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美しい本

2024年05月14日 17時46分49秒 | 日記

  岡田淳・文 植田真・絵 BL出版 1600円+税

 封筒の封を切ったとたん(きれいな造本だなぁ)と思いました。植田さんの絵もそうだけど、用紙や色指定の細やかさ、そしてその仕上がりの優雅なデザインにはうっとりとさせられます。
 植田さんの絵は、いわゆるキャラ立ちの絵ではなく、さりげなくそこにある絵でしょう。象徴的だとも、旅する人の絵だとも、詩を感じる絵本だともいえます。光があり、ダンスがあり。音楽も聞こえてきます。
 岡田さんの文章もとても新鮮でした。ああ時代の文章だなあとつぶやいている私がいました。こちらも詩を感じる文章でした。「ねがいの木」は旧来の暗く重い文体ではなく、どちらかと言えば透明な文体で軽やかに運ばれています。でも、その「ねがい」はすぐれた詩のように余韻を残していきます。さびしさが支えている明るさがこころに残るのです。つつましい者たちの叶ったねがいの幸せが遠景のように。

 午前中はせっせとマンション管理組合の仕事をしていましたが、お相手がコロナになられ明日の面会は延期に。 ……脱力。

 午後から礼状やこんなものを。 

 

     考えるひと
 
  タヌキは
  坂をころがりおちた
  ◆◆◆◆▲▼■×××
  ◆◆◆◆▲▼■×××
  気がつくとベッドの上にいた
 
  タヌキは
  石段をころがりおちた
  ◆◆◆◆▲▼■×××
  ◆◆◆◆▲▼■×××
  気がつくとベッドの上にいた
 
  タヌキは
  まっさかさまに谷底へおちていった
  ◆◆◆◆▲▼■×××●
  ◆◆◆◆▲▼■×××●
  気がつくとしんでいた
 
  (気がつくと……)
  タヌキの墓は
  ときどき
  横になってかんがえている
コメント (3)
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