開講
第1回 概観・日本伝統芸能と出会う
講師:大阪音楽大学 北見 真智子先生
4月14日(水)9:45~11:45
音楽学と諸科学
音楽学と諸科学(4つのグループ)を見る。
ことばのルーツを思い起こしてみましょう
千秋楽
ろれつが回らない
日本の芸能・音楽史の中での区分
一般的な日本史区分とは少し違うところがあります。
芸能とは
「演劇・舞踊・音楽などの芸術に加えて、普通「芸術」の語では統括されない民俗芸能や大衆的な演芸などを含めた概念」
(平野昭)
民俗芸能とは
「主として神祭、魂祭、農始め、厄払い、雨乞い、農作祈願などの民間祭祀ないし習俗にその地区の共同体を構成する人たちにより
催される」(本田安次)
・・・古来人々の生活と密接に関係してきた。
どこまで遡ることができるか?
日本の古代の芸能・音楽
縄文・弥生 古墳時代 飛鳥・奈良時代 平安時代
①固有の原始音楽 ②国家的規模の音楽文化 ③貴族社会の芸術音楽
※朝鮮半島や中国大陸からの音楽の流入
当時の芸能や音楽の様相を知る手がかり
・主に楽器など音楽にかかわる遺物
・古い伝承や記録(古事記、日本書紀、風土記、
万葉集など編集された文献等)
①固有の原始音楽:木製琴
埴輪:弾琴像 角笛 太鼓 四つ竹
②国家的規模の音楽文化
国風歌舞または上代歌舞
神々や祖先をまつる祭典、もてなしの宴、死者をとむらう儀礼の場で
行われる歌舞
※朝鮮半島や中国大陸からの音楽の流入
・朝鮮半島三国の音楽(5世紀)
三韓楽(高句麗、百済、新羅)の伝来
・中国の音楽(7世紀)
唐楽に関する具体的な記述
・大宝律令(701年)
「雅楽寮(うたまいのつかさ)」の人員「唐楽七十二人」
吉備真備が音楽論書「楽書要録」を持ち帰る(735年)
正倉院には聖武天皇の遺品はじめ、東大寺の寺宝、文書類など約9000点を収納。奈良時代創建以来、原型のままで保存されている。
伎楽(ぎがく)(呉楽(くれがく)とも)
・仮面(伎楽面)をつける無言の音楽舞踏劇。寺院芸能として盛んに
行われた。
散楽(さんがく)
・唐から伝来。
・奇術、曲芸が一体化した雑芸ともいわれる芸能
新しいことを学びたいという受講生の期待通り、初日の映像を交えての講義で、日本伝統芸能の歴史・全体像を楽しく学ぶ事が出来たと思います。次回からいよいよ具体的な芸能テーマについて学びます。
次回講義は、5月12日(水)
テーマ:雅楽(平安のオーケストラ)
記事作成:黒木武紀