SF 傷だらけの天使 ひでちゃんが、公園で泣いてた・・
「客もいなくなったし、俺たちも帰るか」
「今日の売り上げは、ざっと三万二千円」
「まあまあだな」
「やっぱり、他の場所のほうが良かったかしら?」
「よう子ちゃん、そんなことはないよ」
「あんまり欲張ると罰が当たるよ」
「そういうことだな」
「神様が、少しは休めって言ってんだと思うよ」
「そういうことだ。帰って休もう」
ショーケンは、よう子に一万円を渡した。
「こんなに、いいんですか?」
「いいんですよ。よう子ちゃんがいるから、楽しくやってられるんだよ」
「そういうことですねえ、兄貴」
「男二人じゃあ、まったく売れないと思うよ」
「そういうことになりますね~~」
「つまり、俺たちの女神様ってこと」
「そうです!」
よう子は、シャドーボクシングを始めた。
「じゃあ、明日から、また頑張りましょう!」
「アキラさん、ストレートはこれでいいの?」
「うん、いいよ」
一羽の雀が、石焼き芋機の上に止まって、焼き芋のカスを食べていた。
三人の背後から声がかかった。
「やあ、君たち。売れたかい?」
よこ子が答えた「まあまあ売れました」
「そえは良かった」
超能力者の犬丸勝だった。
「まだいたんですか?」
「ちょっとね、ログハウスを見てきたんだよ、友人に頼まれて」
「使うんですか?」「そうらしい」
転軸山公園には、三棟のログハウスがあった。
「四時から、九度山の真田屋敷で、四時から高野山忍者隊による、真田忍者のパフォーマンスがあるらしいんだ。それを見に行く。君たちも行かない?」
「わたしたちは、いいわ。帰って少し休みますので」
「あっ、そう」
彼は速足で去って行った。
「あの人も忍者みたいだねえ」
「以前は、高野山忍者隊・月光の超能力隊員だったんです」
「どうりで、目つきが鋭いんだ」
「ただ者じゃあないってことだな」
「百円って言ってました」
よう子は笑っていた。
「九度山と高野山って、何か関係あるの?」
「九度山の慈尊院と関係あるんです。弘法大師が、月に九回、母に会いに行ったところなんです」
「母に?」
「当時、高野山は女性は入ってはいけない場所だったんです。それで、九度山の慈尊院まで来ていたんです」
「だから、そこまで会いに?」
「はい、月に九回。だから九度山という名前がついたんです」
「なるほど~~」
中年の女性が、犬を連れて歩いていた。
犬は、よう子の前で足を止めた。よう子は、犬の頭を撫でた。犬は喜んでシッポを左右に振った。
女性と犬は去って行った。
「犬って不思議ねえ、人を見分けるのね」
「犬は、犬好きな人間と、犬嫌いな人間を見分けるんですよ、瞬時に」
「すごい能力ですねえ~~」
「猫も見分けますよ」
「動物って、凄いですねえ」
「人の心が読めるんです」
「アキラさんと同じだ」
「じゃあ、僕は動物に近いのかな?」
「そうかも知れませんねえ」
「じゃあ、今日は時間があるからカレーでも作ろうかな?」
「カレー、いいわねえ~~、わたしもそうしよう」
「じゃあ、肉がいるな、買いに行くか」
ドームハウスに着くと、程塚隆二が篠原英子を慰めていた。
ショーケンが隆二に声をかけた。
「どうしたの、りゅうちゃん?」
「ひでちゃんが、公園で泣いてたもので」
「また、いやなことがあったの?」
英子は、うつむいたままで黙っていた。涙を拭いていた。
隆二が英子の肩を、ポンと叩いた。
「ひでちゃん、トンカツでも食べに行こう!」
「トンカツですか?お金がありません」
「僕が、おごってあげるよ」
「じゃあ、お母さんも一緒にいいですか?」
「いいよ、いいよ。連れて来て」
「はい」
英子は自宅に帰って行った。そして、母の手を引いて、笑顔で戻って来た。
「君たちも一緒に行かないかい?」
アキラが「おごってくれるの?」と尋ねた。
「もちろんだよ」
「高野山にも、トンカツとかあるんだ?」
「ありますよ、トンカツ亭という美味しいところが」
カラスが、ひでちゃんのドームハウスの上で「行ってらっしゃい、行ってらっしゃい」と言うように鳴いていた。
英子は、そのカラスを見ていた。
「あっ、一平だわ」
アキラもカラスを見ていた。
「一平?」
「あのカラスの名前」
「分かるんだ?」
「鳴き声で分かるの、わたしの友達なの」
英子はカラスに手を振っていた。
「一平ちゃ~~ん、行ってくるからね~~~」
「今日の売り上げは、ざっと三万二千円」
「まあまあだな」
「やっぱり、他の場所のほうが良かったかしら?」
「よう子ちゃん、そんなことはないよ」
「あんまり欲張ると罰が当たるよ」
「そういうことだな」
「神様が、少しは休めって言ってんだと思うよ」
「そういうことだ。帰って休もう」
ショーケンは、よう子に一万円を渡した。
「こんなに、いいんですか?」
「いいんですよ。よう子ちゃんがいるから、楽しくやってられるんだよ」
「そういうことですねえ、兄貴」
「男二人じゃあ、まったく売れないと思うよ」
「そういうことになりますね~~」
「つまり、俺たちの女神様ってこと」
「そうです!」
よう子は、シャドーボクシングを始めた。
「じゃあ、明日から、また頑張りましょう!」
「アキラさん、ストレートはこれでいいの?」
「うん、いいよ」
一羽の雀が、石焼き芋機の上に止まって、焼き芋のカスを食べていた。
三人の背後から声がかかった。
「やあ、君たち。売れたかい?」
よこ子が答えた「まあまあ売れました」
「そえは良かった」
超能力者の犬丸勝だった。
「まだいたんですか?」
「ちょっとね、ログハウスを見てきたんだよ、友人に頼まれて」
「使うんですか?」「そうらしい」
転軸山公園には、三棟のログハウスがあった。
「四時から、九度山の真田屋敷で、四時から高野山忍者隊による、真田忍者のパフォーマンスがあるらしいんだ。それを見に行く。君たちも行かない?」
「わたしたちは、いいわ。帰って少し休みますので」
「あっ、そう」
彼は速足で去って行った。
「あの人も忍者みたいだねえ」
「以前は、高野山忍者隊・月光の超能力隊員だったんです」
「どうりで、目つきが鋭いんだ」
「ただ者じゃあないってことだな」
「百円って言ってました」
よう子は笑っていた。
「九度山と高野山って、何か関係あるの?」
「九度山の慈尊院と関係あるんです。弘法大師が、月に九回、母に会いに行ったところなんです」
「母に?」
「当時、高野山は女性は入ってはいけない場所だったんです。それで、九度山の慈尊院まで来ていたんです」
「だから、そこまで会いに?」
「はい、月に九回。だから九度山という名前がついたんです」
「なるほど~~」
中年の女性が、犬を連れて歩いていた。
犬は、よう子の前で足を止めた。よう子は、犬の頭を撫でた。犬は喜んでシッポを左右に振った。
女性と犬は去って行った。
「犬って不思議ねえ、人を見分けるのね」
「犬は、犬好きな人間と、犬嫌いな人間を見分けるんですよ、瞬時に」
「すごい能力ですねえ~~」
「猫も見分けますよ」
「動物って、凄いですねえ」
「人の心が読めるんです」
「アキラさんと同じだ」
「じゃあ、僕は動物に近いのかな?」
「そうかも知れませんねえ」
「じゃあ、今日は時間があるからカレーでも作ろうかな?」
「カレー、いいわねえ~~、わたしもそうしよう」
「じゃあ、肉がいるな、買いに行くか」
ドームハウスに着くと、程塚隆二が篠原英子を慰めていた。
ショーケンが隆二に声をかけた。
「どうしたの、りゅうちゃん?」
「ひでちゃんが、公園で泣いてたもので」
「また、いやなことがあったの?」
英子は、うつむいたままで黙っていた。涙を拭いていた。
隆二が英子の肩を、ポンと叩いた。
「ひでちゃん、トンカツでも食べに行こう!」
「トンカツですか?お金がありません」
「僕が、おごってあげるよ」
「じゃあ、お母さんも一緒にいいですか?」
「いいよ、いいよ。連れて来て」
「はい」
英子は自宅に帰って行った。そして、母の手を引いて、笑顔で戻って来た。
「君たちも一緒に行かないかい?」
アキラが「おごってくれるの?」と尋ねた。
「もちろんだよ」
「高野山にも、トンカツとかあるんだ?」
「ありますよ、トンカツ亭という美味しいところが」
カラスが、ひでちゃんのドームハウスの上で「行ってらっしゃい、行ってらっしゃい」と言うように鳴いていた。
英子は、そのカラスを見ていた。
「あっ、一平だわ」
アキラもカラスを見ていた。
「一平?」
「あのカラスの名前」
「分かるんだ?」
「鳴き声で分かるの、わたしの友達なの」
英子はカラスに手を振っていた。
「一平ちゃ~~ん、行ってくるからね~~~」
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