理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳で自閉症スペクトラムと診断された息子。約3年でDQ57→97。14歳で診断が外れ,高校受験を経て通常学級デビュー。

自閉症児に人を思いやる心は育つか?

2021-09-11 14:09:09 | 発達障害

ブログ引っ越し,どういった構想にするか考えてはいるものの,なかなか準備が進まず時間だけが過ぎていく日を過ごしています。

 

ですがこの頃,息子にちょっといい変化があったので再びここでご報告します。

 

息子は小さい頃,いろいろな面で問題がありましたが,最初に知的な部分が大きく改善し,遅れ気味だった言語も伸びてきました(「言語も伸びる」参照)。

では今,まったく問題がないかというとそうでもなく,課題はまだまだ山積みです。

中でもあまりよくなっていなかったのが「他者視点」。

人の視点にたってものを考える,人がどう思うか(人からどう思われるか)という感覚が,なくはないんですが,ずっと今ひとつでした。

あまり見た目を気にしない(というか気にならない)ので,身なりはいつもだらしなく,人が困っていることにもなかなか気づけません。

数年前,私が家で脳貧血を起こして倒れたときもしかり。下の子は大慌てなのに,息子HはEchoで勉強を見てくれていた遠方の祖父(過去記事参照)に平然とした声で,「あーお母さん大変だから弟が騒いでいるだけ」と,まるで私が家事で忙しくてかまえないから弟が騒いでいるとでもいうような言い方をしたのを聞いて,絶望したことがあります。

 

そんな息子がここのところ,ちょっとした気遣いができるようになってきたのです。

息子がいろいろ優しくなっていて,みんなを手伝ってくれる,という嬉しい報告が,中学校に進学した頃から学校や放課後デイ等から入るようになってきました。

 

さらには先日,ゴミ出しを頼んだ際も,「大変だったら別にいいよ,持てる分だけ出してね」と頼んだにもかかわらず,「母さんが大変そうだから」と,マンションの階段を何往復もしてすべてのゴミを出してくれました。

 

たかがゴミ出し手伝い,と思われるかもしれませんが,現金報酬(こづかい)でやっとのこと手伝いをしてくれていた時代と比べるとものすごい進歩です(「お手伝いは現金報酬で交渉」参照)。

 

「他者視点」の欠如は自閉症を特徴づける特性の一つで,どうやっても治せないような印象を私はずっと持っていました。それが変わることがあるというのは,非常に驚きです。

小難しいことをいえば,脳のニューロンのネットワークに変化でも起きたのでしょうか? まあそれは調べようがありませんが,ここで確信したのが,成長とともに子どもは変われる,ということです。

 

まだまだ大変なことは多いですが,これからもがんばろうと思いました。


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