風を泳ぐ

■詩詠-ウタヨミ-
■SwimTheWindWithPacificaSpirit
【By s/yumic.】

「梅の風景」

2007-01-31 | 呟き。
早い。
ご近所を自転車で走っていた時だったので、
撮影はできず、画像UPは出来ないけれど、
白梅が、もう咲いていた。
暖冬を実感。
もう1-2週間遅いはずだから。

風の中の、静かな寒さの棘も、今年は柔らかい。
明日から冷え込むそうだけれど。

これなら、今年は、オリヅルランの地上部が消えずにすむかもしれないな。



今年の最初の月、睦月が、もう駆け抜けていく。

(C)s/yumic. From 2005

「ひとり」

2007-01-28 | 詩詠-ウタヨミ-
この本と
このノオトと
この鉛筆を持ち

鞄はこれにして

この道を往く

誰か居てくれ
そう思いながら
誰も居ないことを
思い知る涙を拭くこともせず

(C)s/yumic. From 2005

「弔い」

2007-01-23 | 詩詠-ウタヨミ-
今、どの辺におんなる?

娘も息子も
孫も
曾孫も来なったで。
「ええ顔しとんなるわな」
「大往生だぁえ」
「ええぎゃぁしてもらいなったわなぁ」
そう言ってくんなっとるしなぁあ。
隣組も
がしゃーこと頑張ってくんなったぁで。

ばぁちゃんがぁ
「呆け」とんなるでぇ
ようわからんで
おんなるわなぁて
言いなったけど
うちはなぁあ
ばぁちゃん
分かんなっただらぁと思うだぁな。

「ばぁちゃん、こんなきゃー、
御花入れたげてえね。
三途の川、渡んなるで、お見送り
したげんなんだわな。」
説明したげたら
「そうか……」
そう言いなって、
ばあちゃん、
じいちゃんの顔、
じいっと見なって、
ぽろっと涙こぼしとんなったもん。

今頃、どの辺まで、
往きなっただらあなぁあ。

西方浄土まで
ゆっくり往きなっとるだらあか。

こうして
手を合わせるしかない。
しゃーれへんけど。

ほんまに
ええ顔しとんなった。
うちも
そう思ったぁで。
じいちゃん。
しばらく、ばあちゃん、
守ったげてぇよ?
なぁあ?

(C)s/yumic. From 2005

HULA と PACIFICに揺れて。

2007-01-16 | -音楽-SwimThisSound
そんなに、稼ぎもないのに、多趣味が災いして(吉と出る方が多いのですが)、
DVDを購入しました。
海。この惑星(ホシ)を繋ぐ波を感じたくて。

敬愛して止まないアーティスト、Sandii/Manumeleからの作品。

Sandii's Melehula Love2 Pacific

しばし、ヘヴィローテーションになることでしょう……。

DVD情報はココでどうぞ。

「ある別れ」

2007-01-13 | 詩詠-ウタヨミ-
彼女がわたしに呟いた
わたしは聞いていた
ただ
聞いていた
―――
「あの人の心をね
きっと
わたしは
粉々に砕いた

途方に暮れているかも
しれない
あの人

何も言わずに消えたのは
あの人の中のわたしが
あまりにも美しかったから

わたしは
善人でも
美しい者でもないから

黙って
消えるしかなかった
伝わることのない
謝罪と別離の言葉を刻むしかない
そんな愚かな者なのよね。
……
ごめんなさい。さようなら。」

そう言った
彼女の目に
涙はなかった
彼女の中にあるものは
彼の人が居なくても成り立つ世界への
意思だった―――

(C)s/yumic. From 2005


「対話」

2007-01-10 | 風詠-カゼヨミ:TB-
何があなたをそんなに苛んでいるのだろうね

しばし無言の後
問われた相手が答える

怒り、いえ、もっと
憤怒といってもよいほどのものが
感じられてしまうからでしょうね

問うた相手は腕を組む

憤怒か……
それが腹の中にあるのなら
世界は苦しいだろうに
辛いだろうに
そんな瞳をたたえて言う

問われた相手は考え考え話す

何処を見渡しても
みな壊れているではないですか
だから
一所懸命になっているのでしょう?
取り繕いに

規則など作れば
破るのが落ち
破られて血が流れているような
心地ですとも

問うた相手は
じっと言葉を反芻するように
書き記しているようだ
問いの答えを

誰かが扉を叩いている
問う人は
問われる人に
席を開けるよう促す

問われる人は
答えがこれきりではないことに
苛立ちながら
そこかしこにある
人間の愚かさを
陽の作る影に閉じ込め
火を放ったのだった

ああ
しかし
影が燃えるはずもなく!

その炎を扱いかねて
問う人の何かを信じようと
信じるしかないと思う

問うた人は
次の問いを次の人の中から
掬う
そして言葉にし
問うのだった

延々と
延々と

(C)s/yumic. From 2005

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かねてよりTBさせていただこうと思っていた
la photographie monochrome

身近なモノクロ風景161 -Familiar monochrome scenery161
hiro*さんの作品への
風詠-カゼヨミ-。
但し、昨今TBは非常に記事と無関係なものが多いので、
こういう形での発信にさせていただきました。

「真心」

2007-01-06 | 詩詠-ウタヨミ-
人はいつも
思いがけない真心に
救われる

己の真心に届くものに

涙が溢れるような風景は
損得勘定の匂いのしない
必然の呼び寄せる偶然

その人が歩んできた道を
少し遡れば分かる

わたしも真心に救われ
己の真心に気づき
ひび割れた場所を
そっと塞ぐことが
自分にも出来ることを
覚えたよ
……

(C)s/yumic. From 2005

「狂気」

2007-01-04 | 詩詠-ウタヨミ-
ええ
わたしは
壊れてしまっている

けれど
わたしの全てを
コンピューターに
計算させてみて

それから
あの人のことも全て
コンピューターに
計算させてみたら

狂気の率は
きっと
あなたのほうが高い


(C)s/yumic. From 2005