『おおきなかぶ』
内田莉莎子再話 佐藤忠良画
福音館書店
言わずと知れた名作、ロシア民話の『おおきなかぶ』。
小学校の教科書にも載っているし、幼稚園や学校の発表会でもよく使われるお話です。
この『おおきなかぶ』、佐藤忠良さんの絵の甘くないところもいいですね。
かえってユーモアが感じられて、子どもの時から大好きです。
昔話の素晴らしいところは、同じ内容が繰り返されるところ。
これは、大人の目線では先が読めて退屈と感じてしまいがちです。
でも、この絵本のように、小さな小さな子がつたない口調ながらも嬉しそうに
…とこしょ!…こいしょ!!
と、読み聞かせに合わせて言っちゃうのは、お話に身を委ねて楽しんでいる何よりの証拠。
繰り返しは、幼い子が話の内容を理解するのを手助けしてくれます。
(大きなかぶは、シンプルなお話なので難しくはないですが)
もう少しストーリーが長い昔話だと、"三匹の子ブタ"や"やまなしもぎ"等、3度の繰り返しがよく出てきます。
これはどの国の昔話にも見られる定番の形式。
繰り返しにより、次の繰り返しへのワクワク感が高まる。
予想通りに繰り返されることで充足感が得られる、のだそうです。
昔話は、語りから始まったもの。
ぜひぜひ声にして聞かせてあげてくださいね。
日本人学校、低学年の子たちは今日は芋掘り遠足です。
大きなお芋を引っ張り出せるかな。
実りの秋、収穫の秋です。お話でも楽しんでみてください。