注文しておいた南部鉄瓶が届いた。
薪ストーブの上に置いてしゅんしゅん蒸気を出させるのだ。
いまは小さなミルクパンがその役目を担っているが、それでは格好が悪いとうちのダンディが言うのである。
南部鉄瓶がいい、南部鉄瓶がいい、と言い続けるのである。
で、ネットで適当なのを探して注文した。
すぐに、ほんとに一日でものは届いた。
ずしりと重い。蓋をとって中をのぞく。カネとカネの触れる音も新鮮だ。
鉄なんだ、ほんとに。
錆止めのために、お茶の葉を入れて湯を沸かせとある。
それを今日やろうとおもっている。
なのに、この暖かさだ。
ストーブは要らないね。
ストーブも鉄瓶も用無しでいいから、このままぬくぬくの日が続きますように。
それにしても、鏡を見なくなった。
朝顔を洗い、夜歯を磨くときに、鏡の前に立ってはいる。
立ってはいるが、鏡に映るものに興味がない。
鏡が嫌いになったみたいだ。
できることなら、鏡なんか見たくない。
あそこに映っているの、だれ?
あたしじゃないわ。
鏡を見ないことに慣れた。
近くのスーパーに出かけても知人に会うことがない。
知りあいと会うというのも、鏡と向きあうのと同じだから、
いよいよ鏡と縁遠くなった。
人は鏡を前にして、何をおもうのだろう。
うん、今日もキレイよ。
わあ、ますます美しいわ。
こんな言葉を投げかけて、エンジン始動するのだろうか。
赤ん坊は一歳半くらいで鏡に興味を持つ、と聞いた(うろおぼえ)。
うちの子も、そのくらいの年に鏡に興味津々だった。
あそこにいるのは何だ?という興味。
付き添っている母は、これがボクよ、なんて言ったかなあ。
このときが、自分を初めて認識するときらしいけれど。
鏡に映る自分が自分である、とだれが決めたんだろ。
泉に映った自分に恋したナルシスの話。
彼は鏡を知らなかったのか。
鏡を見なくなったのが、老いてゆく自分を見たくない心理なのか。
それとも、「自分」にそれほどこだわらなくなったってことなのか。
どうなんでしょ。
鏡の国のアリスみたいに、冒険の旅に出ちゃおうか。
それとも白雪姫の継母のように、鏡よ鏡…と呪いをかけようか。
薪ストーブの上に置いてしゅんしゅん蒸気を出させるのだ。
いまは小さなミルクパンがその役目を担っているが、それでは格好が悪いとうちのダンディが言うのである。
南部鉄瓶がいい、南部鉄瓶がいい、と言い続けるのである。
で、ネットで適当なのを探して注文した。
すぐに、ほんとに一日でものは届いた。
ずしりと重い。蓋をとって中をのぞく。カネとカネの触れる音も新鮮だ。
鉄なんだ、ほんとに。
錆止めのために、お茶の葉を入れて湯を沸かせとある。
それを今日やろうとおもっている。
なのに、この暖かさだ。
ストーブは要らないね。
ストーブも鉄瓶も用無しでいいから、このままぬくぬくの日が続きますように。
それにしても、鏡を見なくなった。
朝顔を洗い、夜歯を磨くときに、鏡の前に立ってはいる。
立ってはいるが、鏡に映るものに興味がない。
鏡が嫌いになったみたいだ。
できることなら、鏡なんか見たくない。
あそこに映っているの、だれ?
あたしじゃないわ。
鏡を見ないことに慣れた。
近くのスーパーに出かけても知人に会うことがない。
知りあいと会うというのも、鏡と向きあうのと同じだから、
いよいよ鏡と縁遠くなった。
人は鏡を前にして、何をおもうのだろう。
うん、今日もキレイよ。
わあ、ますます美しいわ。
こんな言葉を投げかけて、エンジン始動するのだろうか。
赤ん坊は一歳半くらいで鏡に興味を持つ、と聞いた(うろおぼえ)。
うちの子も、そのくらいの年に鏡に興味津々だった。
あそこにいるのは何だ?という興味。
付き添っている母は、これがボクよ、なんて言ったかなあ。
このときが、自分を初めて認識するときらしいけれど。
鏡に映る自分が自分である、とだれが決めたんだろ。
泉に映った自分に恋したナルシスの話。
彼は鏡を知らなかったのか。
鏡を見なくなったのが、老いてゆく自分を見たくない心理なのか。
それとも、「自分」にそれほどこだわらなくなったってことなのか。
どうなんでしょ。
鏡の国のアリスみたいに、冒険の旅に出ちゃおうか。
それとも白雪姫の継母のように、鏡よ鏡…と呪いをかけようか。