WOWOWに日曜夜22時のドラマは吉川英梨の同名小説を原作に、ある少女失踪事件の真相を追う刑事と、失踪した少女の家族の苦悩と執念の日々を描くヒューマンミステリー、ムロツヨシ主演「雨に消えた向日葵」第1話見ました。
雨が降る夏の日、向日葵の咲く田んぼ道で小学5年生の少女・石岡葵(大島美優)が突然姿を消した。捜査一課の警部補・奈良健市(ムロツヨシ)は現場に急行するが、そこには必死の捜索活動を行なう葵の父・石岡征則(佐藤隆太)の姿があった。家出、事故、それとも誘拐か、さまざまな憶測が飛び交う中、強い使命感に突き動かされ捜査を開始した奈良。そんな彼の使命感の裏側には妹の真由子(平岩紙)に関する、後悔の念があった。
3年前に本屋に並んだ吉川英梨の原作をコロナ禍で2か月間休業だった2020年の春に読んだと思ったのですが、細部が思い出せません(苦笑)本を読みながら、雨が降る夏の日に傘をさした小学5年生の女の子が向日葵の咲くたんぼの道で目撃された後、失踪する事件を捜査する警察と、その娘の両親、姉。もっと夏の輝いた、向日葵が咲き誇る笑顔のような情景が読みながらうかがえると思ったのですが、全く違っていました。同様にドラマも非常に暗く、重い雰囲気が全体を包んでいて、オープニングから「セブン」や「羊たちの沈黙」あるいはWOWOWの日本版「コールドケース」のような映像でワクワク感、ゾワゾワ感が止まりませんでした。主人公の刑事奈良を演じるムロツヨシがこんなシリアスなムロツヨシを見たことがないというくらいシリアス。そしてかつて妹が暴漢に襲われる被害者の身内ということから刑事になった過去、正義を貫く使命感に突き動かされて小学5年生女児失踪事件を追っていく丁寧な捜査描写がびんびん心に来ますね。彼の相棒奥村を演じる今野浩喜がいい味出してますね。刑事の勘に頼る刑事の暴走、見つからない足取り、地道な捜査が少しテンポが遅いと感じる人もいるかもしれませんが、これくらい丁寧なのは良いと思いますよ。そして失踪した石岡家の話が面白い(ちょっと複雑ですけど)、離婚寸前の2人が失踪した娘を探す父親と無言電話に心を病んでいく母親は他人事と思えないですね。佐藤隆太と遊井亮子熱演してます。
☆☆☆3/4