…というわけで、今までの教えのまとめをのっけていきます。
毎日少しずつのっけます。あ、生徒さん募集は3月31日までなのですが、それは別の記事にのってますので、それをごらんください♪
<教えのまとめ>
初心者の目標:ただし、「自分が楽しむために漫画を描く」のがよいです。難しいことを考えすぎずに、とにかく下手でも完成させるのが上達のポイントです。
中級・上級の人の目標:「自分にとっても読者にとっても面白いと漫画を描く」のが目標ですね。これの極まったものがプロというわけです。
<プロットについて>
まず最初に、漫画=とにかく絵がイケてればOK,じゃなく、
プロ、特に大手出版社はストーリーストーリー力(魅力的なキャラの設定も含めて)を重視する傾向があります。
漫画が面白いかどうかはネームまでの段階でほぼ決定するのですが、その面白さのおおもとになるのがプロットです。
*駄目なプロットの代表格→面白いアイデアがはいってないもの。
ストーリーの設定・キャラの設定・エピソードなど、ところどころに面白いアイデアが不足してるものはまず上位入賞は難しいです。
アイデアというのはとにかく変わったことをするということではなくて、「ありふれてなくて、魅力的・印象的なもの」ということですね。
ありふれてなくて、魅力的・印象的なところがあるキャラクターの設定
ありふれてなくて、魅力的・印象的なところがある設定
ありふれてなくて、魅力的・印象的なシーン
ありふれてなくて、魅力的・印象的なせりふ
などなど。
みなさんは、もしドラマや映画が、ありがちなストーリー設定で、どっかで見たことあるようなキャラばかり、ありがちなエピソードだらけでラストもありふれてて簡単に予想がつく感じだったら、ぜひ見たいと思うでしょうか?
それと同じことです。
<アイデアについて>
*アイデア=ぶっ飛んだ、変わったこと という意味ではないです。
良いアイデアとは、ありふれてない(独創的)なもので、いいね!(魅力的)と思われるもの、独創性と魅力の両方を持った思い付きのことです。
両方そろうところがポイントです。
キャラの設定だったら、
「いままでにない個性のあって、何かとても惹かれるキャラだね!」
というのがいいキャラのアイデア。
エピソードだったら、例えば告白シーンなら、
「そんな告白の仕方思いつかなかった!すごく心に残るし、女の子ならみんなうっとりしそう!」
とかいうのがいいアイデア
あるいは少年が化け物を倒すシーンだったら、
「その倒し方は思いつかなかった!すげーカッコいい!(あるいは印象的だね!とか)」
というのがいいアイデア、って感じです。
でも凄くいいアイデアはそう簡単に出ないのです。だからこそ、それを出せる人がクリエーター(ものを創作する人)のプロになれるわけです。
実はプロでも、よくアイデアに詰まります。そんなときは、まあ気分転換に何かいろいろするとか、人によっていろんな対策法を取るのですが、最終的にどうするのかといいますと…
良いアイデアが出るまでしつこく考えるんです。
そっそれで答えかぁぁぁ!?と思うかもしれませんが、プロとアマチュアの決定的な差の一つは、「粘り」なんですよ。アマチュアの方は平均的に、プロに比べてあきらめが早いです、アイデアの追求において。ちょっと行き詰まるとすぐそのネタを捨てたり…経験ありませんか?
プロデビューできるような人は、やはり他のアマチュアの人より、明らかによく粘るんですよ。とにかく粘る。苦しいんだけど、粘って粘ってしつこく考えて、ついに「独創的で良いアイデア」が浮かぶわけです。
いいアイデアが出る前って、基本的に苦しいものなんですよ。だから、苦しいのは悪いことじゃないんです。それを知らないから、詰まって苦しくなったら、すぐやめてその辺にころがってそうな、ありふれたネタを使ってしまうわけで。
話の設定にしろキャラの設定にしろエピソードにしろ、どこにもいいアイデア(ありふれてなくて魅力的なところね)がないと、作品が印象薄くて、人の目にとまらないんですよ。
端的にいって、面白くないですしね。
なので、アイデア(ありふれてなくて魅力的なところ)は必要なわけです。
プロだって、生まれ持った才能だけでかる~~くやってるんじゃないんですよ。普通そこまで超必死に考えないだろ?というところまで考えるんですよ。ネタが出なくて泣きそうになっちゃったり叫びそうになっちゃったりするんですよ、いい大人が。そこまでやるから、ありきたりじゃないものを思いつくわけなんです。
自分の限界ぎりぎりまで考えたことのあるアマチュアの人って少ないんじゃないかな。一度、限界に挑戦してみるといいですよ。ただ、精神が壊れない程度でお願いしますね。精神的負荷に耐えられる度合いは人によって違うから。でも、多くのアマチュアは、限界までいくまえの、少し苦しいくらいで考えるのをやめてると思いますよ。
たいていの人は、自分の底力を甘く見すぎてます。限界まで挑戦もしてないのに、「才能がいまいちっぽいしなあ…」なんて自分のレベルを低めに設定しがちなので、非常にもったいないことです。ぜひ自分がどこまで粘れるのか、試してほしいものですね。
それに頑張りぬいたら、ちゃんとごほうびがあります。
それは、最高のアイデアを思いつくと、同時に
「やったー!!!」というものすごい幸福感が出てくるんですよ。
その嬉しさがなんだか異常で、それまで「思いつかない~~苦しい~~~」とあえいでいたのを完全に忘れさせるほどなんです。
そして、そういう最高のアイデアを入れた作品は、成功作品になりやすく、デビューとか入賞とか担当が付くとか、いい結果をもたらします。
すごくきついところがあるけど、すごく嬉しいところがある、これが創作というものなんです。
それで、良いアイデアの思いつき方なんですが、ただ「うううううううううううう~~~~ん」と考えるだけじゃなくて、世の中にはいろんなアイデアの考え方あるわけで。
それでいろいろ調べたところ、何か広告業界で一部使われてるらしいという方法を発見しました。広告業界も、マンガ業界と同じく、1年中アイデアを求められる職業なのですが、その方法は…
とにかく、「アイデア候補をたくさん出して、ベストなものを一つ選ぶ」
というやり方です。例えば、決めのせりふに困ったとします。そしたら、決め台詞を何十個も作ってみて、その中のベストワンを選ぶ、ということ。 あるいはラストシーンに困ったら、ラスト場面を何十通りもネタだしをしてみて、一番いいのを選ぶ、ということです。(ネタだしは、アイデア一個につき一行くらいの文章でメモする、と。)
「え~ 一個ですら思いつかないのに、何十個って…((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル」とビビる人もいるかもしれませんね。
しかし、誰も「素晴らしいアイデアのみを何十個も出しましょう」とはいってないです。
つまり、くだらない・使えないアイデアも大量に含まれていてよいということなんです。
アイデア「候補」なんだから、出したアイデアのほとんどがだめでも、一個だけOKがあればいいんだから。
ラストシーンを50種類考えてノートにメモしろ、といわれたら、1つか2つは浮かんでもあとの48個をなんとかせねばなりません。それで、もうくだらなかろうがなんだろうが、とにかく出さなければなりません。それで、「いくらなんでもこれは使えない」とか「我ながらなんじゃこらあ!?」「メモするのすら恥ずかしいレベル」というようなゴミのようなアイデアも何もかもメモしていかないと、とうてい50個になりません。ありえない・つかえない変なアイデアも、頭を柔軟にする効果があるからいいんです。
そうやって50個になったら、その中の一番出来のいいアイデアを採用するのです。
なんでそんなに大量に出さないといけないのか?これはいろんな意味がありまして・・・
1:たくさんアイデアを出したということは、それだけ粘って考えた、という目安になる。
…ということ。粘って考えなきゃいかん、と思っても、どれくらい頭を絞ってるのか自分でもよくわからなかったりするでしょう。アイデアを考えてたはずが、詰まって、ついゲームとかやっちゃったり、お菓子とかやけ食いしたり、いい加減な時間をすごすことが多くないですか?でも、何十個とか何百個とか決めてそれだけ出したら、確実にその分は頭を使わなければいけないですから、誤魔化せないんですね。頭を絞った証拠が残るところがよいところなんです。
2: ありきたりなアイデアを出し尽くして頭をカラにする効果あり。
だいたいですね、自分がパッと思いつく最初の1つめか2つめくらいのアイデアは、ほとんどありきたりと考えてもらってよいです。
自分がパッと思いつくようなものは他人も思いつく、と考えてください。そんなものを使って作品を作っても結果が見えています。たくさんアイデアを出すことによって、そういう平凡なアイデアを出し尽くして、頭の中から追い出すのがいいんです。平凡なアイデアも全部メモした、くだらないアイデアも一杯メモした、もうほんとに何もでない・・・・という状態。 実はそこからが勝負なんです。 そこからさらに考えて出てきたものは、非凡なアイデアが多いんですね。
そうです、一般に知られてないことですが、アイデア出しは、「行き詰ってからが勝負」なんですよ。
もうこれ以上は出ない、となってから、更に粘って考えたもののなかに、良いアイデアがあるんです。みんな詰まると、普通そこでやめちゃうから、結局平凡なアイデアしか出ずに終わるんですな。普通みんながやらないところまでやる人が、プロになれるんですよ。
まあ別の言い方をすると、小さな一個のダイヤの原石を掘るためには、トラックの荷台一杯の石炭を掘らないと出てこない、みたいな話と同じですよ。
そういう労力なしには、いいものは手に入らないということですね。
・・・とまあ、これほど重要だと言ってるのに、まあ誰もこの方法をやらないことったら(笑)。
実直にやった人は、必ず今までよりいいアイデアを出しますよ。何百人も生徒を見てきたからわかります。
このHP見てる人、チャンスですよ、みんなやらないから!(笑)。
真剣な思いでこのHP見てる人には、ほんとに活用してみてほしいです。100個出していいアイデアが出なかったら、200個にすればいいし、1000個でもいいわけです。アイデアに関しては、たくさん出して損した、ということはありません。いくつもいいのが出たら、メモしてとっとけばいいし。
自分の出したアイデアは、自分の財産ですから、いくらあってもよいのです。
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れな