10年くらい前だと思います。世にも恐ろしい映画を観ました。タイトルは、「バリゾーゴン」です。漢字で書けば罵詈雑言です。意味は、最大級の悪口、非難のことでしょう。しかし、このタイトルの本当の意味って何なのか、それは、この映画に行ったものにしか分かりません…
上映の10日ほど前より、僕の住む街の道路にある電柱に、異常ともいえるポスターが貼られていました。
「原発のある村。女教員は便槽の若い青年の腐乱死体を愛していた・・・」
「吐く時は男らしく、女らしく」
「吐いて、吐いて、極限まであなたの体力を試してください」
「権力者は殺人さえももみ消すのか」
それが、バリゾーゴンのポスターです。宣伝文句も異常なのですが、その枚数も異常でした。街の電柱にずらりと貼ってあったのです。否がおうにも目に入り、恐怖ものが大好きな僕は、この得体の知れない映画に最大限の魅力を感じました。絶対に行こうと心に決めたのは言うまでもありません。友人たちも、すごく興味を抱いていましたが、仕事の関係上行くことはできず、結局、僕一人で見に行くことになりました。映画が終わったら、感想を電話ですぐに教えてくれと、目を輝かせて頼む友人もいましたので、僕は優越感を少し感じていました。
映画は、映画館でなく、市民ホールでした。映画館よりも大きな会場です。当日、僕は立ち見になると嫌なので、上映30分前には会館に行き、中央の見やすい椅子をキープ、これから始まるすごい世界に期待し、興奮をしながら待っていました。徐々に会場が埋まり、上映の時には、満員状態。みんな、今日のこの時を待っていた様子。隣のカップルは、すでに手を握り、スタンばっています。
場内が暗くなって、映画が始まりました。ドキュメンタリー・タッチの作風、北陸方面の方言のため、字幕がついています。
約1時間経過。恐ろしいシーンは、何もない。だらだらとしたストーリー。
まさか…という不安が胸をよぎるけれど、いや、まだまだこれからだと無理やり期待モードにする僕。
さらに時間は流れ、でもグロなし。トイレのシーンが少しあった程度。それも、およそ怖いというものではない。
「…これ、どこで吐くんだ?」
誰かの声がしました。おそらく、会場の多くの人が感じてたことを彼は言ってしまいました。密かに誰もが今後の展開に多少の期待をかけていたのに。
「腐乱死体を愛した女って誰?もう、出た?」
他の客も、隣の人に聞いてます。ざわざわとする会場。周りを見回すと、すごく不気味な雰囲気が漂っています。(やられた!)という屈辱的な表情と怒りの顔つきの人がたくさんいて、ちょっと怖い感じです。
もし、このまま終わったら暴動が起こるかも知れない…
やがて映画は終わりました。会場の皆さんは、完全にノックアウト状態。こういう詐欺的な映画があるとは実に恐ろしいことです。
「何なんだ、この映画」
「金返せって言いたいよね」
「監督、ふくろにしたいね」
「最悪、あ~あ、お金損した」
おお!バリゾーゴンだ!みんなが、悪口言ってるぞ!
もし、会場から罵詈雑言を引き出すための映画であったなら、それはそれで、凄い映画だと思いました。本当のところは分からないけれど、そうでも思わなきゃやってられませんもん。あ~あ。
その後、他の会場では、この映画を見た観客が「金返せ!」と大ブーイング、監督を袋叩きにしたという。それも、複数の会場でトラブル発生、警察も出動したそうです。
みなさん、過剰な宣伝文句にはお気をつけください。
上映の10日ほど前より、僕の住む街の道路にある電柱に、異常ともいえるポスターが貼られていました。
「原発のある村。女教員は便槽の若い青年の腐乱死体を愛していた・・・」
「吐く時は男らしく、女らしく」
「吐いて、吐いて、極限まであなたの体力を試してください」
「権力者は殺人さえももみ消すのか」
それが、バリゾーゴンのポスターです。宣伝文句も異常なのですが、その枚数も異常でした。街の電柱にずらりと貼ってあったのです。否がおうにも目に入り、恐怖ものが大好きな僕は、この得体の知れない映画に最大限の魅力を感じました。絶対に行こうと心に決めたのは言うまでもありません。友人たちも、すごく興味を抱いていましたが、仕事の関係上行くことはできず、結局、僕一人で見に行くことになりました。映画が終わったら、感想を電話ですぐに教えてくれと、目を輝かせて頼む友人もいましたので、僕は優越感を少し感じていました。
映画は、映画館でなく、市民ホールでした。映画館よりも大きな会場です。当日、僕は立ち見になると嫌なので、上映30分前には会館に行き、中央の見やすい椅子をキープ、これから始まるすごい世界に期待し、興奮をしながら待っていました。徐々に会場が埋まり、上映の時には、満員状態。みんな、今日のこの時を待っていた様子。隣のカップルは、すでに手を握り、スタンばっています。
場内が暗くなって、映画が始まりました。ドキュメンタリー・タッチの作風、北陸方面の方言のため、字幕がついています。
約1時間経過。恐ろしいシーンは、何もない。だらだらとしたストーリー。
まさか…という不安が胸をよぎるけれど、いや、まだまだこれからだと無理やり期待モードにする僕。
さらに時間は流れ、でもグロなし。トイレのシーンが少しあった程度。それも、およそ怖いというものではない。
「…これ、どこで吐くんだ?」
誰かの声がしました。おそらく、会場の多くの人が感じてたことを彼は言ってしまいました。密かに誰もが今後の展開に多少の期待をかけていたのに。
「腐乱死体を愛した女って誰?もう、出た?」
他の客も、隣の人に聞いてます。ざわざわとする会場。周りを見回すと、すごく不気味な雰囲気が漂っています。(やられた!)という屈辱的な表情と怒りの顔つきの人がたくさんいて、ちょっと怖い感じです。
もし、このまま終わったら暴動が起こるかも知れない…
やがて映画は終わりました。会場の皆さんは、完全にノックアウト状態。こういう詐欺的な映画があるとは実に恐ろしいことです。
「何なんだ、この映画」
「金返せって言いたいよね」
「監督、ふくろにしたいね」
「最悪、あ~あ、お金損した」
おお!バリゾーゴンだ!みんなが、悪口言ってるぞ!
もし、会場から罵詈雑言を引き出すための映画であったなら、それはそれで、凄い映画だと思いました。本当のところは分からないけれど、そうでも思わなきゃやってられませんもん。あ~あ。
その後、他の会場では、この映画を見た観客が「金返せ!」と大ブーイング、監督を袋叩きにしたという。それも、複数の会場でトラブル発生、警察も出動したそうです。
みなさん、過剰な宣伝文句にはお気をつけください。