涙にはちゃんとワケがある・・。
あふれ出た涙にも、
心でとめた涙にも、
涙にはワケがある・・・。
「もしもし?あっ!ごめん・・・今忙しいよね?」
「大丈夫だよ~!」
と、私は言った・・・。
「そっか・・・」
いつもなら、用件を話し出すはずなのに
言葉を詰まらせている・・。
「どうしたの?何かあった?」
「笑・・・何もないけど・・・ん?何にもないよ・・・。
大丈夫・・・うん・・大丈夫・・・。」
やっぱり、いつもと違う。
そんな彼女がその夜私のところへきた。
笑っていた・・・。
笑顔でみんなで話していた・・。
ゆっくり、話を聞いてあげることもできないまま
時間は経っていった・・・。
お酒なんて弱いくせに、
強いお酒を二回もグビっとながしこんだ・・・。
「ちょっと~、大丈夫なの~?」
みるみるうちに顔は真っ赤になっていく・・・。
他に人もいたので、
話を聞くにきけない状態だった。
ただ、見ていることしかできないままだった・・。
ちょっと、私が席をたったときに
ある人のある一言が
彼女の張り裂けんばかりの心に
刺さった・・・。
席に戻った私・・・。
さっきとは、違う空気漂っている・・・。
「え、何?どしちゃったの?」
黙ってるしかなかった・・・。
彼女は、ポロポロと涙を流した・・・。
きっと、ずっと我慢してたんだろう・・・。
いつもなら、
なんとも思わないようなささいな言葉も
あの日の彼女の心には
切り裂かれるような思いだったのだろうと
私は思った。
彼女は先に帰り
私に「ごめんね、ごめんね・・・」と泣きながら
帰っていった。
涙には、ちゃんとワケがある・・・。
あふれでた涙にも、
心でとめた涙にも、
ワケもなく悲しい涙にも・・・ね。
今度、会うときは笑顔に戻ってるといいな・・・。