兵庫県に住む、私たちRider.s for Childrenのメンバー…
17年前の阪神大震災で被災した一人…
復興した神戸と、東日本の被災地域に思うことを寄せてくれました。
禅供養。
二年ぶりの再会。
昨年は直前に主要メンバーの不幸があり、開催を断念。
今年は長田の異様な不景気が出席人数を減らした。
四時に寺入り、お清めの水行、経堂に上がり御経を上げる。
禅を組み…17年前を想い、今日の東日本を想う。
「復興」
復興ってなんだ?
阪神淡路大震災に於いての復興のシンボルは、長田商店街(神戸市長田区)だと言われる。
地震に破壊され、後の大火災により街全体が焼失した商店街。
復興には十年が掛かると言われたが、政府肝いりで神戸市が復興事業計画を立ち上げ、立派な街が出来上がった。
高層マンションが並び立ち、ショッピングモールの様な商店街は、まるで銀座や麻布の駅前みたいだ。
が、一つ、決定的に欠落してしまったモノがある。
「人が居ない」
通行人も住人も驚く程少ない。
長田は下町。
サンダルやゴム底を一家で作る、螺を切る、食堂や一杯飲み屋が立ち並び、気楽に暮らせる町だった。
あの人達は何処に行った?
平屋の一軒家、家賃20000円で暮らしてた爺さん婆さんは何処に行った?
誤解を恐れずに言えば、彼等は「復興計画」によって弾き出された。
「元の地区に住みたい?なら事業計画案に賛成しなさい」
市の開発担当職員に言われ賛成と署名する。
「マンション買いなさい、お金は市が立替えたげよう」
3LDKで二千五百万円。 八十手前の老夫婦に、そんなマンションが必要か?
「同じ場所で商売がしたい?なら賛成しなさい」
賛成しました、三階建てモールの二階、二十坪足らずで又々二千五百万円。
商売再開しました、けど、何かおかしい。 地元のお客さんが全然来ない。
・・・当たり前、元の住民が暮らせ無い町だから。
人が居ない、お金が回らない、また人が減る。
町を綺麗にするのが復興か?
いやいや違うやろ。 被災者が、限りなく被災前の生活に近づけるのが復興やろ。
義援金、国の支援金、神戸市は復興計画の名の元に、大枚はたいて区画整備をやりました。
潤ったのは誰ですか?儲けたのは誰ですか?
東日本の被災者の皆さん、同じ罠に嵌まらないで下さい。
何が必要か、よくよく考えて再生計画を立てて下さい。
復興より再生・・・元の状態に近づける。
これが最善だと…僕は思います。