信州新町美術館(長野県)で開催中の展覧会のご案内です。
近年、素朴で自由な感性と平易ながらも瑞々しい言葉で綴られた童謡詩人・金子みすゞの世界が、改めて見直されています。
大正時代は「子ども時代」とも呼ばれています。子どもが持つ純粋性や素朴さ、自由さを高く評価した当時の文学者や芸術家、知識人は、子どもの感性を美しいものとし、それを守るために情操教育に力を注ぎました。子どもたちに芸術性が高く美しい文章を読ませようと、童話・童謡を普及させる風潮が出てきましたが、その代表例として鈴木三重吉によって『赤い鳥』が発行され(大正7年)、芥川龍之介や有島武郎、北原白秋、西条八十など一流の文人たちが作品提供して雑誌に参加したことを鑑みれば、この時代の子どもという存在に対する大人たちの関心の高さをうかがわせます。そしてその発刊に刺激され、『おとぎの世界』『金の船』『子ども雑誌』『童話』などが次々に発行されました。
詩人・金子みすゞの誕生には、このような時代背景があり、みすゞの詩人としての出発点としては、西条八十の推薦により『童話』『金の船』『婦人倶楽部』『婦人画報』などに同時投稿したものが始まりと言われています。今日では金子みすゞの詩を読むことによって、現代社会に「心の時代」を取り戻そうとする運動が全国的に広がっています。本展の目的も、大正時代の「心の美しさ」をみすゞの童謡と子ども絵の世界を観照し体感することにあります。の人々は子どもをどのように見て、どのように育てていたのか。当時の子ども絵と金子みすゞの詩世界に通底する純粋性と素朴さを重ね合わせることで浮き上がる世界観を雑誌挿絵、表紙絵、絵はがきなど約200点で表現します。
《展覧会名》
「金子みすゞ生誕110年 金子みすゞと大正子ども絵展」(詳細)
《会場》 信州新町美術館 第2・3展示室(地図)
《会期》 2013年10月19日(土)~2014年2月16日(日)
《休館日》 月曜日、祝休日の翌日、年末年始(12月29日~1月3日)
《開館時間》 午前9時~午後4時30分 (入館締切:午後4時)
《入館料》
大人500円(400円)、高校生300円(240円)、小・中学生200円(160円)
カッコ内は20名以上の団体割引料金
【ギャラリーツアー】「金子みすゞの詩を味わおう!」
2013年11月16日(土)・ 30日(土)・12月14日(土)
2014年1月18日(土)・2月15日(土) 午後1時30分~(約40分) 申込不要(要入館料)
*展覧会内容詳細/お問い合わせは、下記へお願いいたします
長野市立博物館分館 信州新町美術館 http://www.ngn.janis.or.jp/~shinmachi-museum/index.html