初めて彼と過ごすクリスマスイヴの夜・・・。
「向こうの部屋に箱があるからもっておいで・・・。」
と彼が言った。
私は少し照れながら
隣の部屋にある箱をドキドキしながら取りにいった・・・。
彼が箱からだしたプレゼントは
おそろいの腕時計だった・・・。
私は嬉しさのあまりに彼に抱きついてしまった・・・
「どうしたの~?これ~?いつ買ったの?そんな時間なかったじゃない?」
と、はしゃぐ私を子供をみるような目で
「ん?そんな時間なかったよ~
でも、クリスマスだしね。
キミの喜ぶ顔がみたかったからね・・。」
と、いいながら
私に時計をつけてくれた・・・。
きっと、私はこんなふうにプレゼントをもらったのは
初めてで
こんなに優しい気持ちになったのは
初めてだったかもしれない。
「ありがとう・・・本当にありがとう。
じゃ、こっちは私がつけてあげるね・・・。」
といって、私は彼に時計をつけてあげた・・・。
初めての彼とのクリスマス・・。
幸せだった・・・。
次のクリスマスもその次のクリスマスも
彼と一緒にクリスマスを過ごしていた。
でも、あるときのクリスマスから
彼とは一緒にクリスマスを過ごす事ができなくなった・・・。
どうして?
一緒にクリスマスを過ごせなくなったの・・・?
彼は何も答えてはくれない・・・。
答えてはいけなかったからだ・・・。
クリスマスになると、
彼はいなくなってしまう・・・。
電話をしてもメールをしてもどこにいるのかも
分からなくなってしまった・・・。
ある夜の日、
私はそのわけをしることになる・・・。
そう・・・彼はサンタクロースだったのだ・・・。
正確にいうと
サンタクロースに任命されたのだ・・・。
冬の空の雪の神様に
「キミは今年からサンタクロースになるのだ。
クリスマスは、子供達にプレゼントをもって幸せを運ぶのが
キミの使命だからね・・・。
もしも断るというのなら、
キミの大切なものをなくすことになるんだよ。
それでもいいのなら、
サンタクロースにはならなくてもいい・・・。
さぁ・・・どうする?
時間はないんだよ・・・。」
と、雪の神様に告げられたのだ・・・。
彼は大切なものを守るために、
サンタクロースになることをきめた・・・。
彼はサンタクロースになった・・・。
幸せを子供たちに運ぶために・・・。
クリスマスは会えないけれど
それから彼は
わたしの部屋のあかりに魔法をかけている・・・。
「寂しくないからね・・・ここにいるからね・・・」って・・・。
私の彼はサンタクロース・・・。
ちなみに物語ですから・・・ね^^;