科学絵本

国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータたちが楽しい科学絵本を企画&ご紹介します!

はからはじまるカルシウムのはなし

2021-06-03 16:35:10 | 本のご紹介

こんにちは、AYAです。

突然ですが、皆さんの周りで最近歯の抜けた(抜いた)方はいらっしゃいますか??
その「歯」はどうされたでしょうか?
捨てました?子どもの歯なら大切に保管??縁の下に投げ込んだでしょうか??

この絵本では、抜けた歯を土に埋めて埋葬するところから始まります。
やがて埋められた歯は土になり。。。

ここからの主役は、歯の成分であるカルシウムです
土の中にいるカルシウムがコマツナに吸い込まれ、カタツムリに食べられて…と、どんどん移動して色々なものの一部になっていきます。そして、絵本の最後には。。。

あとがきには、カルシウムの本当のはじまりは、地球の誕生よりずっと前、宇宙が生まれ、星が誕生と爆発を繰り返した頃とあります。この絵本の中のカルシウムの話が、実は100億年以上も前に始まっていて今もずっと続いていることだと思うと、自分の歯も壮大な宇宙の歴史の中の一部なのかもしれないという不思議な感覚です。

地球の生き物や自然は、地球の(宇宙の)物質でずっと繋がっている。。。そんなことを感じられる一冊です。

子どもにとっては、自分の体の一部がさらに小さな物質でできている…ということに初めて気がつくきっかけにもなるかもしれないですね。

 

はからはじまるカルシウムのはなし
作 伊沢尚子
絵 ダイスケ・ホンゴリアン
福音館書店 2021年2月
対象 歯が抜け変わる頃〜

 

【関連イベントのご紹介】
このブログを運営する科博SCA科学絵本分科会メンバーも参加するサイエンスカフェWEcafeで、作者の伊沢尚子さんをゲストに招いたオンライントークイベントを開催されます!
またとない機会なので、ご興味のある方はぜひご参加ください♪

詳細はWEcafeブログへ

トークイベントWEcafe vol.82「主役はなんとカルシウム!科学絵本ができるまで」
開催日時 2021626日(土)21:00-22:30 on Zoom (15分前開場)
ゲスト  サイエンスライター伊沢尚子さん

主な著作:
「バナナのはなし」(福音館書店)

「小さな小さなウイルスの大きなはなし」(くもん出版)

「はからはじまるカルシウムのはなし」(福音館書店) 

 


カエサルくんとカレンダー 2月はどうしてみじかいの?

2021-04-27 20:10:35 | 本のご紹介

こんにちは☆AYAです。

今回は、出版社のWebページでは「読んであげるなら5・6歳から」となっている絵本をご紹介します。

正直に言えば、この絵本の第一印象としては、5、6歳には難しそう…でした。

まず、重要な登場人物のカエサルくん。普通の絵本に出てくるキャラクターとは一線を画します。

古代ローマの偉人、ガイウス・ユリウス・カエサル(賽は投げられたの台詞が有名)を知る6歳はなかなかいないのではないでしょうか。小さなおじさんの姿で登場します。

そして、カエサルくんがカレンダーがどうしてできたのか教えてくれるのですが、いきなり地球の自転、天動説・地動説の説明から入ります。

これには、私も驚きました。6歳の子どもに読み聞かせましたが、果たしてどこまでを理解できたのか???

そこから、さらに月と太陰暦、地球の公転と話が続き、太陽暦と現在のカレンダーが出来上がるまでの説明が続きます。
小学生になったかならないかくらいの主人公ゆうかちゃんに丁寧に説明するカエサルくん(古代ローマ服の小さなおじさん)。
ゆうかちゃんは飽きることなく、むしろ聞き入ります。

最後に、カエサルくんの話をじっくり聞いたゆうかちゃんはカレンダーを広げて、「カレンダーって面白いなぁ・・・・・・」とつぶやきます。

まさにこのゆうかちゃんの感想が子どもにも届くようです。6歳で初めてこの本に出会った子は、それから数年、何度もこの本を手に取っています。学年が上がるにつれ、カエサルくんの説明も少しずつ理解が深まっている様子。

それで、大人から見て子どもには難しいかもしれない...という感想は改まりました。

カレンダーの使い方がおおよそ理解出来るようになった頃から、暦の不思議な魅力は感じられるんですね。そして、地球の自転・公転や太陽暦などすぐには理解できなくても地球の秘密を知りたいという気持ちは温められながら、少しずつ育っていくみたいです。

子どもが成長とともに着眼点を変えながら楽しめる絵本って良いなぁと思う1冊です。

 

 

カエサルくんとカレンダー 2月はどうしてみじかいの?

いけがみしゅんいち 文 / せきぐちよしみ 絵

福音館書店 2012年1月

対象:カレンダーと絵本が好きになってきた頃〜

 


みんなあかちゃんだった

2021-04-23 15:30:45 | 本のご紹介

更新が滞っておりました、、、AYAです。

読み聞かせをしていて発見があった絵本をご紹介します。

小峰書店ウェブページより

あかちゃんが可愛くて可愛くて、見ていると心が温かくなる絵本「みんなあかちゃんだった」。

大人の目線では、とにかく子どもが愛おしくなる絵本なのですが、子どもの目線で見るとまた違うようなんです。

小峰書店ウェブページより

ページいっぱいに月齢ごとの赤ちゃんの様子を紹介。とにかくかわいい〜

子どもが自分が成長していく様子を、あかちゃんの日常生活のワンシーンから感じ取れます。

大きくなるのにも段階があって、できることが少しづつ増えていく。体の発達、言葉の発達がどのように進んでいくのか分かります

これを子供目線で見ると、自分も今のようにおにいさん、おねえさんと呼ばれるべき段階に少しずつ成長してきたことを理解し、これから先も大人(またはもっと大きなおにいさん、おねえさん)へ向けて成長していくことを感じられるようです。

そして、鈴木まもるさんの子どもへの愛情にあふれた絵から、自分もそうやって愛しまれて育ってきたことを感じられる

身近にあかちゃんがいる子どもはそんなに多くありません。ましてコロナ禍の今、親戚や知人のあかちゃんに会う機会も減っています。

本棚に入れておきたい1冊です

 

みんなあかちゃんだった(鈴木まもる親子の絵本)

鈴木まもる 作

小峰書店 2000年5月

対象:自分があかちゃんだった頃に関心を持った子ども〜あかちゃんを見てほっこりしたい方

 

 

 

 

 

 


にんじんのにんにん

2019-03-31 18:20:34 | 本のご紹介

こんにちは☆

楽しい絵本に出会ったので、ご紹介いたします!

簡単に言うと、ニンジンが成長していく様子が描かれた絵本です

1本のニンジン忍者が忍法を「にん!」と使えば、ぐん!と大きく育ちます。

こうして大きく育ったニンジン忍者は、忍法で花を咲かし、種を飛ばします。

普段、食卓では良く目にするニンジンですが、畑での成長の様子はあまり知られていないのではないでしょうか。

字が少なく、小さなお子様でも楽しめます

なのに!たくさんのニンジンの秘密を知ったような気持ちになっているんです。

迫力ある絵でとにかく楽しくて、驚きのある絵本です

ぜひぜひ手に取ってみてください

 

『にんじんのにんにん』
ふるやかおる/作
アリス館
2015年9月
3,4歳ごろ~

 


みずとはなんじゃ?

2018-12-28 21:03:23 | 本のご紹介

こんにちは。おひさしぶりです。AYAです。

かこさとしさんの最後の絵本として出版された絵本が発売されました。

この絵を見て、あれ?と思われた方は、ズバリ絵本好きですね!

そうなんです、実はこの絵本は、
せんろはつづく』『生きものたちのつくる巣109』などの絵本で
おなじみの鈴木まもるさんが絵を担当されています。
病床のかこさとしさんからの依頼を受け、お二人で下絵を元に何度も打ち合わせを繰り返し、この絵本が完成したそうです。

水のことが良く分かる、そして、あって当たり前の『みず』のことが愛おしく感じられるようになる1冊です。

初回特典としては、かこさとし先生の下絵、制作過程などを紹介する特製冊子が付いてきます
かこさとしさんはもちろん、鈴木まもるさんの絵本が大好きな私としては永久保存版です
(そういえば、鈴木まもる先生の絵本はたくさん持っているのにまだご紹介していませんでした。好きな本が多くて迷いますが、後日必ず
お求めの方はお早めに!

 

『みずとはなんじゃ?』
小峰書店
2018年12月
かこさとし 作
鈴木まもる 絵
4歳くらい~小学校低学年向け