けさの「暴れん坊将軍」は、吉宗vs公家の構図かと思ったが、そう単純でもなかった。京から元左大臣の七条公保(斉藤洋介)が突然江戸に来る。そして、吉宗に要求したのはカネの無心。宮中は資金不足だからカネを都合してくれというのだ。しかし、これは表向きのもの。吉宗もすぐに見抜く。
そのころ、江戸の街では両替商などの大店で爆発事件が連続して起きており、一度に老若男女7人とか5人とかが死んでいた。町の同心・小畑三之助(近藤洋介)は犯人が、公家が江戸に来た時に宿泊する伝奉屋敷に逃げ込むのを見て、公家が絡んでいると察して追うが、いかんせん、町奉行であっても踏み込めないエリアだけにヤキモキして外から捜査していると、それに気付いた北条の一味に狙われる。ここは吉宗が登場し、一掃する。爆破は明らかに七条の仕掛けたものだった。それから、二人は一緒に事件を追う。
(中央は小畑の娘の婚約者・新作)
ここからが裏の話になるが、公家の七条は太政大臣の職位争いに敗れたことに納得できず、起死回生のために、吉宗の天敵である尾張大納言・宗春(中尾彬・今回は出演なし)と組んで、江戸を滅茶苦茶にして吉宗を失脚させて宗春を将軍にするとともに、自分も太政大臣の座を得ようという野望を持ってのことだった。火薬の原料は尾張の商人から届けられていた。
そんな素人臭い悪者など敵ではない吉宗は、何の苦も無く成敗した。七条は「病死」と処理されたという。
そして、小畑は引退し、後継同心に娘の千佳(菊池陽子)と婚約していた部下の新作(森一)をあてた。
序盤には罪のない庶民がたくさん死んだが、後半にありがちな、いい者(今回で言うなら小畑)が殺されなくてよかった。