冷え込んで雪が降り、そして積もった。
暗くなってから長靴履いて買い物に出る。
冬至も近い今年最後の満月が東の山から昇っていた。
遠くへ行った人を想う。
同じ満月を見るだろうか。
時は巡る。
「お前は長生きしたらいい」
ふと父の声が聞こえた気がした。
長生きすることが楽でないことは苦労をした父ならわかっているだろう。
勝手なことを言わないでほしい。
元よりそのつもりだけど、現実はそんなに甘くない。
きっとまだ生きたかったんだろう。
心残りもあっただろう。
逃げることも出来ず困惑している状況を見かねたんだろうか。
生きるしかない。
分かってはいても道が見つからないんだ。