戦後79年になろうとしています。
海外戦没者約240万人、これまで収容された遺骨127万7000体。まだ100万体が帰還を果たせていない。
日本の国土である硫黄島で玉砕した2万人超のうち1万人の遺骨が今なお島内に残されている。
著者は北海道新聞社の記者。
念願が叶い硫黄島戦没者遺骨収拾団に加われる事になり社に16日間の休みを許可されたが、同僚の言葉に発奮する。
《本文より》
「お前のやっている事はしょせん骨だろ。いい年をした記者なんだから、取材の優先順位ぐらい分かって仕事しろよ。」今なお硫黄島や沖縄、海外の旧戦地で取り残されたままの戦没者遺骨は、しょせん骨なんかでは決してない。戦争が生み出すのは悲劇だけであり、その悲劇は代を超えるという後世に伝えるべき教訓そのものだ。
そう「悲劇は代を超える」今パレスチナで3万人もの人達が亡くなり悲しみや怨みの連鎖は未来永劫続く。
私には恨みの連鎖はないが、悲しみの連鎖は父から私に続いている。
私の父は男4人女3人7人兄妹の四男坊
上の兄2人戦死1人は病死している。
四男坊の父が家を継ぐ事になった心境、兄達を亡くした無念は計り知れない。
私も叔父さん達と会いたかった。その思いは今も待ち続けている、遺骨は無い。
米軍は、自軍兵士に対して「KEEP THE PROMISE」(約束は守る)と伝えている。戦死したとしても家族や恋人の元に必ず帰す、だから国のために戦ってくれと。
しかし硫黄島には行方不明のままの米軍兵士もいる。