人生の店じまい

2021-08-27 10:47:36 | 日々思うこと
あと数か月すると 
義母が多発性骨髄腫を発症した年齢になる
闘病4年で旅立った
この年齢で・・・さぞや無念だったろうと思う

これから先 私にも何が起こるかわからない
そろそろ片付け物をしておかないとなぁ

はじめてヘルパーの仕事をさせてもらったおばあちゃま
私は彼女が80過ぎてから出会ったわけだけど
なぜか気が合っていろいろな話をしてくれた

戦争で恋人が戦死したこと
戦後結婚したけれど子供ができなくて離縁させられたこと
その後 職業婦人として第一線で働き続けたこと などなど

その中で 人生の店じまいの話も聞いた

仕事の一線を遠のいてからは60代 70代 80代と
彼女は人生の節目で生活を小さくしていった
色々な体の機能が衰えていく
それに合わせて 自分のできることも減っていく
それに合わせて身の回りのものを小さくしていく
それは物質的にも精神的にも 両方において
品物も捨て 人付き合いも小さくしていく
色々なものを捨てていくのだ
それが私の生きる術だと・・・

そう彼女は話していた

1年半 週に2回 掃除と洗濯と買い物のお手伝いをした
持病をお持ちだったから だんだん一人で暮らすのが大変になって
ケアマネの判断で 急遽施設に入ることが決まった
彼女としたら 不本意な思いもあったと思う

最後にヘルパーで入った時に
笑って別れようと思ったけど
涙が出て止まらなかった

その時に彼女が言った
「長いことありがとう 思い出さずに忘れましょうね」

きっと彼女は人生の折々の別れの時の
いろんな店じまいの「覚悟」の気持ちとして
この言葉を心に刻んでいたのかもしれない

確か年末に近い頃だった
春にはこの世を去ったと ケアマネから聞いた

この言葉と共に 私はいつも彼女を思い出してしまう



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