春謳歌

曉仁の、勸善懲惡に依る、畫龍點睛の爲の、記録詩日記。(=^-^=)

「かなしい人」「ゆるさん」「チーズ」

2013年09月12日 19時31分18秒 | ポエム
-コレハ、カナシイヒトタチノキロク(悲しい人びとのつづる3篇の詩)


「かなしい人」

鯰を生け簀で飼ってんだってね、いきだね
粋だね。
江戸っ子だね、寿司くいねぇ。

駅前で一人で大声を上げて笑っているひとをみると、わたしはなんだか遣る瀬無くなってしまう。
今日もまた、家の前の生活道路で一人で会話をしているひとをみた。
寞しい。




「ゆるさん」

むかしむかしあるところに、
"ゆるさん"とよばれているひとがいました。
ゆるさんは、まいにち、はいしゃにかよっていました。
ゆるさんは、じぶんのからだのぶいでいちばん、"は"におもいいれがあり、たいせつにしていました。
それをあらわすかのように、きれいにせいれつした、
まっしろの"は"はぴかぴかにかがやいていました。
ところが、あるひ、いへんがおきたのです。
あさ6じにおきた、はやおきのゆるさんは、"は"にいわかんをかんじたので、せんめんじょにいってかがみをみたのです。 
すると、そこには、"は"がすべてぬけおちたじぶんのかおがうつっていました。
それは、りゆうはわかりませんが、よるのあいだ、だれかがゆるさんにいたずらをしかけたのでしょう。
ゆるさんは、だれにいうともなく、こうつぶやきました。 
「ゆるさん」



「チーズ」

代わってよ、チーズ。
埋まってよ、姿態。
あなたが恋しい。
欲しくて、たまらない。
悩ましさ。
あなたの死体を慕い、お墓に埋まる。替ってよ。あなたとぼく。千尋。

アンソロジー「ミヤコ蝶々」(アンリリースド・ワークス)

2013年09月12日 19時30分23秒 | ポエム
アンソロジー
「ミヤコ蝶々」



・ミヤコ蝶々

 「アンタねぇ、そないゆわれても、この壺だけは負けられまへんわ。うちは慈善事業ちゃいまんねん。"商売"でんねん。そんなね、しょうもない、おべんちゃらゆうたかて、わたい120万じゃぜったい譲りまへんで。それからね、アンタ、そんなけったいな格好してからに」




・雨音と浴室(旧題:雨の音を聞きながら・・)

窓外を爽やかに湿らせている雨の音を聞きながら、
浴槽でつかの間の憩いに浸るとき。
僕のこころは潤いと落ち着きを取戻す。<16/9/13>



・hiziki

TVレポーター「ああ、ひじき、ひじき。心の底から」
ヌメール湿原にて。


・コント1

ある比較的狭い道路上。
全力疾走してきた二人。対面するかたち。
お互い、前方不注意。当然のごとく、激突。正面衝突。
ぶつかった衝撃で二人とも、全身処置不能なほど大けが。
肋骨は折られ、筋肉から切断。真っ赤な内蔵が剥き出し。
頭蓋骨は破砕し、顔面が滅茶苦茶。
首の骨と皮は千切れ、頭が肩から逆さに、やっとぶら下がっている状態。
とても人間のすがたをしていない。髪の毛は雑草のようになっている。
しかし、次の瞬間、二人はなにごともなかったかのように、
平然とすました顔で、また自転車のサドルに跨り・・・・・・。
大腸を腹部からぶらぶらと露出させながら、漕ぎつづけてどこかへ行ってしまった。



--気ちがいになろう--

2013年09月12日 19時04分02秒 | poem
--気ちがいになろう--(皆でなったら怖くない)


気ちがいになろう
気ちがいになろう
嫁入りの前の娘も
気ちがいになろう

気ちがいになろう
気ちがいになろう
サトルも
気ちがいになろう

気ちがいになろう
気ちがいになろう
糞壺抱えた爺さんも
気ちがいになろう

気ちがいになろう
気ちがいになろう
昌太郎も
気ちがいになろう

気ちがいになろう
気ちがいになろう
金色夜叉も
気ちがいになろう

気ちがいになろう
気ちがいになろう
トム・ハンクスも
気ちがいになろう

気ちがいになろう
気ちがいになろう
黒潮マニアたちも
気ちがいになろう

気ちがいになろう
気ちがいになろう
カナブンも
気ちがいになろう

気ちがいになろう
気ちがいになろう
いま、気ちがいのひとも
もう一度、気ちがいになろう