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先日、『放課後少年』のエンディングを迎えました。ということで、クリア後のセカンドインプレッションを。
●「現実」というものの強さ
これは『ぼくのなつやすみ』シリーズにも言えることだと思いますが、「現実で存在した世界」というのは、空想世界よりも遥かに感情移入しやすいものです。ましてやそれが、今ではなかなか見ることのなくなった過去の世界であればなおさらです。明治とかあまり過去に戻り過ぎるのも、想像がつかなすぎて訳分かりませんが(笑)
今作はそんな「過去」という現実をうまく表現し、見事に雰囲気作りができたと思います。もっとも、私は昭和59年生まれなので昭和50年代の雰囲気がどこまで正しく再現されているかは分かりませんが、まあそんなに厳密に考えなくてもいいでしょう。ゲームですから。
他にも、引越しまで残り10日になるとマップでの曲がせつないものに変わったり、友達や家族の台詞もほぼ毎日違う台詞が聞けたり(夕食は後半わりと同じ台詞でしたが)とか、細かいこだわりが効いてますね。私が『MOTHER3』や『フラジール ~さよなら月の廃墟~』などのせつない系が好きだったりするのもあるわけですが。
●エンディングはホロリと…きかけたんですけど
転校でお別れというだけでエンディングはもう号泣してくださいと言わんばかりのシチュエーションですよね。事実、私もちょっとグッときちゃったわけなんですが、ただ、今一歩のところでホロリとこなかったんですよね。
こう…何ていうんでしょうか?「感動する間もなく次へ進んでいる」と言いますか…、ホロリときかけてたところですかさずスタッフロールへ移っちゃった感とかがあり、ちょっともったいなかったかも。もしかしたらグッドエンディングではないからかもしれないんですが、それでももう少し余韻を残して欲しかったかもしれません。せっかくのエンディングなんですから、ウザイと思われるくらい長いほうがいいもんですよ。こういうゲームは。
●「めんこ」や「スー消し」は、わりと中毒性あり
昔懐かしい遊び。スー消しは知りませんでしたが、めんこは私の世代でも知っています。まあ、私の学生当時にはすでにあまり流行っていなかったので遊んだことはないですが。
そんな私でも勝てますし、めんこなどの雰囲気は充分に味わえます。めんこってこういう策略もありなのね、とか分かりだすと、わりと単純で奥の深いものなんだな~と思ったり。
しかし、そこそこ中毒性のあるミニゲームだっただけに、2人対戦(しかも交代で進めるのでDS1台で対戦可能とか)がないのがもったいなかったですね。まあ、対戦だったらリアルにスー消しやめんこを用意したほうが安いし早いと言われたらそれまでですが(笑)
●「かつて小~中学生だった」ほとんどの人にオススメできる良作
いくつか気にならなくもない点はありますが、世界観の雰囲気も良好、ミニゲームも地味に面白かったりで、チクチク遊んでチクチクはまっていけるソフトです。それこそ『ルーンファクトリー2』などの牧場物語シリーズのようなまったり楽しむゲームがお好きな人なら絶対楽しめます。あ、でもどちらかというと男性向けですが。(主人公や、主な友達が男の子なので)
あと、まあ以前にも言いましたが「昭和50年代の小学生時代」が舞台なので、たぶん現役小~中学生が遊んでも、その懐かしさとかがいまいちピンと来ないかもしれません。基本的には「かつて小~中学生だった」人向けです。
同日に『大乱闘スマッシュブラザーズX』などであまり目立たなかった作品ですが、紛れもなく良作です。オススメします。
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