My song

フリーライターの、記事にならないお話

師走とピアノの音色

2004-12-14 | Weblog
日曜日は、「文系と理系の壁」について論じ合うシンポジウムの手伝いに行ってきた。
私自身は、そんなものないと思っているのだが、そういうのがあることになっているので、
自分に付加価値がついて、自分の商売が成り立っているのかもしれないと考えると、
この議論は粗末にできない。

シンポジウムのあとの懇親会で、毛利衛さんを紹介していただいた。
言わずもがなだが、宇宙を飛んだ男だ。
一緒に写真をとってほしい気持ちをぐっと押さえて、
大人らしくふるまった。

私の中学の時からの夢は、宇宙を飛ぶことだった。
だから、私は高校で理系を選択した。
実際大学で勉強したのは農業生物だったけど、
宇宙は今でも、哲学的な存在として自分の中にあり続ける。

宇宙を飛んだ人は、人生観が変わると、よく聞く。
毛利さんは、宇宙を飛んだ数少ない人類として、
なにか特別な人間になっているのか?!

それをこの目で確かめようと、凝視してしまった。
私は未だ、宇宙を飛ぶことはかなわないが、
宇宙を飛んだ人とお話をしたということで、
夢の切れ端を拾ったような気がした。

師走に入り、仕事や身辺が慌しく、音楽で心を慰め、慰めしながら、
机に向かっている。

松任谷由実のアルバムから流れるピアノの前奏に、
不意に頭の奥がしびれるような感覚を覚えることがある。

ピアノの音は頭に響くなあと、今年悩み事を抱えていた時、
よく感じていた。

今日、ふと、そのわけがわかった。

私は中学の時合唱部に所属していた。
ピアノの音色は常に自分の側にあった。
毎日、毎日、数時間、ピアノに耳を澄まし、
歌を歌っていた。
ピアノの音色はその頃の自分に、私を引き戻すのだ。

夢がいっぱいあったあの頃。
未来がいつも輝いていると信じていたあの頃。
宇宙飛行士にだってなれると思っていたあの頃に。