先日の、広島南アルプスで痙攣かと思っていたら、翌々日小走りに走った時、全く同じところがピキッ!と痛んだ。
おかげで、あれは痙攣ではなくて、軽い肉離れだということに気が付いた。
おまけに、ここ一か月くらい、右腕の肘辺りが痛むのが、だんだん強くなってきた。どうやら古傷の腱鞘炎らしく、しばらく山はお休みとなった。
さて先日、白木山の避難小屋で食事をしながら、常連のHさんのお話を聞いていると、登山口にある看板のことで怒っていた。
『「白木山ハイキングコース」と書いてあるんだよ、あれは「登山コース」だろう。』
どうやら、『「ハイキングコース」と書いてあるので、軽装備の初心者がたくさん登ってくるのだ』という意味のようだった。
確かに、標高差800mもある白木山は、ハードなコースだ。「ハイキングコース」はちょっと?という気がしたが、そういえば「ハイキング」って何だ?と疑問がわいてきた。
考えてみると、「ピクニック」「ハイキング」「トレッキング」と「登山」って、どう違うの?
で、調べてみると、
「ピクニック」は、森や野原、浜辺などアウトドアで食事をすること、とある。イメージ的には、花見の宴会や、小学校の遠足か。
「ハイキング」は、もともと「hike」に「徒歩旅行」という意味がある。ハイクとは、田舎や郊外を長く歩くこと、のようだ。
ハイキングは「小高い丘、丘陵、山などを徒歩で歩き、楽しむこと」となる。
「トレッキング」は、「長く苦しい旅」という意味がある。
イメージ的には、芭蕉の奥の細道や、西行法師が勧進僧として、京から奥州藤原まで往復したことなど、あるいは徒歩での、四国八十八か所めぐりに近い。これらは、結構山道も歩くが、ピークハントが目的ではない。
「トレイル」という言葉がある。(ちなみに、広島では「湾岸トレイル」全長289kmが整備された。)
英語で自然道のこと。環境省は「森林や里山、海岸、集落などを通る歩くための道」(朝日新聞掲載「キーワード」より。)
トレッキングとは、そういうトレイル(自然道)を歩き通すことだろう。
以上、いずれも多少の山登りは含まれるが、我々が普段使う「登山」という言葉とは、幾分ニュアンスが異なってくる。
では「登山」を英語ではなんというか。直訳すると「mountain claiming」となる。この言葉からは険しい山岳地帯を登攀する風景が目に浮かぶ。ザイルやハーケン、アイゼンやピッケルが目に浮かんでくる。
イメージ的には、冬の北アルプス、富士登山などが出てくるので、ちょっと重たすぎる。
あるいは、その昔、山伏が駆け巡った全長80㎞の、険しい大峯奥駆道などは、この範疇に入るかもしれない。
では、我々が普段歩いているのはどれになるのだろうか?
色々調べていたら、mountain walking(山歩き)という言葉が出てきた。うん、これが里山にはぴったりだ(笑)。
ただ、山によっては、あるいは登る人のレベルによっては、また昇るコースによっては、同じ山でもハイキングコースになったり、ピクニックコースに、あるいはトレッキングコースになったりする。
例えば、広島の雲月山(911.8m)。山というよりはほとんど丘陵。登山口から標高差僅か80m。気持ちの良いハイキングコースだ。
あるいは道後山(1268.9m)。これも丘陵に近く、登山口から標高差180m。意外とアルパインムードも味わえる、ハイキングコース。
天狗石山(1191.8m)、キナイ原から登れば、標高差わずか70m。このコースなどは、ほとんどピクニックコースになる。
ひるがえって白木山はどうか?どちらでもよい様な気がする。
毎日短時間で登る人にとっては、ほとんどピクニックコースだろう。
山歩きを始めたばかりの人にとっては、手ごわい山岳コースになる。
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