ようかいばあちゃんと子ようかいすみれちゃん 最上一平・作 種村有希子・絵 新日本出版社
ようかいシリーズも6 冊になりました。
あどろおどろした妖怪が出てくるわけではありません。子供が大好きな恐怖ドラマが展開するわけでもありません。それどころか、すみれちゃんとおばあちゃんの、ゆったりとした時間がのどかに流れていくだけです。妖怪ともいえないおばあちゃんが、町の子すみれちゃんには、ようかいおばあちゃんなのです。
今回のすみれちゃんは、おばあちゃんに頼まれ、今年八十八歳になったおああさんに、筆と硯を届けにいきます。八十八は米。米寿です。村人はおああさんが書いてくれた「八十八」のお札を待っています。一生米に苦労しないという力があるからです。農民というよりも、蕪村や一茶のいう百姓の願いでしょう。
おああさんが、ちょっと可愛い妖怪になって現れます(詳細はナイショです)。最上さんは日本一甘い甘納豆に「ホエーッ」となるようかいおばあちゃんのそれを、舌でなくベロといいます。町(舌)の子すみれちゃんにとって、おばあちゃんの村はベロのあたかさを宿した妖怪村です。
久しぶりに月刊絵本のテキストを書いていました。そして初めての出版社へ。
いままでは月刊絵本のテキストは某社へ送らせて頂いておりましたが、ここ3年ほど(3~4作)まったく返事をいただけません。編集者の移動が激しいのでしょうか。それにしてもなあ。