立正大淞南高 甲子園速報

立正大学淞南高校硬式野球部の甲子園での活躍ぶりをお伝えします。
―「モラリスト×エキスパート」を育む。立正大学―

立正大淞南 最高の夏 その1

2009-08-22 23:43:15 | 日記
せめてベンチに18人全員が入り、ベンチワークも充分に試合にあたらせたかった。
そんな普通の状態であれば乱打戦にならずとも、後半のミラクル大逆転、その9回の熱気がこもる攻防が見られるに違いなかった。いや、そう信じたい。

6回表に主砲4番でエースの崎田がレフトスタンドへ本塁打を放って3-2と逆転。そこまでがまともな試合だった、と言えば語弊があるだろうか。
相手打線は打率が高い強力打線だった。しかし、1点差でリードしてから、ボールが浮き出した崎田に、リリーフの飯島や中尾、塚田を送り込みたい場面だったが、いかんせん三塁側ブルペンには、ひとりの投手も投げていない。

もはや屈伸運動すらきつくなった崎田のボールは、打ちごろの高さになり、相手各打者のバットから外野へと連続で、綺麗にはじき返されていった。

6回裏にパスボールなどで逆転され、マウンドで崎田はこみあげてくるものがあった。
キャッチングに定評ある成田捕手もなんやら動きが鈍そうだ。そして崎田は8回裏に大量得点をあげられ、ベンチに帰るときには涙があふれてきた。悔しくて、情けなくて、そのままベンチの奥で泣いた。
しかし、それは、誰も責められることではなかった。

明るく笑顔でチームをリードし続けたサード林田主将が、この日の朝の発熱で、ついに離脱。
ベンチ前での円陣は、笑顔があるものの、いつもの元気がみられない。
もはや手負いの立正大淞南。ショートの山脇は戻ってきたが、ふたりが離れてベンチ入り13人。選手補充は登録上、利かないというルール。いまの時代それでいいのだろうか、との見識ある高校野球ファンの声も多く聞こえてきた。

美談としてくくるには、しのびない。インフルエンザ騒動、それは、ただひとりの風邪?それが始まりだったのかもしれない。なにかの巡り合わせにしては、選手、監督やコーチなどに対する制約が生じ、ストレスのボルテージは上がってくる。
それでも選手はよく耐え、終始、笑顔を忘れずにいた。

が、最終13人のベンチでは、このベスト8入りが限界であった。

Photo:エース崎田を優しくかばう太田監督


文・写真/岩瀬孝文(立正大学スポーツ広報)

www.ris.ac.jp 立正大学 
www.shonangakuen-h.ed.jp 立正大学淞南高等学校



最新の画像もっと見る