母の薔薇が咲きました

草花の手入れは嫌いではないけれど
スペースがなければやらないですむよなー
などと思ってしまう
小さいながらも二件分の庭の手入れは少し面倒だ

中でも薔薇は虫がつきやすいし病気にもなりやすい
好きな花ではない…はずだったけど　気づけば
数種類の薔薇が庭にある

一番最初に自分で買った薔薇は　
母の日のプレゼントだった

父が他界し　一人になった母は
我が家の隣に引っ越してきた

隣同居になってはじめての年に薔薇をプレゼントした
一重の小ぶりのかわいらしい薔薇だ
今調べたら　バレリーナという名前の薔薇に似ている
薔薇もいろいろと似た品種があるから
まあ　バレリーナさんのお仲間だろう

はじめは鉢にしていたけれど
母の死後　地植えにした
つるでどんどん延びていくのだろうけれど
手入れが大変になるので　毎年こじんまりと刈り込んでいる




母が隣に来てはじめての母の日
母は当然　私がどこか連れて行ったり
食事に誘うと思っていたと思う
私は　そうわかっていながら　あえて用事を作って
ひとりで外出したのをはっきり覚えている
　
たいした理由なんてない
母の思い通りになりたくないというか
巻き込まれたくないというか…
それでいて　そのように決めた自分の気持ちも
とても重苦しくて　居心地は良くなかった

今思えば　素直に感謝を告げれな良かったなと思うけど
あの頃はいつも　母の存在が重たかった
すごく助けてもらってたはずなのに
してあげなければいけないことに私の気持ちが占領されていて
やさしさや感謝の気持ちが　心の奥の方にとじこもっていた

この薔薇が咲くと　そんな複雑な気持ちがよみがえってくる
少し　ちくちくとよみがえってくる


お母さん
今年も庭の花たちがきれいに咲きましたよ
おいしいぬか漬けも健在よ
そして　私もおばあちゃんになりました
孫はかわいいねえ
かわいい孫たちのことずっと見守っていてね
おかあさん　いつもありがとう