野次猫ゆきちゃんの日記

野次馬な猫のゆきちゃんが日記風に語る物語や
日常のよもやま話などなど^_^

番外編 ゆきちゃん、七夕で、すみちゃんお婆ちゃんと再会する!

2023-06-30 07:52:00 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語
 『ゆきちゃん、今日は七夕様ね🎋
今ね、ヨハンが笹を採ってきてくれたのよ。テラスに飾りましょう!』
 みっちゃんと初めての七夕様ね〜ふふふ。

 私も小さな頃、すみちゃんお婆ちゃんが、笹に短冊を飾り付けついるのを見ていたのよ。
すみちゃんお婆ちゃんはね、短冊に書く墨のお水にこだわっていたのよ。
毎年、朝早くお芋の畑に、一緒に行ったことを思い出すわ。お芋の葉っぱに溜まった雫をね、コロン、コロンと器に落として採った、その雫で墨を擦ったのよ。すみちゃんお婆ちゃんがおっしゃるにはね、お芋の雫で擦った墨で、短冊に文字を書くとね、字が上手になるんですって。ふう〜ん、って思いながら聞いていたけど、確かにすみちゃんお婆ちゃんは字がお上手で、お若い頃は書道教室をしていらしたんですって。
懐かしいわ。すみちゃんお婆ちゃん!
思い返すだけでウルウルしてきゃうわ。
まだまだゆきは、すみちゃんお婆ちゃんを忘れる事は出来ないみたいよ〜お、お婆ちゃ〜ん!

 『ゆきちゃん、今から朝1番のお芋の葉に溜まった雫を採りに行くところなのよ。お散歩がてらご一緒しましょうよ。いかがかしら?』
 わあ、みっちゃんとお散歩、楽しみ〜
みっちゃんもお芋の雫を使うのね〜。

 わあ〜一面お芋の葉っぱだらけね。
私から見たら、芋の葉屋敷って感じだわ。
素敵。何よりも朝1番だから、空気も澄んでいて気持ちがいいわ。
 そんな私を見てね、みっちゃんがそっと抱っこして、雫を見せてくださったのよ!
コロンとしていて、とても可愛らしいわ。
 みっちゃんがおっしゃるにはね、朝露じゃなくて、お芋さん、自らの水分らしいのよ。
凄いわ!お芋さん!
 
 『さあ、沢山採れたわね。
帰ったら早速、硯に雫を移して墨をするわよ。
ゆきちゃん、お散歩に付き合ってくださって、ありがとう!』

 『さあ、お願い事を書きましょう!ゆきちゃんの分も代わりに書かせてね。ふふふふふ。』
 みっちゃん、楽しそうね〜。
ゆきもうれしいのよ〜。みっちゃん!
いつもありがとう!

 あ〜思い出すわ。すみちゃんお婆ちゃんとの最後の七夕様を。私ね、すみちゃんお婆ちゃんが、短冊に書いた願い事を何気なく見てしまったの。
そうしたら、すみちゃんお婆ちゃんたらね、『私、亡き後、年に一度、夢でもいいから、どうかゆきちゃんに合わせて下さい。』って、書いてあったのよ。
私、もう、たくさん泣いたのよ!ニャンコだってさ、鳴くじゃなくて、泣くこともあるんだから!プン!あ、怒るとこじゃないわね。アハハ。
そう、私ね、うれしくて、うれしくて…でもね、とっても切なくもあったのよ。
それにね、すみちゃんお婆ちゃんは私のためにね、『私が亡き後、ゆきちゃんが幸せに暮らせますように。』とも書いてあったのよ。
あー涙が止まらないよー。
 
 だから私もね、猫神様に心からお願いしたのよ。
『あ〜どうか猫神様、夢でもいいから一年に一度は、すみちゃんお婆ちゃんに合わせて下さい!
ゆきはお利口にしますから。』って。
つい、ぼんやりと昔を懐かしんでたら、
みっちゃんがね、『ゆきちゃん!今日はゆっくり七夕様を楽しんでね!きっと良いことが起こりますよ!
ふふふ』
 みっちゃん!何でもお見通しね。💦

 その日の夜、ゆきはね、夢を見たのよ!
すみちゃんお婆ちゃんが鶴に乗って、ゆきに会いに来てくれたのよ!
それが、とーっても美しい光景だったの。
すみちゃんお婆ちゃんの回りにはね、星がキラキラしていて、たくさんの花筏の葉っぱと鷺草のお花たちのお伴が、すみちゃんお婆ちゃんをお守りするかの様に、辺りに散りばめられていて、それはそれは、見事な景色だったのよ。

 『ゆきちゃーん!一年ぶりね!みっちゃんとの生活にも慣れたかしら?ゆきちゃんは賢い子だから、きっと大丈夫ね!お婆ちゃんも、お空からゆきちゃんを見守っているのよ〜。頑張っているわね。』

 『え〜ん、え〜ん…( ;  ; )すみちゃんお婆ちゃ〜ん…ゆきはもちろん、幸せ者よ!でもね、赤ちゃんの時からすみちゃんお婆ちゃんと、ずーっと一緒にいたのよ。だから、そう簡単にはゆきは、忘れることなんて、出来ないのよ、すみちゃんお婆ちゃ〜ん…( ;  ; )だってね、楽しい時も悲しい時もぜーんぶ一緒だったんだもの。
 それにね、ゆきは、すみちゃんお婆ちゃんに何も恩返しをしていないのよー( ;  ; )
だから、今日はゆきがすみちゃんお婆ちゃんの笠地蔵さんになるわ。

 だってね、小さい世界しか知らないゆきには、それしか思い浮かばないの。ごめんなさい!すみちゃんお婆ちゃ〜ん…(涙)

 ゆきがまだミルクを飲んでいたころね、よくすみちゃんお婆ちゃんが、読んでくださった『笠地蔵さん』のお話しがゆきの心に残っているから。
笠地蔵さんはお米やお野菜をお返ししたけど、ゆきはなにも出来ないの。( ; _ ; )/~~

 『ゆきちゃん!お婆ちゃんはね、今日ゆきちゃんと再会することが出来て、本当に幸せなのよ。だってね、私の家族はゆきちゃん、あなただけなのよ。
だから、毎日毎日、ゆきちゃんに会える事だけを思っていたのよ。
それにね、ゆきちゃんが猫神様に頼んで下さったでしょ!お婆ちゃんに会いたいて!
 ありがとう!ゆきちゃん!本当は掟破りらしいんだけれど…ふふふふふ。
でもね、私はそれでもいいと思ったのよ。
ゆきちゃんとお婆ちゃんの心が軽くなるのなら。
それにね、いつの日か、ケセラセラ、ケセランパサランって思える日まで、神様はきっとお許しくださると思うのよ。
 それにね、毎日、テレビを観るみたいにゆきちゃんの素晴らしいお姿を見守れるのよ。ゆきちゃん!春になったら、きっとチャトランさんと仲良しになれるわよ!
お婆ちゃん、楽しみにしているのよ〜。
早く、孫?ひ孫?を見たいわ。ふふふ。

 いゃ〜ん、すみちゃんお婆ちゃんたら〜
夢の中でゆきをからかうなんて〜(//∇//)
 
 でもね、いつでもゆきの側にいてくれていたのね!すみちゃんお婆ちゃん、ありがとう!そう思うとゆきもね、毎日、頑張れるわ。それにね、すみちゃんお婆ちゃん!
宇壷家と宇壷庭の皆さんってね、それはそれは、お優しい方々ばかりなのよ!

 『あ〜良かったわ。ゆきちゃんは心がピュアだし、優しすぎるから、お婆ちゃんは、ゆきちゃんのガラス細工のような心が心配だったのよ。いろいろな事があってもね、ゆきちゃんはお婆ちゃんにとって、特別な存在だって事、忘れないでね!
あ、それからゆきちゃん、猫頭の命を賜ったんですってね!おめでとう!
でもね、ゆきちゃん!ゆきちゃんはゆきちゃんらしく、日々を大切に生きればいいのよ!ゆきちゃんならば大丈夫!
いつでも、いつまでも、ゆきちゃんを見守っていますよ!大好きよ、ゆきちゃん!』
眠い💤

あら〜みっちゃんの黄色と赤の短冊がゆきの所に飛んで来たわ。なになに、え、『ゆきちゃんが、前の飼い主さんと再会出来ますように!』え、『ゆきちゃんが宇壷家でも楽しく、幸せに過ごせますように!』
で、ですって!えーん、えーん…ありがとう
みっちゃん!大好きよ!

あ〜眠いよ💤 
何だか今ね、とーっても幸せで、フワフワした気持ちよ!
ケセランパサラン〜フワフワね〜


第13話 後編/古墳の謎と北側、天の磐座の謎に迫る!

2023-06-25 13:53:06 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語

       【後編】

 『さあ、ゆきちゃん!ここから、この小高い裏山に入っていくのよ。
あ、コチママさんは木を伝って行くから、私が磐座までご案内しますね。
大体、小半刻(約15分くらい)かしらね。
ゆきちゃん、よろしいかしら?』
『はい、大丈夫ですよ!ポキママさんも子育てのお忙しい中、ありがとうございます😭』
感謝感謝だわ。

 『この山はね、春になると四方八方に赤紫の片栗の花が咲いてね、それは美しいのよ。
また春になったら、ご一緒しましょう!』
『はい、楽しみにしています!』
あ〜宇壷家に関わりのある方々って、皆さんお優しくて素敵な方ばかりね!
何だか、ゆき、ウルウルしてきたわ。
あーすみちゃんお婆ちゃんと暮らしてた時を思い出すわ。
『すみちゃんお婆ちゃん!ゆきは幸せに暮らしていますよ!心配しないでね!』
さあ、気持ちを切り替えてっと。

何だか視線を感じるわ〜と振り向くと狛犬さん?心の中で、こんにちわ!

 『あら、水の音がするわ。』
『ああ、この音はね、湧水の音よ。
この音が聞こえてきたらもう直ぐの合図なのよ。』
『あ、鳥居があるわ。』
 『こちらの祠はね、雷(いかづち)の神様なのよ。』
『それにね、こちらの祠の下から、水が湧いているのよ。祠が磐座の入り口なのよ。』
『ゆきちゃん、もう少しよ。こちらの祠の左側を通って行くと、ほら!見えてきたわ。』
 『わー凄いわ。磐座ってこんなに大かったのね!』
 『お待ちしてたわよ、ゆきちゃん。』
 『あら、コチママさん!お早いのね。』
 『ふふふ』

 『あ、そうそうゆきちゃん、コチママさんは、こちらの磐座の言い伝えにお詳しいのよ。』
 『そうなんですね〜。ぜひ、お聞かせください!』

『その前に、皆んなで、湧水をいただきましょう!
こちらの湧水はね、浄化の力があるのよ。
宇壷家と池にもこちらの湧水が引かれているのよ。』
 だからなのね〜宇壷家の方々と宇壷庭の方々は、皆さん澄んだ気の良い方々ばかりなのね。
納得!

 『こちらの磐座はね、太古の昔からこの小山に鎮座されていてね、ある大雨の日に、それはそれは大きな響きの雷が轟いて、雷の神様が磐座と共にこの小山に降りられたそうなのよ。それにね、雷の神様は水神様のお筋の神様なんだそうよ。
なんでも、高貴な神様がご降臨される前に、雷の神様がまずこの地に降りられて、磐座を祀られたんですって。その高貴な神様は、天照大御神様でらして、こちらの磐座には、天照大御神様の荒御魂がお祀りされていらっしゃるのよ。
荒御魂はね、古くなって劣化してしまったものを流して、新しいものに変えて、産み出してくださるお力がお有りなんですって。変化、変幻とでも申しましょうか。決して古いものを無くすのではなく、その時々に見合った形を産み出してくれるエネルギーなのだそうよ。

 だから、古墳の祭祀に向かう前には、
こちらの磐座にお詣りされてから祭祀をされるのよ。古墳はとても古いものでしょ、古きを重んじながらも、新しき力も大事にして祭祀を執り行う事で、天地の均衡がたもたれるのだそうよ。』

 『あ〜その為の祭祀なのね!』

 『そうなんですよ。そのためには、敬意と畏怖の心を持ちながら、生きる姿勢をこの祭祀でお見せし、変化を恐れずに進む事が大切なんだそうよ。』
 
 恐るべし宇壷家よ〜💦💦

 『あ、そこでね、音がまず大事なんですって!
祭祀の最初には、まずこの磐座の御戸を御開けいただくのよ。そのお役目が花蓮様のフィアンセのヨハン様がお務めされるのよ。』
『え、え?ヨハンさんが、何をされるのかしら?』
『はい、ヨハン様が石笛の音を響かせるんですよ。』
『石笛を?』

『ええ、その時にはこの磐座も光り輝いて、磐座から天照大御神様にお仕えされている、龍神様がお出ましになられて、物凄い勢いで、古墳に向かわれるんですよ。
そして、天と地を結んで聳え立つ、美しい御柱の地から左巻きにコイルを描き、虹色の渦を巻きながら天へお昇りになられるのよ。その後から、花蓮様が美しくもお優しいハープの音色を奏でるんですよ。

 するとね、天にお昇りになられた龍神様が、今度は虹色の渦を纏いながら、右巻きにコイルを描きながら地に向かって降りてこられるんですよ!』 
何だかゆき、眩暈がしてきたわ。あ、湧水湧水っと。フウー。
 『龍神様は一瞬、地に降りられたかと思ったら、一気に小山の磐座へと舞い戻られるのよ!』
アタフタしちゃうわ💦

 『あ、コチさんもポキさんもお疲れでしょう!
湧水をどうぞ、お召し上がり下さい!』

『ゆきちゃん、大丈夫ですよ。
ゆきちゃんにお伝え出来ることは、大事なお役目だと思うのよ!ありがたいわ!』
 『え〜ん!涙涙だわ。ありがとうございます😭』
 
 『ゆきちゃん、あちらの古墳はね、昔は昔、大昔に、祭祀を執り行っていらした方のお墓らしいのよ。天照大御神様とのお約束でこの地にお眠りになられて、あの美しい御柱を、お守りしていらっしゃるらしいわ。そのお陰でこの地の安寧が保たれているのよ?凄い事よね!』
 
 凄すぎて、ゆきはヘロヘロよ〜
 でもなんだか涙が出ちゃうわ。

『天照大御神様は、太陽を司っていらっしゃる、天が下の御賜でいらっしゃるから、生きとし生けるもの、全ての賜なんですよ。そして、宇壷家ではこの祭祀を司れる、主が、必ずお産まれになられるんです。』
 
 みっちゃんも大切なお役目がおわりなのね。
ゆきも、みっちゃんのお役に立ちたいわ。
みっちゃん!

 『そうそう、この北側の磐座と西側の古墳に少しでも異変があった場合にはね、ポキママさんからの合図で、私が、とっくり様とえりまき様の所へお知らせに行く、お役目も賜っているんですよ!
あ、でも今の時節は土公神様の所に向かうんですよ。』

 『ところで、ポキママさんはどうやって、コチママさんに合図をされるんですか?』

 『ええ、私、ポキが異変を感じたら、直ぐにコチママさんに、後足で地面を響かせるんですよ!』

 『トントン、トトトン、トントン、トトトン、トントトトンって。』

 『凄いお役目なんですね!その音を受けて、
姫ネズミのコチママさんが走るのね。
こんなにお小さい体で!』

 『ゆきちゃん、ご心配してくださってありがとうございます😭でもね、私は小さいからこそ、何処でもすり抜けられるし、木登りも大得意なんですよ!
だから、最短距離でお知らせに向かえるんですよ!』

 『そうだわ。お困りな事が起こった時やお話しになりたい時には、私が直ぐ駆けつけられるように、ぜひ、ポキママさん!ゆきにも、合図をお願い出来ませんか?』

 『もちろんです!ゆきちゃんには、こんな感じはいかがかしら?』

 『ドンドコドン、ドコドコドン、ドンドドドーン!』よ!

 あ〜すみちゃんお婆ちゃんとこっそり、糸電話ごっこしたのを思い出すわ。
ウルウル。おっと、しっかりゆき!

 『了解しました!ゆき隊員はお二方のお手伝い隊員としての任務も賜りました!
最後のドーンが良い感じね!ありがとうございます♪』
 
 『頼もしいわね!コチママさん!』ふふふふふ。

 
 あ〜今日も素敵な出会いがあったわ!
あ、今日で東西南北をお守りされていらっしゃる方々、全員とお目にかかれたのね〜

 春になって御殿にお邪魔する事が楽しみだわ。
ご夫妻にパトロール報告のし甲斐があるわ…
ふふふ。
春、春、春よ〜♪っと、チャトさ〜ん!
アハハ。おバカね〜ゆきは〜アハハ。
 



 





第13話/前編 ゆきちゃん、古墳の謎と北側、天の磐座の謎に迫る!

2023-06-24 16:47:00 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語
      【前編です】

 『ゆきちゃ〜ん!3日後の子の刻に古墳の祭祀をするのよ〜。ぜひ、ご一緒しましょ!
あ、それにね、花蓮も間に合うように帰ってくるのよ〜。ふふふふふ。』
えー楽しみ〜花蓮さんにいよいよお会いできるのね〜。
それにしてもみっちゃん、嬉しそうね^_^
私も嬉しいわ。みっちゃん!
それはそうと古墳の祭祀っていったいどんな事をするのかしら?
あーソワソワしちゃうわ。ドキドキ💓
ゆき!まずは爪を研いで、落ち着くのよ!
バリ、バリ、バリバリバリバリ…
『あら、ゆきちゃんどうなさったのかしら?
今日の爪研ぎは、激しいわね。ふふふ。

 あ、ゆきちゃん。祭祀の前に、北側に天の磐座(あめのいわくら)があるんだけど、その磐座に新しい標縄(しめなわ)を張って、参拝をしてから祭祀に向かうのよ。
ゆきちゃん!パトロールがてら、下見をされてはいかがかしら?』
あーあ、みっちゃんにはお見通しね。
でもね、私は何よりも早く、花蓮さんにお目にかかりたいと思っているのよ!ドキドキ💓
きっとお優しくて、お綺麗な方だと思うのよ!
ワクワク、ドキドキだわ。楽しすぎる〜。

 さあーてと、それではゆき!
今日は北側を中心にパトロールよ!
『お内周りパトロール隊員ゆき!ハイ!』っと 
 点呼  よ〜し!

 あらまあ、素晴らしい銀杏の大木ね〜素敵ね〜こんな銀杏並木の下をチャトさんと歩いてみたいわ〜
あー妄想が止まらないわー。

 とかなんとか、うっとりしながら銀杏の大木を見上げていたらね、『こんにちは〜。』って、ゆきの足元から声がしたのよ。
目を落として見るとね、とってもお小さい姫ネズミさんがいらしたのよ!
とーっても、お可愛らしいのよ〜。
ゆきはね、もうキュンキュンしちゃったのよ!
いやいや、しっかりして!ゆき!

 『こんにちは〜初めまして。私は宇壷家のパトロール隊員のゆきと申します。』
『はい、ゆきちゃんの事は存じ上げております!
お目にかかれて光栄です!ゆきちゃんはお噂通り、お綺麗なオーラを纏われておいでですね!
それに想像通りのお可愛らしいお方ですね!
ふふふ。私は姫ネズミのコチと申します。
今はこちらの銀杏の木の巣穴で子育て中なんですよ!どうぞよろしくお願いします!』

 まあなんてご丁寧なお方なのかしら。
それにとっても褒め上手でらっしゃるわ。
ゆきは、褒められて伸びるタイプなのよーアハハ。ゆき感激よー。
しかもコチママさんてね、とーってもチャーミングなのよ!
お小さくてね、まんまるお目々がツヤツヤで〜
あーあんまりお可愛らしすぎてね、ゆきね、食べちゃいたくなるわ〜イカンイカン、イカンよ〜ゆき!
これじゃ、猫本能まるだしよ〜💦💦💦
『あ、こ、こちらこそよろしくお願い致します。
コチママさん!』💦💦

『あ、そうそうゆきちゃん!もうじきママ友さんで、
野うさぎのポキママさんがいらっしゃるのよ!
ゆきちゃんにぜひ、ご紹介させていただきたいわ!』
『わあ〜うれしいです!コチママさん!ぜひ!』

 トントトトトトン…『あら何かしらこの音?』
『あ、いらしたみたいだわ。あ、この音はね、今から行くよ〜って、ポキママさんが後ろ足で地面を鳴らして、教えてくださるのよ!』
『コチママさーん、こんにちは〜。』
『はーい!ポキママさん、お待ちしていましたよ〜。』
『あら?もしかして、もしかしたら、ゆきちゃんでは?』
『そうよ〜、ポキママさん!こちらが、ゆきちゃんよ!』
『はい、ポキママさん!私がゆきです!
お会い出来て嬉しいです!よろしくお願い致します!』

北側にこんなに素敵な方々がお住まいとは〜。
もうゆき、ワクワク、ウキウキしちゃう!
それにね、お二方とも冬毛のフワフワコートを着てらして、とってもお可愛らしいのよ!
あまりにお可愛らし過ぎてね、
私ったらね、後ろから飛びかかりたくなりそうな衝動を抑えるのに必死だったのよー💦💦( ;  ; )

『あ、そうだわ。ゆきちゃん。近々、古墳で祭祀が執り行われるのよね?』
『そ、そ、そうなのよ!それで私、パトロールがてら、北にある磐座を拝見しに来たのよ!』と、動揺を隠しつつ…アハハ…
 
『ところでコチママさんとポキママさんは穴籠もりをなさらないのですか?』
『ええ、ポキママさんと私は、冬の間は子育てをしながら、穴籠もりをされていらっしゃる方々の代わりに、微力ながら宇壷庭を見守るお手伝いをさせていただいているんですよ。』
『そうだわコチママさん。今から私たちがゆきちゃんを磐座へご案内しましょうよ。』
『えーよろしいんですか?お子様たちは大丈夫ですか?』
『ええ、大丈夫ですよ。今はお昼寝中ですし、ご近所さんの椋鳥(ムクドリ)さんご夫妻が、見守りをしてくださっているんですよ!私たちママも少しは息抜きしませんと!ふふふ。』
『さあ、参りましょう!天の磐座へ。』

    
     【後半に続きます】








第12話 夢か幻か?ゆきちゃん、蛙の泉国へ行く!

2023-06-18 23:53:00 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語
 あ、雨が止んだみたいね。
お日様もお出ましになったわ。
でもまた雨降りになりそうだから、早めにパトロールしましょ!
 そうそうこの間ね、みっちゃんが私専用の出入り口を作ってくださったのよ。
そしたらね、みっちゃんたら『ゆきちゃん、パトロールご苦労様〜ふふふ』ですって。💦💦
私もね、感謝を込めてニャワーンと鳴いてみたのよ。 ありがとう、みっちゃん!
 
さあ、パトロール開始よ。
今日は南側の雑木林から始めましょ。

あら?何かしら?栗の木の枝と枝の間がピカピカ、ヒラヒラしているわ。近づいてみたらね、蜘蛛の巣が雨の雫を受けて光っていたのね。
そしたらね、『た、た、助けて〜』って蜘蛛の巣に引っかかってしまった、蛙さんがいらしたのよ。
もうビックリしたわ。
どーしよー。💦💦なんとかしなきゃ。💦
ゆきもねジタバタしているとね、突然、グルグルと8の字の風が吹いてきて、白銀色のフワフワ綿毛の箒🧹のようなものが飛んできてね、一瞬で蜘蛛の巣を払っていったのよ。

その後、ゆきの足元にね、ポトンと上から何かが落ちてきたの。見てみるとススキ🌾のフワフワ綿毛だったのよ。
ススキのフワフワが箒🧹に見えたのね。
ふふふ。

 何だか私、ボーっとしてたらね、私の頭の上から
『あのう〜』って、声が聞こえてきたのよ。
上目遣いで見てみるとね、蛙さんが私の頭の上に落ちて乗っかっていたのよ。
『あ、蛙さんお怪我はありませんか?』
『はい、お陰様で。あのう、もしやあなた様は猫頭の命を賜われた、ゆきちゃんではありませんか?』
『はい、私はこの宇壷家にお世話になっているゆきと申します』
『申し遅れました。
私はこちらの雑木林に住んでおります、蟾蜍(ヒキガエル)のまると申します。穴籠もりに向かう途中で、この蜘蛛の空き巣に引っかかってしまったんです。ゆきちゃん、本当に助かりました!ありがとうございます。』
『いえいえ、私は何もしてないのよ。ジタバタしてたらね、急に8の字の風が吹いてきて、ススキの箒が飛んできたのよ。』

何だか私ね、魔法使いにでもなった気がしてね、
まるちゃんには申し訳ないんだけど、少しワクワクしちゃつたわ。まるちゃん、ごめんなさーい😥
けしからん!ゆき!
 
あ、何故かしら?とっくりさんとえりまきさんご夫妻のことを思い出したわ。
そうだわ、まるちゃんも同じ穴籠もりのお仲間だし、春になったらご夫妻にご紹介したいわ。

『そうそう、まるちゃんが穴籠もりからお戻りになったら、同じ穴籠もりのお仲間で御殿にお住まいの
素敵なご夫妻をご紹介したいわ。
ぜひ、ご一緒しましょう!』
『はい、ぜひとも!
ゆきちゃん、このご恩は忘れません!
それでは行って参ります。』
『お気をつけて〜、行ってらっしゃ〜い』

今にも雨が降り出しそうだわ。
さあ、ゆきも急ぎましょ。

ヨシ!本日のパトロール終了。

雨も降り出したし、少しお昼寝しましょ。
フワー…ウトウト…ウトウト…
『ドン•ドン•ドン…』太鼓の音かしら?
ウトウトしてたら、声が響いてきてね、
『ゆき殿よ〜蛙の泉国へ御成り〜』

『ドン•ドン•ドン…御成り〜ドン•ドン•ドン…』
えっ、え、え〜、今ゆきはお昼寝中よね?
『ドン•ドン•ドン…』えー、襖?
それがね、素敵な草花が描かれた重厚な襖の前に突然、座らせられた感じなのよ。
そしてね、美しい着物を纏った蛙さんが襖を開けてくださったの。
そこには、素晴らしい後光を背負われた大きな蛙のお殿様が鎮座していらしたのよ。
その後ろには瀧が流れ落ちてて、それは見事なのよ。
あ、ここ室内よね?💦💦💦

あ、そうそうお殿様はね、とーってもお優しい瞳をされていて、雰囲気は燻し銀って感じでね、
すごーく素敵なのよ。

『ゆき殿よ。そなたに、礼を申し上げたく、蛙の泉国へお越しいただきました。
本日、穴籠もりへ向かう私の息子、まるをお助けいただき誠、感謝申し上げます。
水神様に仕える龍殿をお呼びくださるとは、ゆき殿、流石でございます。
まるは、地上界で修行をしながら宇壷家の庭を
土公神様とお守りするお役目なんです。
春から秋の穴籠もりまでを我ら蛙族が、冬越えの時節は土公神様がお守りする掟なのです。


ゆき殿の事は、精霊界では知らぬものはおりません!これからも宇壷庭とまるを宜しくお頼み申し上げます。』

『はい。恐縮です。畏まりました。』

『さあ、ゆき殿、細やかではございますが、ぜひお茶を一服。
このお茶は、ゆき殿を水の難からお守り致す力があります。私たち蛙族の秘儀と感謝が込められた一服です。どうかお召し上がりくだされ。』

『ありがたく頂戴いたします。』
あ〜なんて甘い芳醇な香りでしょう、それに後味もスッキリしていてね、
何だか、私自身が森になったみたいよ〜。
あー無性にヒメコさんがおしゃってた、ムーミンさんのお花畑に行きたくなってきたわ。

『美味しくいただきました〜』フウ〜

あ〜頭がグルグルしてきたわ〜

あ〜眠いよ〜
今のは夢よね〜でも不思議な夢ね。ふふふ。
2度寝したら今度はチャトさんの夢が見られるかしら。フワ〜






第11話 古墳が天地をつなぐ?ゆきちゃん、腰を抜かす!

2023-06-15 16:03:00 | 日記風、猫物語。ファンタジー猫物語、空想猫物語
 古墳↗︎♪こふーん↗︎♪っと、ふざけちゃいけないわね。
どの辺りかしら?古墳さーん!
美しく整頓された竹林ね〜。
小道を進んでみよっと。

 あ、ここはね、宇壷家の西側なんだけど、そこには、宇壷家のギャラリーとお茶室があるのよ。
ギャラリーは裏道に面しててガラス張りだから、私、チャトさん見たさに、ついついギャラリーの招きニャンコになる事、多しなのよ〜ふふふ。
朝と夕方はチャトさん、パトロールにいらっしゃるから、私専用のフカフカベッドで寝たふりしてね、
こっそり覗いてるのよ(//∇//)

 このギャラリーはね道を挟んで前が竹林で、眺めが爽やかなのよ。
それにね、みっちゃんの;お嬢さんの;花蓮さんの;フィアンセさんの;ヨハンさんがやってらっしゃるのよ!
 あーやっと言えたわ。
 あ、ヨハンさんはとてもステキな方でね、スェーデンと日本のハーフでらして、とても澄んだ瞳をしてらっしゃるのよ(#^.^#)
それにね、ゆきのことも大切にしてくださる、お優しい方なのよ。
 今からヨハン氏の自慢話よー
ヨハンさんはね、陶芸家で、庭師で、この竹林の竹で作る茶杓作家でね、お茶の世界では有名らしいわ。
それにね、日本文学の研究者でらして、大学でお茶の歴史なんかを教えていらっしゃるんですって!
とても多忙な方なのよ。
 ギャラリーにはヨハンさんの抹茶茶碗や茶杓を販売しててね、その奥は、古墳から出土された品が展示されているのよ。
 
あーまた横道にそれてしまったわ。
駄目ね〜だってね、ニャンコですもの。仕方ないわ!プン🙀あー独り言多いわね。

 さあ、いざ古墳!もう少し奥に進んでっと。
あ、あ、あー丸く盛り上がっているわ。
直径が15mくらいの小さな?丸〜い古墳よ!
 すご〜い!みっちゃんが言ってたんだけど、
なんでも今から1600年くらい前のお墓らしいのよ。
 この竹林をヒバカリ蛇のチョキお母さんやニッキちゃんたちがお守りしていると思うとね、
何だかゆき、胸が一杯になるわ😭
 
 え、え、あーあーあー、な、な、な、何かしら?
なんか、天から古墳の真ん中に向かって、光の束?光の柱が立っているわ〜
 腰が、腰に、あー腰に力が入らない〜、あ〜もう、ゆきのヘタレが〜!
ヘタレてる場合じゃないでしょ、
パトロール隊員ゆき!
 勇気を振り絞ってよーく見るのよ。

 あーなんかね、その光の束はね、とーっても淡くて、優しくて、何だか光に包まれてるみたいで、ほっこりとさえしてくるのよ! 凄いわ!
それにね、さらによく見ると光のツブツブが霧の集まりのように重なり合って、光の柱になっているわ。
 なんかすごいもの見ちゃったわー💦💦
どーしましょー💦💦💦あー爪研ぎしたいよー
( ;  ; )ヒィー
 
 狼狽えてる私の後ろから、パキッと音がして振り向いたらね、ヨハンさんがいらしてね、
『ゆきちゃんにもあの美しい柱が見えるんだね。
この柱はね、3本ある内の1本なんだよ。
他の2本はこの国のどこかにあるはずなんだよ。
宇壷家は代々、この柱をお守りしているんだよ。
天と地を結ぶ大切な柱で、この地が平らかで安らけく時が流れるようにと。その一端を担っているんだよ!』

 凄すぎて、ゆき、もうフラフラよー。
 
 あ、花蓮の話を少しいいかな?
あれ?ヨハンさんも私に普通に話しかけるわね?💦💦💦
彼女はね、気の流れや空気の澱みが分かるんだよ。
だからね、人々が出した不協和音の修正のために、世界を周ってハープを奏でているんだよ。
 
 あー何だか、私の想像のレベルを超えてるわ。今、現実よね??誰かゆきのほっぺ、引っ張ってくださらない?💦💦

 『ゆきちゃん、ゆっくりするといいよ。
この竹林はね、とても良い優しい気に包まれているからね。それに、竹と竹の隙間に差し込む光が美しいでしょ!』

 あら〜ほんとにステキだわ。
なんか、私ソワソワしてきたわ。
あー私、かぐや姫になった気分よ〜
あ、いけないわ。また気持ちが暴走しそうよー。
 そう言えば、たしか今夜は満月よ!
どーしましょ、天から牛車が降りてきてさ〜
ゆき姫様、お迎えに上がりました!
なーんて言われちゃったりなんか、しちゃつたりしてー。 どーする、ゆき? 
おっととと、いけないよ!っと。

 あ〜でもステキね〜と余韻に浸っているとね、
空からヒラヒラと竹の葉が降っきたのよ。

あら竹の葉っぱだわ。と、思ったと同時にね、とても芳しい香りがしてきてね、体の内側に響渡るようなとても澄んだ声が聞こえてきたの。

 『そなた、猫精霊界の頭(とう)としてこの地と宇壷家をまもりたまへー』
 
 ははあ〜畏まりました〜ってね、私もう無我夢中でそう申し上げたのよ。
 
 しかし恐るべし古墳よ〜ははあ〜∩^ω^∩
 恐るべし猫神様よ〜💦💦

 私も猫頭に選ばれたからには、私、ゆきは、清く、可愛く、健気にお役目を賜りまーす!