重ソウを使って「葉脈標本」を作ろう!

子どもTOSSデーなどで使える理科実験を紹介します。
TOSS今治 阿部達也
noiz@icknet.ne.jp

重ソウを使った葉脈標本の作り方

2007年08月21日 | 理科 理科実験
 水酸化ナトリウム使用する実践はよく紹介されていますが、小学生には手に入りにくく、危険でもあります。
 そこで、野菜のアク抜きやお掃除にも使われる、重ソウを使う方法を紹介します。

準備
ナンテンなど常緑樹の葉、重ソウ、酢、歯ブラシ、ティシュペーパー、アイロン
鍋(※アルミ製の鍋はアルカリで溶けてしまいます。ホーロー、鉄、ステンレス製の鍋を使用してください。)

1 お湯に重ソウを溶かす。
  必ず火を止めてから重ソウを入れてください。沸騰したままだと吹きこぼれて危険です。
  重ソウ(炭酸水素ナトリウム)は65℃で熱分解を始めますから、火を止めてからでも大丈夫です。濃度は約10%です。

2 葉っぱを煮る
  今回はナンテンの葉を使いました。30分を目安に弱火で煮ます。
  葉っぱが沈んで、しっとりしてきたら、ピンセットで取り出して歯ブラシで少し叩いてみましょう。上手く葉肉がはがれるようだったらOKです。

3 中和させる
  取り出した葉っぱに酢をかけて中和させます。
  葉っぱを煮た廃液も、酢で中和させてから捨てましょう。公害防止です。

4 葉っぱを歯ブラシで叩く
  アルカリ処理した葉っぱを、歯ブラシで叩いて、丁寧に水洗いを繰り返します。 こすってしまうと、葉脈が切れてしまうことがあるので気をつけましょう。

番外 「秘密兵器」登場
  子どもTOSSデーの参加者に、1年生がいると聞いて「歯ブラシで叩くのは難しいかな?」と考えました。
  そこで秘密兵器「超音波洗浄機」を用意しました。眼鏡屋さんで眼鏡を洗浄してくれる機械です。大型家電店で3000円ほどで購入できました。
  アルカリ処理した葉っぱを洗浄器に入れると、くるくる回りながら葉肉がはがれていきます。見ていて楽しいですよ。

5 仕上げ
  葉肉が落ちた葉っぱの上にティシュペーパーを敷いて、中温のアイロンで3秒ほど加熱するときれいに乾きます。もちろん陰干しにしてもいいです。
  時間があれば、洗濯用漂白剤に1時間ほど浸けておいてから、ポスターカラーなどで色を付けると、きれいに仕上がります。
  ラミネーターでパウチすると保存が利きます。機械がなくても、名刺サイズなら アイロンでもパウチできます。

 葉っぱの種類によってはもちろん、同じ葉っぱでも、生えている場所、方角によって様々な葉脈標本ができます。お試しあれ。


<参考> 京都市青少年科学センターHP


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