まだまだ続く韓流ブーム。
盛り上がってるのは、女性だけのような気がするが。
先日来日した、ヨン様。
あらゆる女性誌で特集された。
そんな最中、ある女性誌の編集部に読者から1本の電話が入った。
病気の子供に、ヨン様を会わせて欲しい。
詳しく話を聞く前に電話は切れたようだ。
そんな記事を見た。
恐らく、真実はこうだろう。
6歳にして、大病を患った少女、花子。
生まれた時から体も弱く、
医者にかかりきりだった。
6歳になって、初の吐血を体験した花子。
医者にガンを宣告された。
ベッドから降りる事もほとんどなく、
抗がん剤の服用により、
体力はどんどん無くなっていった。
幼い少女の楽しみは、
母が用意した、冬のソナタをはじめとする、
韓流ドラマだけだった。
ある日のこと、
花子は消え入りそうな声でこう言った。
「ママ、私死ぬ前にヨン様に会ってみたい。」
その言葉を聞いて、
母は病室を飛び出し、廊下で声を殺して泣いた。
たった6歳。そう、たった6歳の娘から、
「死」という言葉を聞くのは、
耐えられない苦痛なのだ。
マスカラが涙で流れ、目の周りを真っ黒にしながら、
病院の待合室に向かい、
1冊の週刊誌を手にした。
今の彼女にできる事、
それは…
公衆電話に硬貨を投入し、
週刊誌に書かれた番号をダイヤルする手は、小刻みに震えていた。
「病気の…ガンと闘ううちの子供に一目、ヨン様を会わせて下さい。」
頭では理解していた。
無駄だという事も。
しかし、やらずにはいられなかった。
電話の向こうから、編集部の人間が何か言っているが、
彼女の耳には届かない。
そのとき、後ろから手が伸び、電話を切った。
「何をするの!!!…あ、あなたは!?」
花子は窓の外を見ていた。
「あの葉っぱが落ちれば、私はきっと…」
「花子!!」
病室のドアが乱暴に開けた母のほうに、
花子は顔をむけた。
母の後ろに誰か立っている。
視力が弱いのか、眼鏡をかけている。
季節外れのマフラーが、なんともいえない違和感をかもし出す。
「ハナコサン、コンニチワ。」
花子は幼いその目に、微笑みの貴公子を見た。
それから数日後、
学校への通学路を元気に歩く花子の姿があった。
彼女のランドセルには、1つのキーホルダーが、にっこり微笑んでいた。
こんな感じ。きっと。
盛り上がってるのは、女性だけのような気がするが。
先日来日した、ヨン様。
あらゆる女性誌で特集された。
そんな最中、ある女性誌の編集部に読者から1本の電話が入った。
病気の子供に、ヨン様を会わせて欲しい。
詳しく話を聞く前に電話は切れたようだ。
そんな記事を見た。
恐らく、真実はこうだろう。
6歳にして、大病を患った少女、花子。
生まれた時から体も弱く、
医者にかかりきりだった。
6歳になって、初の吐血を体験した花子。
医者にガンを宣告された。
ベッドから降りる事もほとんどなく、
抗がん剤の服用により、
体力はどんどん無くなっていった。
幼い少女の楽しみは、
母が用意した、冬のソナタをはじめとする、
韓流ドラマだけだった。
ある日のこと、
花子は消え入りそうな声でこう言った。
「ママ、私死ぬ前にヨン様に会ってみたい。」
その言葉を聞いて、
母は病室を飛び出し、廊下で声を殺して泣いた。
たった6歳。そう、たった6歳の娘から、
「死」という言葉を聞くのは、
耐えられない苦痛なのだ。
マスカラが涙で流れ、目の周りを真っ黒にしながら、
病院の待合室に向かい、
1冊の週刊誌を手にした。
今の彼女にできる事、
それは…
公衆電話に硬貨を投入し、
週刊誌に書かれた番号をダイヤルする手は、小刻みに震えていた。
「病気の…ガンと闘ううちの子供に一目、ヨン様を会わせて下さい。」
頭では理解していた。
無駄だという事も。
しかし、やらずにはいられなかった。
電話の向こうから、編集部の人間が何か言っているが、
彼女の耳には届かない。
そのとき、後ろから手が伸び、電話を切った。
「何をするの!!!…あ、あなたは!?」
花子は窓の外を見ていた。
「あの葉っぱが落ちれば、私はきっと…」
「花子!!」
病室のドアが乱暴に開けた母のほうに、
花子は顔をむけた。
母の後ろに誰か立っている。
視力が弱いのか、眼鏡をかけている。
季節外れのマフラーが、なんともいえない違和感をかもし出す。
「ハナコサン、コンニチワ。」
花子は幼いその目に、微笑みの貴公子を見た。
それから数日後、
学校への通学路を元気に歩く花子の姿があった。
彼女のランドセルには、1つのキーホルダーが、にっこり微笑んでいた。
こんな感じ。きっと。