福井県で急がれている人材確保

福井県民として医療業界に望むことを書いていきます(不定期更新)

人材不足により引き起こされる問題

2021-01-04 09:38:42 | 日記
医療業界で働く看護師の人材不足は、年々深刻化しています。
看護師は男性よりも女性の割合が高い仕事で、結婚や出産を機に離職する人が多いことに加え、近年の少子高齢化によって、医療の需要が急増していることも関係しています。
また、仕事の忙しさを理由に離職してしまうケースも少なくないようです。
もちろん、看護配置基準を十分に満たし、忙しさとは無縁の現場もありますが、多くの医療機関では人材が足りておらず、福井県も例外ではありません。

しかし、人材不足が顕著になると、看護の質が低下してしまいます。
供給と需要のバランスが保てなくなると、少しでも早く患者のケアを済ませるためには、機械的な作業をせざるを得ません。
そのため、理想と現実との間に生じるギャップに悩む看護師も出てきてしまいます。
また、「十分な休みが取れない」「ほぼ毎日残業がある」などの問題も起きやすくなるでしょう。
そうなると、心身が十分に休まらず、仕事に身が入らなくなるため、医療ミスやトラブルにつながる危険性があります。
さらに、看護師が離職や転職をしようとしても、引き止めにあう可能性が高まり、医療現場では不満ばかりが出てくるようになります。

したがって、このような状況を回避するためには、看護業界全体で潜在看護師の復職を促すほか、結婚や出産をしても働きやすい職場環境を整えたりすることが大切です。
また、看護師の方も、就職や転職をする際には、事前に職場見学をさせてもらって、ライフスタイルが変化しても長く務められる医療機関を選ぶことがポイントになります。

災害をきっかけに

2014-04-18 14:53:46 | 日記
福井県は、県全体で見れば、約300人の看護師不足であるという指摘があります。

しかし、人口10万人あたりの看護師の比率は全国平均からすれば高い傾向にあり、関西地域の他府県と比べても看護師の数は質も含めて充実していると言えます。

しかしながら過日の東日本大震災をきっかけに、災害時の緊急医療の重要性が叫ばれるようになりました。

こうした中で、将来的な看護や介護の需要の増大も視野に入れた抜本的な解決が求められています。
福井県の場合、気になるのは新人の看護師の離職率が比較的高いということ。せっかく看護師の資格を取得した人材が早い段階で職場を去ってしまっていては、今後の団塊世代の後期高齢化にともなう看護および介護の需要増大に向けて心もとない状態であると言わざるをえません。

また、全国的には看護師の数は多い方であるとは言っても、現実に3桁もの看護師不足であるという厳然とした事実がある以上、この状況を手をこまねいているわけにはいかないでしょう。

そこで今注目されているのが、潜在看護師の存在。
福井県では看護師の資格を有していながら、現在は看護師として働いていない潜在看護師の数が4,000人以上という状況になっています。行政の視点で言えば、このうちの1/4ほどの人が現場に復帰してくれれば、福井県の看護師不足の解決には十分な人数になります。
そうしたことから看護協会や各病院は、こうしたキャリアを持った潜在看護師が現場へ復帰できるような様々な対策を講じているのですが、あまりうまく行っていないのが現状です。

こうした対策において一番重要なのは、看護協会や各病院が個別で対策をするのではなく、それらが連携して効果的な対策をすることです。
特に、看護協会のナースセンターでは、復職を目指す潜在看護師のための研修や実習を行っていますが、ナースセンターだけでは施設の絶対数が不足しているのです。
これを解決するには、病院や看護学校でも復職のためのプログラムを策定し、看護協会と連携してカリキュラムを作ることがもっとも効果的でしょう。
また、新人看護師の離職率を低くするための対策も必要です。新しい人材を優秀な人材に育て上げれば、緊急医療や、在宅看護といった地方ならではのニーズにも対応することができます。
福井県での就業を望むのであれば、こうした地域のニーズについても考えた上で、自らのライフプランやキャリアプランと照らし合わせて考えることが重要になるでしょう。


潜在看護師の復職葛藤記

には、潜在看護師の抱える不安解消に役立ちそうな情報がいっぱいあります。