泥棒猫ものがたり/里中

トラ猫は慢性的に飢えていた。
コミケ太りの100グラムが数週間の努力の甲斐なく、今だ解消されず
「心持ち少なめ」の食事は足かけ2年になっていた。（12月末から今まで）

たった100グラム。
されど100グラム。

3,5?と3,6?の差は美少女からおっさんに変わる程、深い川がアルのである。
（もちろん3,4と3,5の間にもあった…あったが渡ってしまた…）

人間もコミケや正月で肥えていたので、自粛の気持ちでキムチ鍋を食っていた。
トラ猫はお地蔵様のように食卓の机に座り、何か食べ物を落とさないか虎視眈々と狙っている。
へうがが白菜をあげている。
いくらなんでもキムチ鍋…おいおい食うとるがな！
おもろいからワシもあげてみた。
ごぼてんの欠片、もちろん食った。豚肉…それでも味が分かるのかテンション高めで食った。
（キムチはお出汁で洗ってあげてます）
テレビのハ●ー・●ッターを見ながら食べてたので、時々手が止まるのだが、
トラ猫は集中力を切らすことなく、隙あらば人間から奪おうとじ～～～と待っている。
そうこうしてる内にご飯もテレビも終わった。
終わるやいなやトラはどこぞに去っていく。

台所で物音がした。
見るとトラ猫が一生懸命、ゴミ袋からゴボ天のから袋を引いている所であった…。




トラ猫ぽーは今だブレない。