おじいちゃん 料理を作るの巻

~80代男性 料理初心者のリアルな料理マニュアル~

1回目の料理~ソーセージポトフ~

2016-04-30 21:44:10 | 今日の献立
約1年前「おじいちゃんの料理」を開始してもらった記念すべき第1回目の料理はソーセージポトフでした。

皮むきはむきやすい皮むき器で…ジャガイモの芽には毒があるので皮むき器の横に付いたくりぬき器?でしっかりとります。皮をむきやすい形なのでジャガイモはメークインを使うようにしてもらいました。

キャベツは1枚ずつはがして洗うと良いのですが、少しでも楽なように&時短の意味もあって、放射状に切って葉と葉の間をよく洗うようにしてもらいました。

玉ねぎは上と下を少し切り落とし、縦半分に切ってから皮をとり、縦に5ミリ幅に切ります。

我が家は5人家族で子供の友達が週に2回は夕食を食べに来るため、夕食は結構たくさんの量を作ります。ですのでキャベツは1個、ニンジンは1本、玉ねぎ・ジャガイモは数個…という量でした。
料理初心者の人がたくさんの食材を調理するのはとても時間がかかったのではないかと思います。感謝して皆で食べ、残れば翌日もそのままor味を変えたりして必ず食べ切ります。


ソーセージポトフの作り方

1.ジャガイモの皮をむいて1センチ幅に切る。
  玉ねぎ・ニンジンは皮をむいて5ミリ幅に切る。
  キャベツはくし形に放射状に10等分してからよく洗う。
  芯はとらなくてよいが下の方の汚い所は落とす。

2.鍋に市販のブイヨン(和風のだしパックなどでもOK)と水を入れて
  1の硬い野菜を入れ、ソーセージを乗せる。(水の量は硬い野菜が浸る位)
  その上にキャベツを入れ、ふたをして弱火で蒸し煮にする。

3.キャベツのかさが減ってジャガイモやニンジンが軟らかくなったら
  塩コショウで味をつけて出来上がり。
  味が足らなければ、しょうゆ、みりんなどもOK。

おじいちゃんに料理をしてもらおうと思った訳

2016-04-29 16:44:28 | おじいちゃん今日も元気です…
 おじいちゃんに料理を作ってもらおうと思った訳

 私の父は今84歳です。5年前、献身的に介護をしていた母を自宅で看取ってから、父はボーっとテレビを見ている時間が増えました。母は亡くなる7年位前から認知症の症状が出て、父も私も大変苦労しました。そこで、父には認知症になってほしくないと思い、予防に何をしたら良いかといろいろ考えました。
幸い父は元気で、マメな人なので、家の掃除や庭の手入れをしたり、好きなジャズのコンサートを聴きに出かけたり…など、それなりに動いてはいましたが、それでも以前と比べるとぼんやりしている時間が随分増えました。
 近所の公立の体育館の中高年向きの体操教室に誘ってもみましたが、私が忙しくて行けなくなると徐々に足が遠のいてしまいました。やはり昔の考え方でしょうか…どうせ体を動かすなら他の人に喜んでもらえる方が良い…と考えているようでしたので(周りの者からすると大変ありがたい考え方ですね)何か手伝ってもらおうかと思いつきました。
 初めはお裁縫でした。
父は以前からミシンを使うことができたようで、「雑巾がなくなったから古いタオルで縫うわ。」と言って、母が使わなくなってから奥の方にしまい込んであったミシンを引っ張り出してきました。ミシンで雑巾を上手に縫っているのを見て、縫物を頼んだらどうかしら…と思いつきました。買い物中毒のような所があった母の遺品の中には何故か大量の布もあったため、それを使っていろいろなものを作ってもらうようになりました。
型紙などはありませんが、簡単に出来上がり図を書き、そこに寸法を書きこみ、布と一緒に渡すようにしました。初めに枕カバー、これが上手くできたので、次に同様のやり方でクッションカバー、少し大きめのごろ寝敷布団のカバー…これはチャックもつけてもらいました。時間はかかりましたが、とても上手にできました!その後、鍋つかみ・鍋敷き・椅子カバー・ストーブをしまっておくときのカバー・服のリメイク(すそ上げなどのサイズ直し、古いブラウスの袖を取って袖なしにする、きつくなったスカートのウエスト部分を取ってゴムを入れてもらう…)、ついには「これと同じように作ってみて」と頼んで娘のスカートを作ってくれる所まで、工作好きだった父は結構楽しんでやってくれました。が、日々の生活でお裁縫を毎日のようにしてもらうのは難しく、ついに種切れとなってしまいました。

 そこで今度はお料理を手伝ってもらったらどうかしら…と思いつきました。私は仕事を持っており、お料理好きの娘が大学生の間は随分助けてくれましたが、ちょうど娘が卒業して就職することになったため、今まで娘に助けてもらっていたのを父に頼めたら…という切実な理由もありました。

 父が今までに作ったことのある料理は「サツマイモと玉ねぎのお味噌汁」だけでしたが、それが作れるということは、サツマイモを洗って切る、玉ねぎの皮を剥いて切る、だしをとる、お味噌を溶いて味をつける…などができるという事です。これは丁寧に説明したら少しずつできるかもしれないな…と考えました。

 やり方としては、横に付いて教えながら…というのは時間的にも難しいかと思い、とにかくパソコンで料理のレシピを打ち、大きな字で紙に印刷し、クリアファイルに入れて、材料も一緒に渡すようにしました。そして、その時すぐにレシピを読んでもらい、わからないことがあればその場で聞いてもらい、説明するようにしました。
このレシピを発表しようと考えた理由は3つあります。

 一つ目は、親バカならぬ子バカ?かもしれませんが、父の奮闘ぶりをできれば多くの方に知って頂きたいと思ったことです。
今までほとんど料理をしたことがない83歳のおじいさんがどこまでできるのだろうかと(失礼ながら)思っていましたが、意外や意外!なかなかの健闘です。予め頼んでおけば、メインディッシュを含めて、しっかり夕食の準備をしてくれるようになりました。私が作れるときにも、サイドメニューを頼むこともあり、有難い助っ人です。作ってもらえるだけでも本当に大助かりですが、味付けや見た目もどんどん進歩してきていると思います。私は今56歳で、最近 体力知力共に下降気味だなと落ち込むこともありますが、83~84歳にかけての父の料理の腕前の進歩を見ると、人間80代からでも進歩するものだなあと、とても励まされています。

 二つ目は、このように料理初心者の父が上手く料理を作れるようになったという事は、ひょっとするとこのレシピも良かったのかな?と(ずうずうしくも…)思ったからです。ほとんど何もできない初心者の父のために簡単すぎることまで書いているので、料理をしたことがない人にもわかりやすいかと思います。お恥ずかしいのですが、なるべく簡単にと考えてずいぶん手抜きもしていますし、味より安全第一…と考えている部分もあり、一般のお料理研究家の方の美味しいレシピとは全く異なるものですが、本当の初心者の方にはお役に立てるかもしれません。

 三つ目は、最近認知症の予防に料理がとても注目されているという事です。
料理をする時には、出来上がりを頭の中で想像しつつ、手を動かして材料を変化させます。見て、においを嗅いで、味を見て、ジュージュー焼ける音などを聞き、少し冷ます、温めるなど皮膚の温度覚まで、五感をフル活用しての行動です。
父にも多少の物忘れはありますが、とても元気で、料理をしてもらうようになってから特にいきいきと暮らしてくれているように感じます。
これからも料理を続けることで、認知症を予防していくことができるかどうか、まだ1年ですが今後の父を見ていきたいと思っています。