著者 山野井 泰史 2004年4月刊60度の壁はほぼ垂直に見えるらしい、その壁の標高差が1000mもあれば尚更なんだろう。1000mの壁にとりついて登攀するのに何日も要する。一日で100mの時も、壁に打ち込まれたハーケンかスクリューにロープを掛け小さな窪みに腰をおろし眠る事も。壁から見る山々は若い頃、剱岳の岩場にある梯子や鎖に掴まっている時ここから落ちたらと思うと怖かった。梯子や鎖場ではない所でも足を滑らしケガでもしたらどうやって帰ればいいのかといつも頭をよぎった。