デイケアでは、利用者さんたちが庭に咲いた花をよく持ってきて
くださいます。朝テーブルに座ってお茶を飲みながら、
「綺麗ね~、かわいいね~」「珍しいね、これなんていう花?」
「そりゃ、○○○よ!」「いや、○○○だて」
名前がわからないとすぐにスタッフは図鑑を取り出してきて調べます。
そして、「あった、あった」と図鑑を各テーブルに回してみんな納得。
育て方や増やし方を情報交換しあったり、ある人はノートを取り出し
デッサンをし始めたり、またある方は、「花もお茶を飲みたがっている」と
お茶をかけるマネをするものだから、みんな大笑い
テーブルの上の花ひとつで、とてもにぎやかで豊かな時間が流れます。
こんな雰囲気を作ってくれるのは、花博士「トミコさん」です!
トミコさんは、「ユニーク!あったかい!」デイケア自慢のスタッフです。
待ち遠しい春がようやく訪れたころ(大朝は冬が長い)、ふきのとうを
植木鉢に植えて持ってきてくれました。おかげでふきのとうがグングン伸びて、
可憐な姿が雑草のようになっていく姿を観察できました。
秋には、アケビや毬栗を山からたくさん拾ってきてテーブルにどっさり並べます。
紅葉狩りにみんなで行けば、「ちょっと待った!!」と送迎車を止めて落ち葉
拾いです。落ち葉はその日のおやつのお皿になりました。
松茸や香茸の季節がくると、一日中利用者さんと山のお話(入浴中も)。
トミコさんは言います。「でかける事ができない利用者さんたちに、季節を感じて
もらいたい。」と。
どうやったら利用者さんたちが、「今日は楽しかったな」と喜んでくださるのだろう、
どうしたら元気になってくれるのだろう、トミコさんの頭の中はいっぱいです。
トミコさんと利用者さんによる「園芸作業」のおかげで、駐車場脇の荒地は
見事な花壇に生まれ変わりました。
2年前は雑草を枯らせるために塩をまいていました。心に余裕がなく目先のことしか
見えない私たちに、いろいろな事を教えてくれるお母さんみたいな人です。