1月7日(土) 「ロスト・ケア」(葉真中顕著)
戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。その報を知ったとき、正義を信じる検察官・大友の耳の奧に響く痛ましい叫び――悔い改めろ! 介護現場に溢れる悲鳴、社会システムがもたらす歪み、善悪の意味……。現代を生きる誰しもが逃れられないテーマに . . . 本文を読む
11月8日(火) 「たとえば、葡萄」(大島真寿美著)
朝日新聞 10/1 <普通じゃない人たちの普通の話>
まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ、一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。誰の心にも存在する将来への恐 . . . 本文を読む
10月3日(月) 「今日の人生」(増田ミツ著)
ただただむなしいとき、おいしいものにであえた日、年齢を感じる瞬間、町で出会った人、電車の光景、そして肉親との別れ。2コマで終わる「今日」もあれば、8ページの物語になる「今日」もある。「今日の人生」の積み重ねが私の人生…。 描き下ろしを加え、「みんなのミシマガジン」の人気連載「今日の人生」4年分が一冊に。
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8月18日(木) 「じっと手を見る」(窪美澄著)
富士山を望む町で暮らす介護士の日奈と海斗はかつての恋人同士。ある時から、ショッピングモールだけが息抜きの日奈のもとに、東京の男性デザイナーが定期的に通い始める。町の外へ思いが募る日奈。一方、海斗は職場の後輩と関係を深めながら、両親の生活を支えるため町に縛りつけられる。自分の弱さ、人生の苦さ、すべてが愛しくなる傑作小説。
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7月2日(土) 「終わりの感覚」(ジュリアン・バーンズ著)
歴史とは、不完全な記憶と文書の不備から生まれる確信である――。二十代で自殺した親友の日記が、老年を迎えた男の手に突然託される。それは、別れた恋人の母親の遺言だった。男は二十代の記憶を懸命に探りつつ、かつての恋人を探しあてるが……。記憶の嘘が存在にゆすぶりをかけるさまをスリリングに描くバー . . . 本文を読む