度の英語力であるという点です。

大学などに入学前は、英語での授業内容を本当に理解できるのかを誰もが不安に思います。しかし、実際、入学後に留学生が直面する苦労は、実はヒアリング力や会話力よりも、レポート作成のために必要な読解力と筆記力不足です。

もちろん、講義の内容を理解できるヒアリング力、チュートリアルなどでの発言できる会話力も必要ですが、大学が求めている英語力をクリアして入学してきたのですから、少なくとも中級レベル以上の英語力を有し、程度の差はあれブロークンでも自分の意思を伝えることができ、且つ、話している内容をある程度は理解できる英語力があります。理解不能な場合は、専門用語などの語彙不足が主だった理由です。

一般的な文系の専攻で常に要求されるのが、レポート提出です。レポートは、英作文と異なり、多くの参考文献を読み、そこからレポートを書かなければいけません。当然、ネイティブスピーカーに比べて、読解力や筆記力が劣る留学生は、ネイティブスピーカー以上の時間をリポート作成に費やさなければいけません。

残念ながら、英語でのレポートを書きなれている人でないと、この読解力や筆記力は、数をこなさなければなかなか上達しないものです。また、英語以前の問題として、日本語で同様の論理的な文章を書くことができる文章能力を持っているかどうかも大きく作用するとも思います。

結局、オジーよりも多くの時間、勉強に費やさなければいけないので、学習計画を立て期限までにレポートを提出できるようにできるしっかりした学習姿勢を身につけているかどうかが、とても重要になります。時には、同じ期限内に2から3のレポートを提出なんてこともあります。

“それでは、私には無理!!”と思う人もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。ある有名大学のファンデーションコースの入学担当スタッフによると、それぞれの国の高校、また、同じ国でも高校間のレベル差があることは理解しているが、経験則で言えるのはどのレベルの高校でも、その学校でTOPレベルの成績を維持できる学生は、同大学に入学してもちゃんとやっていけるとのことでした。

しっかりした学習姿勢、学習意欲があれば、最初は大変なレポート作成でも、提出すればするほど、読解力と筆記力は上がってきます。しかし、学習姿勢や学習意欲といったものは、なかなか直ぐに身につくものではありません。だから、有名大学などに入学を考えている人は、現在の学校での自分をよく見つめて、それがTOPレベルである人であれば、有名大学でも十分やっていける資質があると言えると思います。そして、優秀な日本人学生たちが多く、有名大学を卒業していることも紛れもない事実です。

また、忘れてはいけないことは、大学生活は決して授業で習うことだけではありません。大変な大学生活を一緒に分かち合う友達との出会いもとても大きなものです。有名MBAコースなどは、実践的なスキルを学ぶことと同様に、世界各国からの優秀な学生とのネットワークが卒業後に大きな価値を見出すと言っています。

でも、有名大学だけが、いい就職先といった図式になるのでしょうか??

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オーストラリアでの就職 その1

2006年10月15日 | 留学の処方箋
今年の12月で在豪9年目を迎える豪太、その大半を学生として過ごしてきたので、 オーストラリアでの社会人歴はまだ浅いです(^_^;)。そんな豪太ですが、こちらの学校を卒業後に現地就職した1人として、思うがままにオーストラリアでの就職について書いてみたいと思います。

まず、オーストラリアでの日本人の就職という点で言えば、ビジネスビザの最低賃金が高くなり昔のように簡単にビジネスビザが取得できなくなった代わりに、こちらの大学や専門学校を卒業後に永住権を取得し就職するという人が多くなったように思います。そして、永住権を狙うようなプログラム広告を多く見かけるようになりました。

一方、地元オーストラリア人にとっての就職観は、そのバックグランドによって大きく異なると思います。一般的な数字で見ると、オーストラリア人の大学進学率は日本と比べて低く、TAFEと呼ばれる職業専門学校などに進学するのがポピュラーです。しかし、上流階級のオーストラリア人たちは、子供が生まれたら私学の伝統ある有名校のウティティングリストに載せたり、豪太の住んでいる裕福な中国系移民が多く住んでいるエリアでは、Selective School(公立の選抜校)準備コースを持つ学習塾のチラシ広告がポストに入っていたりする現実もあります。

当然、私学有名校やSelective Schoolへの進学と言うのは、卒業後に有名大学への進学を念頭においていると言うことなります。数においてはマジョリティーではありませんが、高い社会的地位を得たいと考えるのであれば、有名大学(国外も含む)⇒いい就職先という図式は、オーストラリアも日本と変わりがないと思います。

では、オーストラリアにおいて有名大学とはどんな大学なのでしょうか?一般的に、各州で最初にできた歴史ある大学です。こちらの高校生は高校3年時に受ける州の統一テストの結果によって、志望大学への合否が決まります。当然、知名度が高い有名大学への進学は難しく、TOPの何%だけが入学できるといった状況です。

The Times World University Ranking (2006)では、シドニーにある大学で世界TOP100番の大学に入っているが、The University of Sydney 35位、The University of New South Wales 41位、Macquarie University 82位となっています。ちなみに、キャンベラにあるThe Australian National Universityが、オーストラリアの大学では最高のランキングの 16位、日本の大学では、東大19位、京大29位にランクされています(このランキングに異論がある人は多いと思いますが、まあ、何を基準としてランキングをつけるかで結果は変わりますし、毎年大きな順位変動をしているので参考程度に留めておくのが無難です)。

単純に、世界的に聞こえる有名大学を優秀な成績で卒業した学生とまったく無名の大学を優秀でない成績で卒業した学生の就職を比べると、どちらが有利であるかは言わずと知れています。また、時には、ビジネスの名刺に、取得学位だけでなく卒業大学名を記載している人もいるくらいです(笑)。そして、大学学部課程以上の学位を取得することは、オーストラリアではアメリカのようにポピュラーではなく、こちらの有名大学の大学院では、世界各国からの優秀な留学生が多く勉強しています。

オーストラリアでは、教育も大きな産業の1つとして位置づけられています。当然、海外の留学生は、全額の学費を支払ってくれるので、学校経営的にとても嬉しい存在です。政府の補助金のカットなどもあり、どの大学も留学生の確保に力を入れていれています。そのような背景から留学生が、オーストラリアの大学に入学する際に必要とされる条件は、地元オーストアリア人よりも低い基準で入学できるメリットがあります。

いい例では、有名大学のファンデーションコースは、そのファンデーションコースでの基準を満たせば付属の大学への入学が保証されています。地元のオーストラリア人は、決してそのコースへの入学は認められていません。また、ファンデーションコース在学中などに、仮に永住権を取得して学生ビザから代わった場合は、付属の大学への入学は保証されなくなります(苦笑)。まあ、大学側の動機はどうであれ、留学生の入学のハードルが、地元オーストラリア人が求められるものよりも低いのは事実です。

でも、留学生にとっても、有名大学⇒いい就職先といった図式は同じように描けるのでしょうか??

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35歳の豪太へのカウンセリング 後編

2006年05月26日 | 留学の処方箋
あまりにもったえぶった前置きのために、オチが面白くないのは世の常。カンヌ映画祭での「ダ・ヴィンチ・コード」の酷評のようにならないよう気をつけなければ(笑)。

さてさて、仕事柄、オーストラリア留学の相談を受けている豪太。こちらで生活しているからこそ言えることがいっぱいあるけれども、同時にオーストラリアに来る前の豪太の「勢い」や「不安」を忘れがち。自分史作りではないけれども、1つの分岐点であった留学前の豪太をカウンセリング。

名前:  35歳の豪太
職歴:  留学カウンセラー暦 10年
留学先: オーストラリア
期間:  1年間
動機: 一度日本を離れて自分自身を見つめ直したい。
出発時期: なるべく早く(笑)
補足説明:
結果的には、こちらの英語学校の日本人カウンセラーの職を得る機会を与えられたのが後押しとなった留学でしたが、一番最初に考えたのは、「留学」か「海外青年協力隊」かの二者選択。

さて、44歳の豪太は、2つの自分を持つ。
一人の豪太は、35歳の豪太にむかって、「35歳の豪太の気持ちはよく分かる。先のことなど考えないでゆっくりオーストラリアで生活し、その生活の中で今後の方向性を決めればいいじゃないか」と言っている。

すると、もう一人の豪太は、「35歳で1年間留学するとなると、日本帰国は36歳。35歳の今であれば、まだぎりぎり日本の転職市場で売れるチャンスがある。一度、日本を離れると転職は厳しい。もう一度、留学自体を見直すべきでは?」と厳しく切り返す。

35歳の豪太、自分が留学カウンセラーだったので、帰国後の年齢を考えると英語力や海外での学歴だけでは企業が雇ってくれないことを良く知っているし、海外での就職の厳しさも知っている。でも、一度日本を離れて自分を見つめ直したい気持ちは変わらない様子。。。。

44歳の豪太、35歳の豪太がそのような状況を理解した上で、今回の留学を真剣に考えているのであれば留学も1つの選択肢であること思い、「もし、オーストラリア留学を選ぶのであれば、帰国後の就職に少しでも有利になるようなスキルをこちらで身につけてるべきでは?」とアドバイスをする。

44歳の豪太は、最終的に35歳の豪太の留学を反対しない。但し、留学前に現在の自分がどのようなスキルがあるのかを冷静に考え、帰国後のやりたい仕事、またやれる仕事をよく考え、こちらの専門学校や大学などで得た知識やスキルが、その帰国後の仕事にどうプラスに作用するのかを考えるように勧める。そして、再就職における年齢的なマイナス点を少しでもカバーするために、ワークエキスペリエンスを積極的に行い実務経験を得ることが、とっても重要であるとアドバイスをする。



ここまで書いて、44歳の豪太がこのようなアドバイスをするのは、自分がラッキーにも大学院卒業後に、自分の学んできたことを活かしてオーストラリアで仕事をしているからではないかと考える。もし、大学院卒業後に、こちらで仕事を得ることができなく日本に帰っていたら、今と同じアドバイスを35歳の豪太にするのだろうかと。。。。

大学院入学前に、豪太は自分の中での最悪のシナリオを考えていました。扶養家族を持つ豪太、自分の可能性追求のために長い間豪妻には苦労をかけさせていたので、こちらでの職がなければ豪妻の実家近くで「生活のための仕事を探そう」、「家族中心の生活を営もう」と。

でも、自分の中での最悪のシナリオにならないように、大学院時代は勉強だけでなく、将来につながる仕事をやってきました。その結果として、こちらでの職もなく日本に帰国した豪太なら、悔いは残らないと思いますので、35歳の豪太に今と同じアドバイスをすると思います。もちろん、その時になって見なければわかりませんけど。。。

終わりに、「ウェブ進化論」の梅田氏は、海外で働くことに対して、次のように言っています。

「いつ失脚するかわからない緊張感の中で、常に個としてスキルを磨き、自分を客観的に凝視し続ける姿勢が個を強くする」。

これは、決して海外で働くことだけでなく、留学中の生活でも同じことが言えるのではないかと思っています。それに「強い個」であれば、仮に失敗しても、また一からやり直す気力があると思います。また、そのように精一杯努力していれば、見てくれる人は見てくれると思っていますし、そうであると豪太は信じています。

35歳の豪太へのカウンセリング 前編

2006年05月25日 | 留学の処方箋
梅田望夫著「ウェブ進化論」を読み、本筋とは関係ない所(笑)ですが、過去の自分のカウンセリングをしたいと思い、今日はその前編。

梅田氏は、シリコンバレーを拠点にビジネスをしているIT分野の有名人。その著書の中で、日本でアメリカ永住権の抽選に当たった28歳の男性へ渡米後の就職面のアドバイスをするところで、梅田氏が考えたことにとっても共感できた。

アメリカ在住10年。厳しい面も身をもって経験してきた梅田氏、日本の大学を卒業して日本でしか仕事の経験がない28歳の男性がアメリカに来たら徒手空拳の厳しい就職活動が待ち受けていることを容易に想像する。永住権を持っていることは、ビザをスポンサーしてもらうよりも条件はずっといいが、それ以上でもそれ以下でもないと言っている。

しかし、そんなアドバイスをした後、渡米前の34歳だった梅田氏が、現在44歳の梅田氏に同じように相談をしたら、現在44歳の梅田氏は、「34歳の梅田氏にむかって、お前がやっていることは危なっかしくて見てられない」と言うんだろうかと自問する。

そして、34歳の梅田氏が44歳の梅田氏のようにモノが見えていたら、リスクを考え冒険しなかったのではないかと考えゾッとし、モノが見えてなくて本当に良かったと思っている。44歳の梅田氏は、34歳の梅田氏よりももっと色々なことが見えていが、同時に保守的になり、新しいこと、未経験なことに対して否定的に判断しているのではと自戒する。

前置きが長くなってしまいましたが、梅田氏のような華麗な学歴、職歴はないけれども豪太がオーストラリアに留学してきたのが35歳。そして今年、44歳(^_^;)。梅田氏と同じように過去の自分へのカウンセリングをしてみたいと思います。

もっとも35歳の豪太は、44歳の豪太に、この前置きのような『くどいカウンセリングはやめてくれ』と真っ先に言うと思いますが。。。(笑)

前編 おわり

違う国で生活したい人へ

2006年03月23日 | 留学の処方箋
今、野球が日本で熱いみたいですね。同じ日本人として、世界の舞台で活躍している日本人を見ると、嬉しく思い、また、とても勇気づけられます。

豪太は、オーストラリアに住んでいる一般ピープル。決して、海外で活躍している日本人ではありません(笑)。『オーストラリアに住むことに固執はしていない!!』と嘯きながら、この国で這い蹲って生きています(^_^;)。そんな豪太でも日本に帰った時には、オーストラリアに住んでいることをよく羨ましがられます。

『海外に住んでいる』って、やっぱり聞こえがいいですよね。特に、日本での生活で閉塞感で行き詰った時、『知らない国での生活』という言葉は、とっても魅力的に聞こえると思います。また、雑誌なんかで海外で生活している人の記事なんかを読むと、既に海外に住んでいる豪太ですら憧れます(爆)。

見知らぬ土地で生活すると言うのは、海外に限らずエキサイティングなことだと思います。今までの日常とは違った生活を始めることになるので、『新しい生活』、『新しい自分』が待っています。但し、その為には、新しい環境に順応する努力や新しい自分を創る努力が必要だと思います。

兎角、長く海外に住んでいる人たちは、これから海外で生活しようと考えている人に、自分の苦労話をしないものです。そこには、多くの人が多くの違った経験をしているからかなって思ったりします。すばらしい経験をする人もいれば、好ましくない経験をする人もいます。英語が話せなくても全然苦労しない人もいれば、めちゃめちゃ苦労する人もいます。これから海外で生活しようとする人が、どんな道を歩むのかは誰も分かりません。

但し、忘れてはいけないことは、見知らぬ土地での生活も長く住めば見知らぬ土地ではなくなり、そこは自分の生活の場となります。そして、自分が生活しやすい場を作る努力は、どこに行っても必要と言うことです。

中年で留学してもいいかなぁ~? 留学と年齢の考察

2006年03月16日 | 留学の処方箋
留学の処方箋では偉そうなことを書いているけど、『豪太さんはどうなの??』と聞かれれば、何も言い返せません(^_^;)。今日は、懺悔(?)も含めて、留学と年齢に関して、好き勝手に書きたいと思います(笑)。

ご存知の通り(?)、豪太がオーストラリアに来たのは36歳。日本では立派な中年として、認定されている年齢でした(笑)。日本の転職雑誌などでは、35歳までが日本で転職できる年齢の上限とも言われています。

大体、ある程度の年齢で日本での常識や分別を持っている人が留学を考える時、ある日突然、神の啓示を受け、『いざ留学へ!!』とはならずに、そこには何らかのきっかけがあるものです。豪太の場合も、自分の人生を見直す機会があり、その1つのオプションとして留学を考えました。

10年間のサラリーマン生活は、ある程度の生活の保証と将来の見通しを提供してはくれましたが、その反面、年齢の経過と共に自分が守りに入っていき、過去の遺産で食いつないでいるような気がして、どうも納得が行きませんでした。日本でそのままやっていく道もあったのですが、『自分が納得できる人生』の方が、一時の安定よりも上回っていました。

紆余曲折を経て、10年間日本で一生懸命働いた自分へのご褒美として、『1年間の休暇』という名目でこの国に来たのが豪太のオーストラリア歴の始まりです。もっとも、休暇後の戻る場所は全く保証されていませんでしたけど(笑)。

当時の豪太、そのままオーストラリアに残るなど、夢にも思っていませんでした。日本での留学業の仕事を通して、留学生の殆どが留学後は日本に帰国し、そのまま海外で就職できる人は、留学生全体数から見れば、ほんの一握りの人たちだけでした。当然、豪太が考えたのは、1年後に日本に帰国した際に、自分のキャリアに少しはプラスになる留学を考えました。

さて、一般的に日本での就職を考えた場合、帰国後の年齢によって次のように3つの層に分かれます。各年齢層によって、自分の留学をプラスに作用させる方法を考える必要があると思います。

27歳以下の人は・・・・
日本の就職市場は、海外の学校を卒業した年齢が、 26、27歳くらいまでなら、第2新卒者として扱われるとも言われています。帰国後の年齢が27歳以下の人は、留学を就職に活かせるチャンスがあります。

28歳~34歳までの人は・・・・
第2新卒者としての枠から外れ、即戦力が求められる中途採用の枠での就職となります。当然、職務経験が求められていますので、今までの自分のキャリアに即した専門や付加価値を付けるような専攻を選ぶ必要があるかもしれません。また、自分のキャリアを180度変更する留学を考えている人は、 如何に海外で職務経験を得るかが重要な課題となります。キーワードは、『ワークエキスペリエンス!!』です。

豪太と同じような35歳以上の人・・・・
日本で転職ができる年齢の上限として、35歳までと言われているので、特殊なスキルを持っていたり、運がよかったりとなるようです(^_^;)。実際、日本の求人情報で35歳以上の受け入れを認めてくれる企業は少ないのは悲しい現実です(涙)。でも、贅肉を落とし自分の競争力をつけ、再び這い上がるチャンスを狙う人生も一興では?? 最近のスポーツ選手は、そんな生き方をする人が増えてきていますよね!!

一方、オーストラリアでは、日本のように年齢重視しません。その代わり職務経験をとても重視します。しかし、職務経験をつけるためには、年数がかかるものですから、全く年齢を重視しないとは言い切れない現実もあります。職務経験がない人は、そのチャンスを掴むために関連の資格を取得し、下位のポジションからスタートし、自分の実績を作ることが重要となります。

『自分が納得できる人生』を送るためには、資産家の人でない限り、生活のために働かなければいけません。まず、雇用の現状を理解し、そしてその希望の産業での自分の市場価値を高める工夫をするように常に考えてくださいね。

なんとなく日本にいたくないと思っていませんか?

2006年03月14日 | 留学の処方箋
留学の動機は人それぞれです。日本での生活がうまく回らなくなり、思いっきり気分転換のために海外へ行っちゃえっ!!なんて人もいますし、外国人の彼を捕まえるため行く!!なんて国際派(?)の人もいます(笑)。

でも、兎角、誰もが納得するような目的がない限り、留学に対する周囲の目は冷たいものです(^_^;)。ホンネを話したら周りがきっと反対すると考え、留学雑誌で書かれているような無難な受け答えをする知能犯(?)もいます(笑)。

豪太は、最初の動機はあくまでも単なるきっかけに過ぎないと思っていますので、動機よりも、『留学してどうするの?』などの留学の目的のほうが重要だと考えます。

オーストラリアで生活をしていると、日本では出会う機会が少ない人たちに、多く出会います。その人たちは、一般的な日本人とは違った価値観を持ち、そして、その価値観に基づいた自分のスタイルを持っている人が多いです。

個人主義のオーストラリアは、個々の価値観を大切にします。グループで見た場合は、『朱に交われば赤くなる』よりも、様々な違ったカラーが集まって『独自の色を作り出すこと』を大切にする傾向があると豪太は感じます。そんな国だから周りを気にせず自由に自分を表現している人が多いのかも知れません。

日本において、自分の居場所だと思う環境は、自分が心地よいと感じる場所であり、概して、自分と同じような感性や価値観を持った人が多く周りにいるものです。その反面、同じ色に交わらなければ、周りから浮き出てしまい居心地よくありません。なんとなく日本にいたくないと思っている人なかには、自分の居場所がないと感じている人もいるようです。

今まで慣れ親しんできた環境から暫し離れ、海外において自分自身、または外から日本での身の周りの環境を見つめなおすことは、新しい自分の発見につながり、次の自分が進むべき道を見出すことができるかもしれません。

キャリアップなどの実利的な目的だけでなく、自分を見失っている人は、自分探しの手段としての留学もいいのではと豪太は考えます。