駄LOG

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距離

2011-04-18 00:39:38 | 二次創作【TOV:レイリタ】
ラブラブなレイリタ一発目。
のはずがリタでてない・・・(´・ω・`)
ラブラブどころかめっちゃ暗い・・・(´・ω・`)
レイリタって言うかシュヴァリタって言うか、一番喋ってるのルブランじゃね?
ってかルブランってどんなしゃべり方だったっけ?
な一発目。

そして誕生日ねつ造。それも何故かバクティオン前って言う・・・
ネタバレマンセーなので大丈夫な人は下からどうぞ!











距離





「隊長、落としましたよ」
慌てた声に振り返れば、背後に立つルブランが小さな包みを差し出している。
「ああ、捨てておいてくれ」
落とし物が何であるかも確認せずに言い放つシュヴァーンに、ルブランは大きく首を横に振った。
「贈り物でしょう!」
その言葉にはどこか必死な響きがあり、シュヴァーンは小さく首をかしげる。
「お前から、だったか?」
「違いますって」
苦笑しながら、ルブランは包みをシュヴァーンの手に無理矢理握らせる。
「よかったですね」
更にそう付け加えるルブランに、もう一度小首をかしげるシュヴァーン。その表情に、ルブランは明るく笑った。
「最近、あまり元気がないようでしたので、少し心配しておりました。しかし、こうしてちゃんと、祝ってくれる方がいらしたのですね」
「祝う?」
「先週誕生日だったでしょ?隊にいなかったので我々は祝えませんでしたが、他にもこうして祝ってくれる方がいらしたのかと思うと、自分のことのように嬉しくて」
何せ隊長は私達の誇りですから。
そう言って歩き去るルブランにもう一度首をかしげながら、シュヴァーンは側にある自室の扉を開けた。

■■■

部屋の中に誰もいない事を確認してから、シュヴァーンは包みに目を落とす。
それから少し考えた後、彼はそれを開けてみる。
包みの下にあったのは小さなコバコで、それを開ければ、藍色の髪結い入っていた。
『髪をとめても良いし、小太刀につけても・・・いい・・・から・・・』
思い出されたのは、真っ赤な顔で小箱を押しつけてきた少女の言葉。
『ハリーが、今日が誕生日だとかいってたから!』
『ほら、この前戦闘中に助けて貰ったし!』
『研究に没頭してるとき、見張り変わってくれたでしょ!』
言い訳を重ねに重ね、押しつけられた小さな小箱。
『いらなかったら捨てて良いから』
もし捨てたら烈火の如く怒るだろうに、彼女はそんな言葉まで重ねる。
そのときの表情を思い出しておもわず微笑んでから、シュヴァーンは髪結いを優しく拾い上げる。
決して高価な物ではない。
それでも、何かと入り用な旅の中、個人で使えるガルドはあまりにも少ない。
その貴重なガルドを、欲しい本の為でも、親友との語らいに用いる菓子にでもなく、一人の男への贈り物につぎ込んだ事は少し意外で、同時にこそばゆくもあった。
髪結いをそっと持ち上げ、もう一度笑みがこぼれ落ちかけたとき、唐突に、背後に気配が生まれた。
扉が開くと同時に、すべての感情が消える。
「・・・シュヴァーン」
名を呼ばれただけで、心が色あせていく。
感情を無くす男の前に進み出たのは騎士団長アレクセイ・ディノイア。
彼は卑しく微笑みながらシュヴァーンに歩み寄る。
その視線が、ゆっくりとシュヴァーンの手の中に落ちた。
「・・・バクティオンにゆくぞ。準備はすべて整った」
いいながら、アレクセイはシュヴァーンの手の中の髪結いをつまみ上げる。
「身軽な方が良い。必要のない物は置いていけ」
言われて、彼は静かに頷いた。
それに満足げにうなずきながら、アレクセイは髪結いをくずかごの中に落とす。
シュヴァーンはアレクセイに頭を垂れた。
今ここにいるのは、ただ、目の前の男に従うだけの人形だ。
彼は髪など結わない。
彼は小太刀など持たない。
髪結いを送った少女に、憎まれるために存在している心ない騎士だ。
「私は先にゆく、兵を整えたらすぐ後を追ってこい」
アレクセイは言葉を持たぬ人形に微笑むと、部屋を出て行く。
一人に戻り、少しだけ時間をいてから、シュヴァーンは中身のない小箱に目を落とす。
藍色の髪結いより、空っぽなそれのほうがよっぽど自分にふさわしい気がした。
ハコを包みに戻し、シュヴァーンは髪結い同様、それをくずかごに落とす。
だがそのとき、包みの間から小さな紙切れが落ちた。
ゴミ箱の側に落ちた紙切れはノートの切れ端。面倒だと思いつつも、シュヴァーンは床に膝をつきながらそれを拾い上げる。


『いつもありがとう リタ・モルディオ』
へたくそな文字で。見ただけで彼女の物だとわかるその文字で、書かれていたのは感謝の言葉と彼女の名前。
律儀に名字まで書くところが彼女らしいと思ってしまってから、シュヴァーンは側のゴミ箱に目をとめる。
捨てられた髪結い。
もう二度と触れることはないと思っていたそれと、距離が近づいていた。
髪結いを必要とする男に、彼はもう二度と戻ることはない。
これをくれた少女を裏切り、彼女の親友を連れ去り、その上今から自分は彼女に刃を向けに行くのだ。
目の前の髪結いは、明日には屑ゴミと一緒に処分されるだろう。
髪湯だけではなく、彼の小太刀も、紫の羽織も、彼が『レイヴン』として生きていた頃の欠片はすべて、明日には何一つなくなっているはずだ。
「リタ・・・」
なのに、口からこぼれたのは哀れな鴉のつぶやきで。
髪結いから無理矢理目を離したとたん、頭に浮かぶのはこれをつけて少女の前に立つ自分の姿。


『どう?似合ってる?』
そう言って笑えばきっと、彼女はこう答えるはずだ。
『バカっぽい』
きっと頬を赤く染めて、コチラの顔から目を背けて、彼女はそう言うはずなのだ。
そして最後はうつむいたまま、嬉しそうに笑ってくれるはずなのだ。
髪結いを拾い上げ、シュヴァーンはそれを握りしめる。
もう二度と彼女は自分にほほえみかけない。
自分も彼女の前にレイヴンとして立つことはない。
しかし許されるなら、この小さな欠片を抱いたまま死にたいと、消えゆく鴉は最後に願った。







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読み終わって、あまりの暗さに愕然とした。
「リタっち~愛してるぜぃ!」
「黙れおっさん!」
って小説書いてたはずなのに・・・あれ・・・?orz

事の発端は、バクティオンに行く前、レイヴンの装備とか色々処分してそうだなぁとか妄想した事だ・・・。
ラブラブとバクティオンはどう考えても=でつながらねぇだろ!
と言うことに書き終わってから気付いた。うん・・・。

次は普通のレイリタ書きます。
クリア後に同棲とか、心臓魔導器でドッキリとか、そう言うの書きたい、うん・・・。