アメリカ人小説家スティーブン・キング氏が原作のサイコホラー小説に『ミザリー』という小説があります。映画化もされ主演のキャシー・ベイツさんがアカデミー主演女優賞を獲得した事でも有名です。その『ミザリー』という物語の記憶を、今年とあるニュース記事を読んだ時にふと思い出しました。
ニュース記事というのは、2024年1月末にニュースとして取り上げられた、四国天台宗にあるお寺での「性被害」に関する記事です。詳しく知りたい方はは、ニュース記事(https://www.asahi.com/sp/articles/ASS105CY4S10UTIL00W.html)でご確認頂きたいのですが、記事の中で女性の方は、性暴力や恫喝などの被害を受けた事を記者に対して語っています。被害の程度とか宗派の宗旨などとの関連までは記事からは読み取れませんが、勇気を持って告訴された女性が受け入れられないような状況に身を置かれていたという事は明らかに思われます。
さて、冒頭のスティーブンキング氏の小説の『ミザリー』ですが、英語で書かれたWikipediaの解説には、小説に登場する二人の主役PaulとAnnieの関係性について説明が書かれているのですが、この物語は交通事故で大怪我をしたPaulを救う側にあったAnnieが、いつの間にかprisonerとcaptorの関係(囚人・捕獲者の関係)になってしまっていたという事が、"Paul realizes that he is a prisoner and is forced to indulge his captor's whims."という一文で表現されています。一般的な感覚で考えれば、命の恩人とまでは言わないまでにしろ、もしかしたら大恩人とその憧れの作家という二人の関係を保てたはずだと思われるのですが、そうならないのがサイコホラースリラーといわれる所以なのでしょう。
尚、別の映画になってしまいますが、囚人と看守をテーマに扱ったドイツ映画に『es[エス]』という映画があります。この映画は実際にあった大学での監獄実験をもとにした映画と言われていますが、映画の区分分けを見ると、やはりサイコスリラー映画とかホラー/アクションとかに分類されているようです。