『一つの扉が閉じると百の扉が開く』

~Cuando una puerta se cierra, ciento se abren~

#30   なくてはならないもの

2006-04-20 17:51:54 | Weblog
「それどころか、からだの中で比較的に弱いと見られる器官が、
      かえってなくてはならないものなのです。」
             ―コリント人への第一の手紙 12章22~27節―


私の働く病院では、毎朝の朝礼として礼拝が行われています。
病院の中にあるちいさなチャペルに集まって、みなで賛美歌を歌い、
聖書を読み、職員が5分ほどのお話をしてくださいます。

先日のお話は、聖書の中から上記の箇所を引用してのものでした。
もう少し引用すると・・・

「また、わたしたちは、からだの中で比較的に尊くないとみなす器官を、
ことさらに尊びます。こうして、私たちの見ばえのしない器官は、
ことさらに良いかっこうになりますが、かっこうの良い器官にはその
必要がありません。しかし神は、劣ったところをことさらに尊んで、
からだをこのように調和させてくださったのです。それは、からだの中に
分裂がなく、各部分が互いにいたわりあうためです。もしひとつの部分が
苦しめば、すべての部分がともに苦しみ、もし一つの部分が尊ばれれば、
すべての部分がともに喜ぶのです。」

今の私たち新入職員というのは、まだまだ役立つ働きができず、
言ってみればこの「弱い器官」のようなものかもしれない、と
その方はおっしゃいました。

そして、「それでも一人一人がなくてはならない大切な存在であり、
スタッフが共にいたわりあいながら、お互いを大切に思いながら
働くことが大切です」と続けられました。
この病院に働く場所を与えられたことを、大きく感謝した朝でした。

朝、働く前に、神様の愛に満ち満ちた状態になることのできる幸せ・・・
恐るべし亀の歩みですが、神様に支えられつつ、一歩ずつ進んでいます。



#29   Happy birthday, to you!

2006-04-20 01:00:47 | Weblog
黙々と、そして悶々としながら一日の記録と格闘する午後七時・・・
野に咲くたんぽぽのようにやさしいY先輩が、ちらりと私の方を見て、
「忙しい?・・よねぇ」とひとこと。

忙しいというより、言葉の砂漠に埋もれそうになっていた私は、
Y先輩のお頼みならよろこんで!
と、いそいそとあとについて行きました。

5人の看護師で行った先は、とある病室。
消灯の時間も過ぎて、すっかり辺りは静まり返っていました。
みなで向かったのは、今日がお誕生日のTさんのベッドサイドです。

突然看護師がぞろぞろと現れて、Tさんもびっくり。
私のいる病棟では、入院患者さんのお誕生日に、
手書きのお誕生日カードをお渡しして、
看護師たちが「Happy birthday to you」を歌う、
という行事があるのでした。

Tさんがおられるのは4人部屋だったので、
消灯後ということもあって、周りの患者さんの迷惑にならないよう、
声をひそめてしずかに歌いました。
Tさんは、とてもびっくりされて・・・
そして、何度も何度も「ありがとう、ありがとう」
と言ってくださいました。
目をしぱしぱさせながら・・

でも、その中でもっとも目をしぱしぱさせていたのは、
何をかくそうこの私!
ささやかな、でもほんとうにあったかなお誕生日。
この日の気持ちを、いつまでも忘れないようにしよう、
と思った私でした^^