my favorite things AtoZ. by yoka

趣味、好きなもの、気になること、読んだ本、観た映画、日々の生活などをAからZのキーワードで綴るマイペースなブログです。

ブックフェアって…

2007-09-14 | Book
 

すごいんです

何がすごいって、規模が、人数が、そしてマニアの熱っぷりが。
前回の日記どおり、この夏初めて東京国際ブックフェア2007に行ってまいりました。

そもそもブックフェアとは、「全国各地の書店、図書館・学校関係者、さらには海外出版社や一般読者が多数来場し、会場では、書籍の受発注、版権取引などの商談が活発に行われる」展覧会だそうで、4日間開催されているイベントのうち最初の2日間は出版社や書店、版権の交渉などのビジネス的な日程のようで、残りの2日間は一般読者も申し込めば会場に入ることができます。

入場料が1200円なのに、ネットから申し込めば誰でも割引券どころかいきなり無料になるという柔軟さがたいへん素敵。

わたしは招待券をもらうことができたので、一般読者が入れない日程のほうに行ってきました。
袖がまくってあるサファリ服シャツに、(スニーカーがないので)限りなくヒールが低い靴、(リュックがないので)限りなく両手が空く大きいバッグで気合十分。
まずは見た目から入ることが大事。これでブックフェアという名の山の頂に、フラッグを立ててやるわ

格好だけは気合十分だったのにしかしまぁ…
まぁ…広い会場にすごいひとだこと…

出展者が749、来場者数は5万6000人近くというから驚きです!
どれだけ大きい本屋さんにいっても絶対にかないません。

5秒で意気消失気味になったので、冷静に会場をながめてみると…

一般読者がいないなんてぜったいうそですよね?
そこで買いあさってるあなたはマニアですよね??
洋書をめっちゃ笑顔でかかえてるあなたも相当マニアですよね!??

ならば負けられぬーと、俄然闘志を燃やしたわたしは5時間ノンストップで参戦

あれもこれも新刊もすべて20%オフで購入できるし、50%に70%オフ、おまけに作者のサイン本なんかも並ぶ夢のような会場。
おまけに「これ全部持って帰れるかな~、そろそろ重いな~」なんて思い始めたころ、いい具合に会場のあちこちにあるペリカンのマークのブースが背中を押すんですよ。
どこからともなく
「これ全部送っちゃえばいいじゃん!都内なんてすぐ着くよ!!」というペリカンくんの悪魔のささやきが聞こえ、もはや制御不可能に。

文庫本、写真集、画集etc…戦利品が大量すぎて正直まだ読み終わりません。
本ゲル係数が人生最大になった一日でした。

教訓:カードだろうが現金だろうが、そんなの関係ない。ということです。

「本ゲル係数」???

2007-07-18 | Book
最近になってようやく判明した、
健やかなひとり暮らしを希望する我が家の家計を確実におびかしているもの。

それは「本」

基本的に、本は借りるのではなく買いたい派。
そして読んだ本はよっぽどじゃなければ手元に置いておきたい派。
さらに新刊でも好きな作家や欲しい本は文庫になるまで待てない派。
さらにさらに、写真集や画集などの、いわゆる豪華本も集めてしまう派。

まぁ、でも本なんて値段がたかがしれてるし、それこそCDばんばん買う人は大変だなぁ~
なーんて考えてました。あの明細をみるまでは。

管理も出来ないくせに「カード派」と豪語し、気がつくといつも小銭しか入っていない
お財布をチャリンチャリンいわせているわたしですが、カードの明細書が届くたびにその額に
「そんなはずない!!」とか「これなに買ったんだっけ!?」とか
わぁわぁ騒いだり考え込んだりするので、冷静に分析してみました。

…よく見ると、毎月おなじみの文字の羅列がありました。
そう、あまりにおなじみすぎて見逃していたあの文字。

Amazon.co.jp

謎はすべてとけた…犯人はおまえだー!!

本屋さんから重い本を持って帰らなくてすむし、探したい本もすぐ見つかるし、次の日には届くわけで。
なによりプレゼントが届くみたいでこりゃたまらん!なAmazonなわけで。。。

でもよく考えたら、送料無料の1500円をクリアするために文庫本一冊しか買わないなんてありえないし
トップページの「おすすめの商品があります!」しかり、「○○○+○○○ あわせて買いたい」しかり、
何も買う気がなくても買わせる要素満載。
この「あなたへのおすすめ」コーナーがまたツボを得ていてねぇ。
確実にストライクゾーンを狙ってくるわけです。

極めつけは、カートに入れたあとの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のコーナー。
余計なお世話だよー!とか思いながらもついついクリックしちゃう…

「エンゲル係数」ならぬ「本ゲル係数」が高いことが判明したので、しばらくAmazon断ちを決意。
しかしその翌日、
本好きの人から「脱本ゲル係数が高いひとり暮らし」を一瞬で揺るがすメールが来たのでした。

「知ってる?来週ビッグサイトで東京国際ブックフェアなるものがあるらしいんだけど、
 日本最大級の本の展示会で、どうやらすべての本が2割引で買えるらしい!

思考回路はショート寸前♪

…か、会場ではカード主義じゃなくて、現金主義でお願いします


『ファーストレディ』

2006-09-18 | Book


自民党総裁選まであとわずか。ここ最近のニュースで、総理大臣候補者たちの顔を見ない日はありません。
首相指名後に続いて組閣など、永田町の慌ただしい動きはしばらく続きます。

さて、わたしにはどうしても総理大臣になってほしかった人物がいます。
それは遠藤周作『ファーストレディ』の登場人物であり、ひたすらに総理大臣を目指す「渋谷忠太郎」そのひとです。
アイデアに富み、世渡りな上手な賢い野心家。それでいて憎めない関西弁と丸々としたキャラクターで相手に威圧感を与えない。
「渋谷忠太郎」に限らずその他の登場人物に関しても、遠藤周作というひとの人物描写の上手さが非常に伝わってくる作品です。

大まかなあらすじとしては、時代は戦後末期、空襲下の東京で偶然出会った女学生2人と大学生2人が戦後夫婦となります。
女学生時代からの親友は、代議士の妻と女医というまったく別の道へ…

一方は野心もりもりで妻に対しては「ファーストレディにしてやるぜ」が口癖な代議士・渋谷と、そんな地位より普通の生活を夢見てしまうお嬢様な妻・百合子の夫婦。こちらの旦那さんは世の中のほとんどが金で解決や、というタイプ。

もう一方はシベリア抑留から帰り病後苦労して弁護士となった・辻と、女医としてバリバリ働きながらなにが大切かを日々悩んでいる完璧主義な妻・愛子の夫婦。こちらは夫婦手を取り合って、明るい未来を目指しましょう、というタイプ。

それぞれの夫婦生活の小さなすれ違いや思いなどを軸として書かれた作品ではありますが、この作品の特筆すべきは渋谷忠太郎の周りで繰り広げられる「永田町ワールド」でしょう。
地方選での戦い方、派閥の選び方、スパイ的な行動で組閣入りを狙うまで、念願のかなったものの政治の厳しさが襲う大臣の世界、テレビ出演はパフォーマンス、愛人との逢い引きの仕方、はたまた赤坂の料亭が本当の国会だ!?などなど、一般人としては政治のきらびやかな頭脳戦に目を見張ってしまいます

まったく異なった夫婦ではあるけれども、物語としては後半にいくほど人間に共通したはかなくも悲しい欲望を描いています。
戦中から戦後の政治家のパワーに圧倒されつつ、もっと政治が身近に感じられる作品だと思います。

最後に…絶版なのがものすごーく残念…


最近のおすすめ

2006-07-28 | Book
「三度の飯より○○が好き」という言葉に当てはめるとしたら、わたしはまず読書をあげます
一週間に最低でも1冊読み切る、というのが社会人になってからの読書の目標です。
実際は休みの日に2、3冊は読んでしまうことも多いのですが、大量に本を読んできた学生時代に比べて活字離れしていかないように…と思っています

もともと読書は大好きな趣味のひとつなのですが、ベストセラー作品をまずは買う、というこは滅多にありません。今まで好きになる作品はなんとなく文体を優先していましたが、最近「多島斗志之」という作家の作品に出会い、物語の内容で(もちろん文体もよいのですが)ほんとうにおもしろいと久しぶりに思いました。

最近読んだのは「汚名」という作品。
主人公である甥はある事がきっかけとなり、今は亡き叔母・藍子の過去を追うことになります。生前は物憂げで孤独だった叔母は、女学校時代は朗らかで、健康的で…何が彼女を変えたのでしょうか。
第二次世界大戦中、日本中を震撼させたスパイゾルゲ事件ー
こういった大きな事件はのちに歴史の1ページとなり後世に名を残していきますが、そういった時代背景の中を生きたごく普通のひとりの女性の、ごく普通に生きては行けなかった人生の物語です。

あまり知られていませんが、一部に熱烈なファンもいるという多島氏は直木賞候補にも2度なっているほどの実力派。
残念なことに今は絶版になっている作品もたくさんあるので、古本屋めぐりをしてコツコツ集めては今日も読みふけっています…