やっぱりキリンジは、いい
歌い手が兄にかわっても、心の琴線に触れる
兄弟ユニットから6人組のバンドに。新生キリンジの船出となる曲
やっぱりキリンジは、いい
歌い手が兄にかわっても、心の琴線に触れる
兄弟ユニットから6人組のバンドに。新生キリンジの船出となる曲
昔の香港のコメディ映画で「Mr.BOO」というシリーズがありました
その、一時期気になっていたところが、映画の中身というより、日本語吹き替えのほう。
それは今は亡き、広川太一郎さんの吹き替え。
日本のベテランの声優さんで、元のセリフを逸脱した超訳きわまりない言い回しが、
どうしても聴きたくなって「Mr.BOO」のDVDを探したんですが、
これがまた字幕スーパーのものばかりで、肝心の広川さんの超訳吹き替えが入ってない・・・。
テレビでも最近は全く放映されなくなったし、
もうあの変な言い回しは聴けないのかと半ばあきらめてたところに、
思いもかけないチャンスが巡ってきた!
それがこの映画です。
「キングコングのパロディ」「B級映画の金字塔」として知る人ぞ知る、超レアな作品。
以前にTV放映されたとき、広川太一郎さんの吹き替えにつられて見た僕は、
「新婚さんいらっしゃい」でイスからズッコケた桂三枝師匠のような状態に。
だってね、主役の男がニカッと笑って白い歯が光ると、
すかさず広川さんがこともなげに「ピカーン!」って吹き替え。
してやられた!と思った瞬間、
主役の男の歯がまた光った!
広川太一郎: 「カキーン!」
ありゃ!主役の男の歯がまたまた光ったよ!
広川太一郎: 「キキーン!」
おいおい!主役の男の歯がまたまたまた光った!
広川太一郎: 「キラーン!」
どうなってんの!主役の男の歯、いつまで光るんだよ!
広川太一郎: 「コキーン!って、もう目いっぱい」
その間、主役の男は歯を見せて笑ってるだけで、ひとこともしゃべってない。
これって、吹き替えなのか?
それからの2時間弱、ずっとこの調子。広川さんの名調子をいやになるほど堪能しました。
肝心の映画の中身は?
映画の中盤、主役が踊りまくっちゃってセリフなんかこれっぽっちも言っていないところで、
広川さんが吹き替えたこのセリフが、この映画をひとことで表現してます。
広川太一郎: 「ところでこの映画って、何?」
吹き替えしてる人が、映画を見ている人に尋ねてしまう、そんな映画です。
一時期、広川ブーム・吹き替え中毒になりかけた僕も、
この映画のDVD購入でやっと憑き物が落ちました。
広川太一郎ファンには必見・必聴の作品です。
まじめな映画ファンの方、見ちゃダメです。
僕がこの映画を見るきっかけを作ってくれたのは、
楽器演奏をつうじてのある友達でした。
その友達が僕のために企画し、地元を案内してくれた
「横浜・光と影のツアー」に参加しました。
彼と僕、ふたりでの横浜自転車巡りは、
観光地として紹介されないヨコハマを堪能でき、じつに刺激的でした。
例えば、作家名の入った彫り物を背中に施した人と
触れ合いながら水と戯れた昼下がりの市営水泳場。
寄場のおっさんたちにまぎれて街頭テレビで競艇の オッズを眺めた寿町。
こんな立て看板が今だにある黄金町周辺。
このあたりをふたりで散策していた頃だったか、
横浜で伝説となっている人物の話を聴いたのです。
彼が話してくれた人物は、とても興味深く、
実際に 存在しているならば是非会いたいと思ったものです。
なんでも、白塗りの老婆がつい最近まで伊勢佐木町 近辺に出没していて、
彼女は米軍相手の娼婦だったが 今も白いドレスを着て現役なのだとか・・・
その異様を見た人からメリーさんとか呼ばれていて、
街に立つ姿を最近は見かけないとか・・・
都市伝説のようで、またおとぎ話のようで、
ただでさえ 異国情緒あふれる横浜巡りの雰囲気をいっそう盛り上げる
挿話として憶えていましたが、この映画の存在を最近知り、
その伝説のような話が、僕のなかで急に現実味を増して 感じられるようになったのです。
映画の中でメリーさんゆかりの人物がうたった 「マイ・ウエイ」は、
いままで僕が聴いたどの「マイ・ウエイ」より深く心を打ちました。