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広域生態環境計測・リモートセンシング

計測&モデリングによる地域・地球環境対策への貢献をめざして

マッチドフィルタ法

2009-09-09 | 研究(土地被覆計測)
マッチドフィルタ(MF法)とは、通信工学の分野で雑音や評価対象としていない
信号を含んだ観測波形から目的とする信号波形を検出するための手法として
開発、利用されてきた。
このMF法をリモートセンシング画像の画素内におけるカテゴリー数決定問題の
解決に利用した。
すなわち、MF法により評価対象のカテゴリーの分光放射輝度だけを既知情報とし、
そのカテゴリーの画素内比率を推定するのである。
画素内にいくつのカテゴリが含まれているかが不明でも推定できるのが特徴である。

図は、北海道苫小牧市を中心に取得された航空機ハイパースペクトル画像CASIを用
いて評価対象とした植生の分光放射輝度情報をもとにMF法により推定された画素内
植生被覆率の結果である。
高い推定精度が得られている。
特に市街地における植生がうまく抽出されているのは、本手法の特徴といえる。
しかし、評価対象である植生の分光放射輝度の波形と類似のカテゴリーが画素内に
含まれる場合は、過大推定されてしまうという問題がある。

(論文)
ハイパースペクトルデータによる画素内特定被覆率推定に関する研究
-植生被覆率の推定―, 日本リモートセンシング学会誌, 20巻,3号pp.17-33(2000).

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