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せめてベンチに18人全員が入り、ベンチワークも充分に試合にあたらせたかった。
そんな普通の状態であれば乱打戦にならずとも、後半のミラクル大逆転、その9回の熱気がこもる攻防が見られるに違いなかった。いや、そう信じたい。
6回表に主砲4番でエースの崎田がレフトスタンドへ本塁打を放って3-2と逆転。そこまでがまともな試合だった、と言えば語弊があるだろうか。
相手打線は打率が高い強力打線だった。しかし、1点差でリードしてから、ボールが浮き出した崎田に、リリーフの飯島や中尾、塚田を送り込みたい場面だったが、いかんせん三塁側ブルペンには、ひとりの投手も投げていない。
もはや屈伸運動すらきつくなった崎田のボールは、打ちごろの高さになり、相手各打者のバットから外野へと連続で、綺麗にはじき返されていった。
6回裏にパスボールなどで逆転され、マウンドで崎田はこみあげてくるものがあった。
キャッチングに定評ある成田捕手もなんやら動きが鈍そうだ。そして崎田は8回裏に大量得点をあげられ、ベンチに帰るときには涙があふれてきた。悔しくて、情けなくて、そのままベンチの奥で泣いた。
しかし、それは、誰も責められることではなかった。
明るく笑顔でチームをリードし続けたサード林田主将が、この日の朝の発熱で、ついに離脱。
ベンチ前での円陣は、笑顔があるものの、いつもの元気がみられない。
もはや手負いの立正大淞南。ショートの山脇は戻ってきたが、ふたりが離れてベンチ入り13人。選手補充は登録上、利かないというルール。いまの時代それでいいのだろうか、との見識ある高校野球ファンの声も多く聞こえてきた。
美談としてくくるには、しのびない。インフルエンザ騒動、それは、ただひとりの風邪?それが始まりだったのかもしれない。なにかの巡り合わせにしては、選手、監督やコーチなどに対する制約が生じ、ストレスのボルテージは上がってくる。
それでも選手はよく耐え、終始、笑顔を忘れずにいた。
が、最終13人のベンチでは、このベスト8入りが限界であった。
Photo:エース崎田を優しくかばう太田監督
文・写真/岩瀬孝文(立正大学スポーツ広報)
www.ris.ac.jp 立正大学
www.shonangakuen-h.ed.jp 立正大学淞南高等学校
そんな普通の状態であれば乱打戦にならずとも、後半のミラクル大逆転、その9回の熱気がこもる攻防が見られるに違いなかった。いや、そう信じたい。
6回表に主砲4番でエースの崎田がレフトスタンドへ本塁打を放って3-2と逆転。そこまでがまともな試合だった、と言えば語弊があるだろうか。
相手打線は打率が高い強力打線だった。しかし、1点差でリードしてから、ボールが浮き出した崎田に、リリーフの飯島や中尾、塚田を送り込みたい場面だったが、いかんせん三塁側ブルペンには、ひとりの投手も投げていない。
もはや屈伸運動すらきつくなった崎田のボールは、打ちごろの高さになり、相手各打者のバットから外野へと連続で、綺麗にはじき返されていった。
6回裏にパスボールなどで逆転され、マウンドで崎田はこみあげてくるものがあった。
キャッチングに定評ある成田捕手もなんやら動きが鈍そうだ。そして崎田は8回裏に大量得点をあげられ、ベンチに帰るときには涙があふれてきた。悔しくて、情けなくて、そのままベンチの奥で泣いた。
しかし、それは、誰も責められることではなかった。
明るく笑顔でチームをリードし続けたサード林田主将が、この日の朝の発熱で、ついに離脱。
ベンチ前での円陣は、笑顔があるものの、いつもの元気がみられない。
もはや手負いの立正大淞南。ショートの山脇は戻ってきたが、ふたりが離れてベンチ入り13人。選手補充は登録上、利かないというルール。いまの時代それでいいのだろうか、との見識ある高校野球ファンの声も多く聞こえてきた。
美談としてくくるには、しのびない。インフルエンザ騒動、それは、ただひとりの風邪?それが始まりだったのかもしれない。なにかの巡り合わせにしては、選手、監督やコーチなどに対する制約が生じ、ストレスのボルテージは上がってくる。
それでも選手はよく耐え、終始、笑顔を忘れずにいた。
が、最終13人のベンチでは、このベスト8入りが限界であった。
Photo:エース崎田を優しくかばう太田監督
文・写真/岩瀬孝文(立正大学スポーツ広報)
www.ris.ac.jp 立正大学
www.shonangakuen-h.ed.jp 立正大学淞南高等学校