10月6日(水)以来の開講です。
テーマ:仏教・琵琶の音楽
日 時:11月10日(水)9:45~11:45
講 師:北見 真智子先生
仏教伝来
・古代インドから中国へ ・・・新たな宗教的概念、世界観の相違、儒教や道教などの既存の思想・信仰との折り合い。
・言語の相違:音声の問題 漢語とサンスクリット語の関係
・祈りや布教のために、僧侶が発音する経文が次第に音楽性を獲得し、独自の聖楽として発展
声明(しようみょう):仏教法会の際に僧によって唱えられる声の音楽、中国・朝鮮半島から伝わった儀式音楽
奈良・平安時代
・奈良声明:奈良(南部)の諸宗に伝わる声明。古態を伝える(東大寺、薬師寺、唐招提寺など)
・天台声明:天台宗の円仁が中国天台の儀礼や声明を伝えのちに良忍が大成させた。
・真言声明:真言宗の開祖・空海に始まり、寛朝により大成。
鎌倉時代
・浄土系声明:浄土宗の法然、浄土真宗の親鸞
・禅宗声明:臨済宗の栄西、曹洞宗の道元
江戸時代
・黄檗宗の隠元
平曲
鎌倉時代
平家琵琶
平家物語の作者は誰か?:ヒントは枕草子にある。
琵琶法師
・琵琶の弾き語りを職業とした僧体(法師姿)の盲人音楽家。中世以来、盲人音楽家(琵琶法師)の活躍が見られる。 貴族社会:14~15世紀、平曲聴聞の記事が登場
寺院社会:法会の際の唱導の一つとして、仏事儀式の中間の休憩時間に、写経の場で、勧進活動として。
武家社会:地方在住の武士たちによる受容。
江戸時代
・盲人組織「当道座」
徳川幕府は盲人の保護対策として、平曲をはじめ、地歌・箏曲といった室内楽と鍼灸按摩の独占権を当道座に認める。
明治時代
当道座の廃止:1871年に明治政府により廃止。公的な保護を失い、独力で生活しなければならなくなった。
記事:黒木武紀