ruchia日記

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

2021/09/16 私の中の頑固者

2021-09-17 09:54:00 | 日記
私の中の頑固者がたまに覚醒し、自分自身でも取り扱い不能になってしまいます。皆さんはそんな経験をされたことはありますか?そしてそんな時、どうされてますか?
それは幼稚園に通う前のまだ幼き頃の事でした。
私はその感情をしっかりと記憶してます。
母は都会に生まれて都会で育ちました。そして、この地に疎開し住み結婚し、私たち4人兄弟を育てあげ天に召されました。私が幼い頃、母は朝早くから夜遅くまで働き、『あれ?あの人は誰なんだろう…。』と私が疑問に思うほど、忙しさの為に顔を合わせる事はありませんでした。幼い頃は祖母に育てられた、と言っても過言ではありません。しかし、年に一度は必ず仕事を休み、私を連れて帰郷するものでした。私の中の頑固者が覚醒したのは、母の故郷の駅が最初だったと記憶してます。
その年は父も一緒に夜行列車に乗り移動してたのですが、子供の私の目に入ってきたのは駅の一角に構えた何軒かのお店でした。その中の一軒に、様々な玩具を取り扱うお店がありました。ピンクと金色の煌びやかな飾りの付いた子供向けの化粧箱に、私は一瞬にして心を奪われたのです。『きれい!』その感情は秒刻みに強くなっていきました。店主と思われた御年配の男性が言った『きれいでしょう?お嬢ちゃん』の言葉を遮るかのように父が私に言いました。『高いからダメだよ、行こう?』幾らの物だったのかは、今となっては分かりませんが、一度通り過ぎた後『欲しい!』という感情が湧き起こり、幼い脚で数メートル引き返したのを覚えています。しかし、もう一度見たその玩具は、もう輝いてはいませんでした。欲しいと言う気持ちはもとより、頭の中からは『きれい』の文字すら消え去っていました。立ちすくむ私を追いかけてきた母は言いました。『高過ぎるから、買えないでしょう?それに、お化粧箱はまだ早いでしょう?』咄嗟に、私の中の頑固者が出番待ちでもしていたかの様に登場したのです。『これ、ほしい!』『買えません!』何度かの母とのやり取りの後、父が言いました。『わがまま言っても買わないよ?!買いません!』湧き上がる感情を堪え切れず『やだ!やだ!』と駅の床に手足をバタつかせ大の字になり泣き喚きました。私にとって、それが自我の芽生えです。
今思えば、その玩具をどうしても手に入れたかった訳ではありませんでした。一度、『ほしい』と言った自分の言葉を時間が経つごとに撤回しずらく、しかも撤回したくないと頑なに感じたのです。素直になれない私を前に父も母も困り果て、わたしを抱き抱えてその場を後にしたのを覚えています。
一度、登場を許された頑固者は未だに改善されることなく、私の中の何処かに存在します。父と母を困らせた頑固者は、現在、我が子に登場を許される事なく私の中に生き続けています。
ちゃんとした甘え方を知らない不器用な私は、今も、どの様に甘えたらいいのかさえ分からずに小さい幼いままの私で愛情を求めて日々生活を送っています。
わがままに負けず、金銭感覚をしっかりと持った子に育って欲しいという父と母の想いを、近年になって理解出来る様になり改めて『ありがとう』の気持ちを天国の両親に贈りたいと思います。
沢山の愛情をありがとう。
優しさに気付かず、ごめんなさい。
そして、感謝。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿