ブログ小力

思いついたことをやります。

ヨン様の奇跡

2005-09-11 09:20:04 | 芸能ニュース
まだまだ続く韓流ブーム。
盛り上がってるのは、女性だけのような気がするが。

先日来日した、ヨン様。
あらゆる女性誌で特集された。
そんな最中、ある女性誌の編集部に読者から1本の電話が入った。

病気の子供に、ヨン様を会わせて欲しい。

詳しく話を聞く前に電話は切れたようだ。
そんな記事を見た。

恐らく、真実はこうだろう。

6歳にして、大病を患った少女、花子。
生まれた時から体も弱く、
医者にかかりきりだった。

6歳になって、初の吐血を体験した花子。
医者にガンを宣告された。

ベッドから降りる事もほとんどなく、
抗がん剤の服用により、
体力はどんどん無くなっていった。

幼い少女の楽しみは、
母が用意した、冬のソナタをはじめとする、
韓流ドラマだけだった。

ある日のこと、
花子は消え入りそうな声でこう言った。
「ママ、私死ぬ前にヨン様に会ってみたい。」

その言葉を聞いて、
母は病室を飛び出し、廊下で声を殺して泣いた。

たった6歳。そう、たった6歳の娘から、
「死」という言葉を聞くのは、
耐えられない苦痛なのだ。

マスカラが涙で流れ、目の周りを真っ黒にしながら、
病院の待合室に向かい、
1冊の週刊誌を手にした。

今の彼女にできる事、
それは…

公衆電話に硬貨を投入し、
週刊誌に書かれた番号をダイヤルする手は、小刻みに震えていた。

「病気の…ガンと闘ううちの子供に一目、ヨン様を会わせて下さい。」

頭では理解していた。
無駄だという事も。
しかし、やらずにはいられなかった。

電話の向こうから、編集部の人間が何か言っているが、
彼女の耳には届かない。
そのとき、後ろから手が伸び、電話を切った。

「何をするの!!!…あ、あなたは!?

花子は窓の外を見ていた。
「あの葉っぱが落ちれば、私はきっと…」
「花子!!」

病室のドアが乱暴に開けた母のほうに、
花子は顔をむけた。
母の後ろに誰か立っている。

視力が弱いのか、眼鏡をかけている。
季節外れのマフラーが、なんともいえない違和感をかもし出す。

「ハナコサン、コンニチワ。」

花子は幼いその目に、微笑みの貴公子を見た。

それから数日後、
学校への通学路を元気に歩く花子の姿があった。
彼女のランドセルには、1つのキーホルダーが、にっこり微笑んでいた。

こんな感じ。きっと。